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フランス滞在の記憶「ε」名画の大きさ~ナポレオンの戴冠式とモナリザの事

初めて、ルーヴル美術館に行った時の話。

16歳。初渡欧だった。

西洋史を勉強し始めた頃と重なり、歴史的に有名な本物の絵画を見た時の興奮具合は、半端ではなかった。

教科書でみていた絵の大きさはすごく小さくて、実際の絵のサイズと全く異なっていた。覚えてるのはナポレオンの戴冠式の絵のサイズについて。

皇妃ジョゼフィーヌのフカフカの触りたくなる質感のローブが印象的なあの絵。

教科書では数cm×数cmなのに
実際は 約6 m × 10 mもある。

教科書には実際の大きさがわかる6mと10m の紐か、たこ糸でもつけておいてほしいと帰りの飛行機で思っていたっけ。

小さくて驚いたのはモナリザ。
77cm×53cm。

日本のごく普通の新聞紙の見開きが
81.2cm×54.6cm。

だからおおよそそのくらい。あれ?これは美術館で見たより大きく感じる。そうだ、人だかりで近くまで行けなかったから、余計に小さく感じたのかも。

有名な作品の周りには、大抵人だかりが出来ていて、モナリザもご多分に漏れずで、なかなか前のほうへ行けなかった。

数十年前だが、日本の地方でやっている絵画展は、目玉となる絵以外は、小さかったり、ぱっとしなかったり、名もない絵ばかりだった。

私のような無知な若者には、とあるテーマにそって厳選され、大切に日本に運ばれて来ていたのであろう、その絵の本当の価値などわかるはずもなく、興味が持てなかった。

パリのLouvreなんて、どれだけ歩いても歩いても、大きな絵画や名画のオンパレードで、それはそれで段々とお腹いっぱいになってきてしまうのだけれど。

今はどんな展示でも解説をみて展覧会の全体像を把握しつつ、自分のペースで1つ1つゆっくりとみていくのが好きだ。

多くの美術作品は解説や前提の基礎知識があることでより味わい深くなる。
まっさらな状態で作品を見るより、かなり事前予習してから望むのが好みだ。

好きな事だと、知識の習得にドライブがかかって、半ば自動的に理解が深まってくる事を数多く経験してきた。

なんでだろうか。いつも不思議に思っている。