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春のような温かさがいつもある学校に… その人を想いつづければ言葉は、願いは、ゆっくりと、しかし確かに伝わるのだね 〜心の宝物173

🌷明るく元気に生き生きと


山に囲まれた小さな学校
秋が深まってきました。新型コロナが猖獗を極めるのはまだ数年後のことですが、例年、この時期は、インフルエンザやノロウイルス感染予防の注意喚起が、学校保健安全上では大切な課題となります。ベテランの養護教諭の導きで、この学校では、教員でなく、保健委員の児童が感染予防活動の中核を担っていました。

後期、保険委員長に推された6年生の彼が、11月の全校集会で、感染予防について語りました。「体調を崩す人が一人もいないように」という願いから語り始め、手洗いやうがいの大切さについて説明する話は分かりやすく、深刻な内容でありながら、笑顔で明るく語る姿に、低学年児童も、引き込まれるように集中して聴いていました。

🌷その人を心から思い続ければ、言葉は、願いは、ゆっくりと、しかし確かに伝わるのだね


彼のお宅のある地区は、校区の中でも遠方に位置していました。数十分の道のりは、小学生、とりわけ低学年の児童には、大きな負荷がかかります。そんな彼の通学班は、しかし毎日元気いっぱいで玄関をくぐってきます。先頭の彼に、下級生たちも元気な挨拶で続きます。表情には疲労の影もありません。そんな姿を優しい目で、少し誇らしげに見る彼からは、全員を今日も無事に学校まで連れてこられたことへの安堵と、最上級生としての矜持のようなものが伝わりました。道道で、優しく温かく言葉をかけ、時には笑わせ。そんな風に仲間を、小さな子たちを気遣っているに違いありません。

周囲に善意の関心を向け、日常の様々な場面で、よき選択を実行する。自分や仲間の笑顔と成長を大切にする思いや願いは、委員長としての語りに、通学班を引率する姿に、掃除等日常の当番活動から常に穏やかに周囲に伝わります。

下級生があなたの語りに引き込まれるのは、自分たちを想ってくれている気持ちが伝わっているからだろう、他者に対する善意の関心と、そこで捉えた気づきを大切に、自分の言葉や行動を選び取る君の生き方に、彼らが共鳴しているからだろう。

その人を心から思う言葉や行動が、ゆっくりとその人に伝わり、その人の心を揺さぶることがある。感化という言葉で表される。
私たち教師が示すべき姿勢を、君が示してくれている。
私も改めて、そうありたいと心に刻みました。

そんな思いで、お伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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