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松坂慶子の鈴さんが、良い感じ。

萬平さんが、チキンラーメンを作る気配がないまま、年を越そうとしていますが、皆さま、いかがお過ごしですか。

朝ドラ「まんぷく」のことであります。
今週の放送(オンタイムでなくまとめて観たものでタイムリーでなくすみません)では、「ウラシマミルク」がトレンド入りしたようですね。
世良さん=桐谷健太(なぜか役名にはさん付け、俳優は呼び捨て。だって、世良さんは、世良さんであって、よく知っている(ドラマ観てるからね、うん)けど桐谷健太のことは知らないもん。)が、差し入れで持ってきた粉ミルクの名前が「Urashima」だったという!ウラちゃん!芸がこまかい!!
鬼ちゃん(東先生)もいるからなぁ、今後何かあるかしらと期待してしまう。けど、世良さんはいじりやすいけど、キャラ設定的に、東先生は難しいかなー。そもそも今年最後の放送(昨日放送回)で、萬平さん釈放されてもしかして東先生もう出てこないのかしら。とかとか。
東先生出てきたあたりから、ラーメン作る夫婦の話ってより、「半沢直樹」の匂いがして(単に国税庁が乗り込んで来た、ってだけだけどね、私の中で。しかもそっか、半沢直樹は金融庁か、ま、いいか)面白かったとおもっています。

ま、そんな昨日今日のトレンドに乗ることなく、 #熟成下書き という企画を見つけたので、11月初旬に書いていた朝ドラネタを、完成させたいと思います。11月なので、それほど熟成ではないですが。とはいえ、ドラマで言うと、戦後間もないとき、福ちゃんたちはまだ克子姉ちゃんの家に居候していて、まだ泉大津で塩作りも始めていないときなので、月日が流れていることを感じます。

<以下、下書きに入っていたもの>

タイトルは、「松坂慶子が背負っている役割」でした

おそらく大女優という部類の人に向かって、素人の私がこういう言い方をするのも大変なんではあるが、松坂慶子が安定のワンパターンの演技を披露している@朝ドラ「まんぷく」。

あのわざとらしい、大仰な、芝居がかった感じの台詞回し。
いや、芝居だから芝居がかっていても良いのか?いや、それを自然に見せるのがプロなんじゃないのか?うん?じゃあ「芝居がかった」って言葉ってなに?うー、ぐるぐる。
話がそれまくるので、一回戻す。

そう、松坂慶子。
そういう役作りなのかもしれないが、私が見たことがある松坂慶子の役はいつもそうなので、彼女の芸風なんだろうか。いや、いつも一緒ということは芸風(芸)でもなくて、それが彼女の演技のパターン(そしてそれは1つだけ)なんだろうと私は認識するに至っている。

今これまで私が見たことのある役柄を列挙してみようかとググっていたら、たまたまこんな記事を見つけた。

この記事によると、twitterでも「「安藤サクラの演技に比して松坂慶子の大根ぶりが気になる今日この頃」「安藤サクラと話しているシーンとか、松坂慶子のせいでテンポが悪い」などといったつぶやききが多数上がっている」とのこと。
そんなの別に最近のことではないぞ、前から私は思っていたぞ。別に自慢することでもないが。
そして記事中にはこんな映画誌ライターのコメントも。「松坂は元々、演技派というよりも美貌をウリにしてきた映画女優。器用ではありませんが、あの演技こそが持ち味です。」
「演技派ではない」って言い切られている女優って、なかなか大変そうだわ。

はいまた逸れた。ググった当初の目的に話を戻す。

私が観たこれまでの松坂慶子

・朝ドラ 「ゲゲゲの女房」で主人公と懇意の貸本屋の女主。
→ああ、そうだった。うん、同じ感じだった。
・同じく朝ドラ「あさが来る」の大隈重信の奥さん役。
→そんなに登場シーンは多くなくて、さすが朝ドラ、脇役にも大物ね、な感じだった気がするが、でも演技については、はい、同じ感じだった。
・そしてこれを一番覚えているんだが、大河ドラマ「篤姫」の幾島(篤姫の教育係の老女)。
→これは完全に、はい、同じ感じ。しかも確か、「女の道は一本道!」という彼女のキーフレーズがあって(その後、よく篤姫も言っていたんだと思う、重要じゃん、この役柄!)、それは今の「まんぷく」で「私は武士の娘です!」というのとかなり近い雰囲気。

