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「学校になじめない」は絶望じゃない。そこからはじまる「未来」もある。

「なんだか学校は居心地がわるい」
「同年代の人間と、うまく人間関係が築けない」
こうした想いを体験したことのある方は、なかなかに多いのではないだろうか。
しかし、大人になった私たちは、知ってもいる。
生きていくにはお金が必要で、働いてお金を得るには、社会に適応するための知識や技術が不可欠だと。

だからこそ、「子どもたちの未来をおもって」、「よかれとおもって」、大人の視点で先回りをして、子どもたちの道筋を決めてしまいがちだ。

個性が大事といいつつも、学校に通い、友達をつくり、マジョリティな人生を選択させようとしてしまう。


『子どもたちには、この世界で生きていく術を授けたい。』
その願いは、切実で、正しくもある。
問題は、「実現する方法」なのだ。

大切な子どもたちにとって、本当に価値のある選択をするためには、大人たちの常識と目線ではなく、当事者である『子どもたちの見ている風景』からはじめることが重要だ。

大人が決めたやり方を押し付けるのではなく、「こうしなさい」を「どうしたらいいかな」と、子どもに視線をあわせて考える。

そうすることで、子ども時代だけの、柔軟で際限のないパワーを生かすことができる。
夢中になれるものに出会えたときには、爆発するエネルギーをそのままに。
苦手や困りごとには、ユニークな付き合い方や伝え方を。
その子の中に眠っている好奇心、広い意味での『異才』を、学びのきっかけにする方法が、求められている。

でも、どうやって?
「障害のない社会をつくる」をビジョンにかかげる株式会社LITALICO主催の未来構想プログラム「LITALICO研究所 OPEN LAB」第3回の講義では、「新しい学びの場所と、自由な学びのスタイル」を学校の内外で実現している3名のスピーカーをゲストに迎え、子どもたちのみている世界に迫っていく。
当日会場に来られなかったみなさんに、イベントの一部始終をお届けしたい。

(レポート執筆:瀧波わか)

本記事は、2019年度に実施した、LITALICO研究所OPEN LABの講義のレポートとなります。会場・オフラインでの受講生限定で開講・配信した講義シリーズの見どころを、一般公開いたします。

考え続ける、きっかけの場

2019年9月なかば。
都内の高層ビルの16階に向かっていた。
灰色の箱に乗り、音もなく上昇する。
意識するでもなく、数週間前のスマホ画面を思いだした。

今年の8月31日も、SNSでは夏休み明けの児童自殺を防ごうとする呼びかけが散見された。
子どもを守る、という至極真っ当な取り組みであるのに、この活動が過熱すればするほどに、思い知る。
「学校」が居場所ではなく、不快や苦痛になっている子どもたちは、決して少なくないのだ。
ぼんやりと、物悲しい、気持ちになった。

そしてたどり着いた、イベント会場。
小学校の教室よりすこし狭い空間に、50人ほどの大人が腰かけている。
横に広がる配置で並んでいるイスの座面は、鮮やかな黄緑とオレンジ。
夜景ののぞめる広い窓に、蛍光灯にはっきりと照らさせる白い壁。
その部屋は、機能的に大人数を集める役割であるのに、無機質とはほど遠い、いかにも「心躍るなにか」がはじまりそうな空間であった。
しぼんだ気持ちも、浮上する。

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「皆さん、こんばんは。では時間になりましたので、OPEN LAB第3回講義を始めたいと思います。」
司会進行とモデレーターを務める、鈴木悠平氏のあいさつで、約2時間半にわたるイベントが開会された。

鈴木 
OPEN LABでは「共に語ろう、未来を描こう」というフレーズを掲げています。簡単に答えを出すのではなく、時間をかけて皆さんとじっくり考えていく、問いを掘り下げていくことを大事にしています。

今回は『子どもたちの見ている風景』がテーマです。ユニークな個性を持った子どもたちと大人たちが、一緒になって新しい「学びの方法」を編み出していく。そんなムーブメントが学校の内外、さまざまな場所で立ち上がっています。3人のゲストの方々の取り組みを聞いていきたいと思います。


「ズバッと答えを出すのではなく、考え続けるきっかけの場」
冒頭で、本イベントをにこやかに位置づけたことが、とても印象的だった。

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もし、我が子が「学校にいきたくない」と伝えてきたとき。
親としては、もちろん、寄り添っていたい。
無理に登校を促したり、子どもを追い込むような声掛けはしたくない。
「多様性」がひろく叫ばれるようになった現代の保護者の多くがはそう思うのではないだろうか。

しかしながら、「学校に通わない」という選択肢がまだまだ一般的ではない今の日本において、100%の気持ちで「じゃあ行かなくていいよ」と言い切ることも、また難しい。
愛ゆえの、葛藤である。

そんな揺れるバランスに配慮した、学生当事者、現職教員、そして学校外組織の3つの立場から語られる座組。
キャスティングからも、イベントの主旨がはっきりと読み取れて、安心する。


いよいよ、プログラムのはじまりだ。


子どものうちから働きたい!夢を叶える「親子起業」

鈴木
1人目のゲストは、株式会社クリスタルロード取締役社長、加藤路瑛(かとうじえい)さんです。拍手でお迎えください。

盛大な拍手の中、席を立つひとりの若者。
真っ青なパーカーに身を包んだ彼は、背筋を自然に伸ばしており、年上の参加者たちを前に、まったく動じていないようにみえる。

創業社長だと紹介された、彼のプロフィールを手元の資料で確認して、驚く。
中学二年生…?

