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高齢期リハビリのココロエ10 暇だからって一日テレビを観てはいけません

『一日テレビを見て動かない』高齢者は日本中におられると思います。そんな方たちにぴったりな介護保険サービスはというと通所サービス(デイサービスやデイケア)です。そこで運動したり、人と交流してきてほしい、そんな願いを込めてケアマネさんやご家族は高齢家族を送り出します。
 ではなぜ、家で日がな一日テレビを見て過ごす高齢者が増えたのか?
①家族の過度なリスク管理
ご家族が『動いたら危ないから』とご本人の生活・動きを制限してしまっている
②高齢者の迷惑をかけたくない気持ち
高齢者自体が『わたしは家では何もできない、だから家では迷惑かけないようにテレビをおとなしく見とく』と考えがち
③同居による役割の喪失
同居をすることにより嫁や娘に家事が移行してしまう。つまり高齢者はすることがなくなる
④ケアマネージャーのスキル不足
在宅生活を立て直すという概念がないケアマネさんが『活動・参加』は『在宅ではなく』『通所サービスでするもの』とステレオタイプ的にサービスをくんでしまう。あるいは在宅生活を組み立てる職種がいることをケアマネさんが知らない
⑤訪問リハセラピストのスキル不足
在宅生活を組み立てるべき訪問リハがその技術・経験がない(運動療法・歩行練習が中心になる)
と以上が原因と考えています。
 ここでいえることは、暇だからと一日中テレビを観ていると大変なことになります。基本中の基本の考え方ですが私たち人間は『使わない機能は衰えていきます』。つまり、問答無用に衰えます。「嫁に任せた家事を今さらわたしがするなんて考えられない?」いや、考えてください。「家事なんて女の仕事、おれはしない。」もうそんな考えは古いです。毎日しなければならないことなんて家事以外に何かありますか?趣味なんてものは特にしなくなても死にませんし誰も困りません。しかし家事は違います。高齢者こそ家事をしましょう。
 そしてケアマネさんにも通所サービスに加えて家での生活がうまくいく、満足いく、手足頭を使えるようなケアプランを立ててもらうようにお話してみてください。訪問リハがもし機能訓練と歩行練習しかしないようでしたら、健康や幸福になれる生活の仕方のアドバイスも求めてみてください。きっと相談にのってくれるはずです。
 要介護になる前に「一日テレビ」=「老化スピードを早める」を覚えておいてくださいね。

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