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「日常のすぐ隣にあるイリーガル」マリファナ編-①

「You want marijuana?(マリファナが欲しいのか?)」

隣に座った男が話し掛けてきた。

場所は都内のライブハウス。
好みのミュージシャンが出演する次のステージを待つ間、本を読んでいたらこう話し掛けられた。

その頃俺は、普通の生活に飽き飽きしていて、非日常、というか非合法な物、つまりマリファナが知りたくて、それ系の本を読み漁っていた。

この時読んでいたのも、確か「マリファナ・ナウ」とかいう、マリファナについての認識を改めさせようという意図の本だった。

有識者?や体験者の寄稿文、国内外のマリファナ情報が満載の、マニアには堪らない本だった。

そのライブハウスはその夜、人気のライブだったせいか妙にぎゅうぎゅう詰めで、薄暗い店内でも隣の人間が読んでいる本も見ようと思えば覗き見ることも出来る。

それに加え、この男はさっき、妙なパイプで不思議な香りのタバコ?を吸っていたのだった。

冒頭の様に話し掛けられてとっさに思ったのは、アングラな本を読んでいることを知られた焦りと(この男、まさかさっきマリファナ吸ってたのか?)という疑惑だった…。

◆※※※ この物語はフィクションです。実在の人物、団体、地域とは一切関係ありません。世に出回っているドラッグ関連書籍にヒントを得た創作物です。エンタメです。実体験ではない読み物に不満を持つ方は買わないで下さい ※※※◆

・・・

日本国内なのにわざわざ英語で話し掛けられたし、聞かれたのがマリファナに関することだったのもあり、咄嗟に俺も「Yes」とだけ答えた。

男は良く見ると、かなり細見で浴衣を着ていて、暗い店内にも関わらずグラサンを掛け、さらにスキンヘッドだった。

どう見てもヤバい奴だ。

しかし、もしかしたらこの男が(俺が求めている物を教えてくれるのかも知れない)と思い、多少ビビりながらも話を続けた。

割と甲高い声のその男を、ここではNと呼ぶ。
Nは、話してみるとそれほどヤバい世界、ヤ〇ザとかといった類の人間ではなく、工事現場などで働いているそうだった。

「このライブのあと、ウチに来るか?」

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