さあ、ようやく大元の話に戻す。

いや、そのワンパターンの演技が、それはそれでもはや私の中では安定した感じになっていて、特に気にもなっていなかったところに。
ここへ来て(私はオンデマンドで視聴しており、現在少し遅れ気味で視聴中)、松坂慶子に、というか、そのワンパターンの演技に、実はかなりの役割が担わされている気がしてきた。

売れない画家をしてた婿(次女=主人公の姉 の夫、戦地から無事に帰国)が、戦争で目をやられて色の区別がつかなくなってしまったことを告白し、「もう描けない」となったシーン(第29回)。
家族のみんなが涙目、視聴者が(多分)ああ、かわいそう、、と思ってジーンとなっているところに「そしたらマトモな仕事についてくれるのね」と言い放った!(あの安定の台詞回しで)

しかもそれが「お母さんそんな言い方しなくても」とか劇中で「受け」があるわけでもなく、みんな普通に流していて、その婿(ちなみに要潤)も、苦笑しながらも(そう、こういうのが演技力なんだと思う)「そのつもりです」とか答えちゃったりなんかして。

ああ、なんかズレた母の感じを、あの演技が一手に引き受けている。そして、ドラマ上、それは結構スパイスになっている。
あの演技を見越しての設定なんだろうな。
======<以上、下書きより>======

はい、下書きに入っていたのはここまで。
通りで下書きになってるわけだ、納得の中途半端さ。。

で、幸い、その後のドラマ展開をみていると、この松坂慶子の存在感はどんどん大きくなってきていて、続きを書く気が起きてきました。

っていうか、いまや、松坂慶子、テンポが悪い(上述の記事内の視聴者の声)どころか、新たなテンポを作り出してるくらいの感じ。これを「当たり役」と言わずして何という、というレベル!私なんてドラマの中で楽しみな部分だったりする、鈴さん(役名です)の発言シーン。つまり、「私、好きです、松坂慶子の鈴さん」。と告白しちゃう感じ。下書き時点で私の中に芽生えていた「松坂慶子が担っている役割が実は大きいんじゃないか」という思いは、熟成期間を経て、確信に変わり、そして役割云々を語る以前に、彼女の存在を気に入っていることに気づく。

鈴さんの「私は武士の娘です!」の役割

朝ドラには最近、流行らせることを意図しているとおぼしき決まりゼリフ、口癖みたいなものが存在していることが多い。「あまちゃん」で流行語大賞にもなった「じぇじぇじぇ」から始まったと推察する。

表 「近年の朝ドラの決まりゼリフ一覧」
(出展)  筆者の記憶&勝手な解釈

作品名       /セリフをいう人の役名   /   せりふ
・あまちゃん / あき(主人公)/「じぇじぇじぇ」
・花子とアン/  花子(主人公)/「って!」
・とと姉ちゃん/ とと姉ちゃん(主人公)/「どうしたもんじゃろのー」
・べっぴんさん/  スミレ(主人公)/「なんか、なんかな」

(出産育児のため一年朝ドラブランクあり、「ひよっこ」、「わろてんか」については不明)

・半分、青い。/スズメ(主人公)/「どっち?どっちどっち?」

そして、今回の
・まんぷく /鈴(主人公の母)/「私は武士の娘です!」

こんな羅列してまで言いたかった事は2点。
1つは、これまでその口癖のセリフは主人公のものであったのに対し、今回は主人公の母に設定されていること。
2つ目は、そのセリフがこれまでは感嘆詞?だったり、まぁあまり意味のないものだったのに対し、今回は意味を持つ文章であるということ。

つまり、それだけ、鈴さんの存在感は大きい。いや、大きいように、最初から設定されていた、というのが正しいか。

「私は武士の娘です!」も、もはや今では、ドラマの中でもネタみたいになっていて、「はいはいまたね」と流される感じや、「お母さんは武士の娘なんでしょ!(だからごちゃごちゃ言わないの)」と諭される感じや、様々な使われ方をしている。いじりたくなるような可愛らしさも持ち合わせている気がする。

「はやく孫の顔が見たいわ〜」、とか、このご時世ならあり得ない台詞も、あら不思議!松坂慶子の演技にのせれば、ちょっと許せる?!
「サキの子どもの顔も見てみたかったわ〜」(サキは病気で死んでしまった長女。それをまだ死んだ妻を思って独り身で頑張っている戦争帰りの婿に言ってしまうという暴挙)も、あら不思議!・・・後略。
そして先ほどの「そしたらマトモな仕事に就いてくれるのねー」だって、あら・・・後略。

松坂慶子のあの演技だからこそ成せる技。
来年も楽しみです。

皆さま良いお年を。

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