慌てて視線をもどすと、堂々と登壇の先陣をきった横顔はたしかに、青年というよりは、まだ少年だ。
落ち着いた態度と、年齢と結びつかない肩書が、パーソナルデータのおさまりをちぐはぐにしている。
吞み込みの悪い私をさておき、加藤さんはプレゼンテーションを開始する。

加藤
よろしくお願いします。加藤路瑛です。現在13歳、中学2年生です。
僕は12歳で起業して株式会社クリスタルロードの取締役社長をしています。
今日は「12歳の起業ストーリー」と「僕の見てきた風景」についてお話したいと思います。

ここで問題です。

僕は小さい頃から「働きたい」と思っていました。その理由は何でしょうか。
1、小さい頃からスーツ姿に憧れていたから。
2、小さい頃から母の職場に出入りしていて会社に憧れていたから。
3 、祖父母の民宿でお手伝いをしてお小遣いをもらって、働く楽しさを知ったから

…正解は全部です。

実に丁寧かつ、興味をそそる冒頭あいさつだった。
堂々とはなす様子は頼もしく、導入にクイズをもってくる工夫は参加者の緊張をほぐしてくれた。

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加藤
働きたい、でも働くのは大人になってからと親に言われ、「そういうもの」だと深く考えずに過ごしてきました。

そんなとき、あるカードゲームの帯に、「小学生で起業した」と書いてあったのです。

調べてみたところ、『親子起業』という方法なら、子どもでも起業できると知りました。

親子起業とは、子どもが取締役社長、親が代表取締役になる方法です。
社長になるのに年齢制限はありませんが、法人登記は15歳以上でしかできません。法人登記に必要な印鑑証明が取れないからです。
僕はこれがとても面白いと思い、やってみたい、そして、伝えたい、広めたいと思いました。


『親子起業』という聞きなれない仕組みとの出会いを、嬉々として語る加藤さん。
たまたま出会った1文から、自力で情報を集めた力強さがみなぎっている。

加藤
僕が『親子起業』に感動した理由は2つあります。

1つ目は「働くのは大人になってから」と思っていた常識が吹き飛んだこと。
2つ目は、学校の外に面白い場所があるという期待感を持てたこと。

僕自身が、学校に違和感や居場所のなさを感じていました。
だから、子どもでも起業できることを知らないで大人になるのを待っている人がいるなら、伝えてあげたい。
僕が起業して成功例になれば、誰でも起業しやすい世の中になる。
そう思って、『親子起業』を決意しました。

加藤さんは、『親子起業』実現に向けて、まずはお母さんに相談したそう。
いきなりの話に、本気で起業するなんて思っていなかったお母さんは「いいんじゃないの」と加藤さんを肯定。

翌日、こんどは学校の担任教師に同様の話をすると、先生から「事業計画書を作ってメールで送ってください」とオーダーが。

調べながらはじめての事業報告書を提出すると、「良かったです。学年主任の先生と教頭先生からOKをもらいました。最後は校長先生に、1人でアポを取って許可をもらってきてください」とステップアップを提案される。

この担任教師の、加藤さんへの向き合い方が、すごくいい。
頭ごなしに「前例がない」と否定することはせず、無理難題を押し付けて追い返そうともしていない。
「会社をつくりたい」と訴える加藤さんを、不当に子ども扱いしていないことがうかがえる。

無事に校長先生のGOサインももらった加藤さんは、クラウドファンディングを利用して88人の方から115万4500円の支援を受けることにも成功。
資金調達も自力で行い、株式会社クリスタルロードが誕生。

会社のビジョンは「子供を理由に『今』を諦めなくていい社会」をつくること。
起業までのストーリーを話し終えた加藤さんは、その中でみていた「当事者(子ども)としての風景」を次のように表現している。

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加藤
僕は妊娠37週間で、1652 g 39 cmで生まれてきました。
お腹の中でうまく育たなくて、検査をしても原因がわからなかったんですね。
なので、親は大事に育ててくれました。
親が「生きてくれればそれだけでいい」という考えになったのも、小さく生まれたことがきっかけだと思います。

小さい頃はとにかく体が小さいことと、早生まれということもあって同級生に比べてできないことも多かったです。
上手にできないのが当たり前という親の価値観の中で育てられたような気がします。

僕は今でも「とりあえずやってみる」という考え方をしていますが、幼少期の体験が少なからず影響していますね。


小学生時代は、食べることが苦手で給食が苦痛だったと話す加藤さん。
また、文字の読み書きにも苦労したが、5年生のときにご両親が「書けなくてもいい、スマホやパソコンで打てればいいのだから」と話してくれたことで、大きく気持ちが楽になったという。

よどみなく、声がこちらにしっかり届く彼の話し方は、プレゼンターが13歳(当時)の少年であることを、自然と忘れさせる。

そして、まだ「子ども」の途中でありながら「子どものころ」の話をする加藤さんは、たいへん明朗だ。

大人がいくらか美化しながら語る、追憶の子ども時代ではなく、いまの加藤さんにダイレクトにつながっている思い出たちは、その身近さが、なまなましいほどだった。

子連れ出勤が許可されていた母の職場と、館山で祖父母が営む民宿が「遊び場」だったと話す加藤さん。
両親とともに、各地で工場見学や技術体験を重ね、その好奇心を養ったという。
家事もスポーツも、興味のあることは一通りやらせてもらえたことが、「仕事は面白い」と思わせてくれた原体験だそう。


加藤
僕は凡人ですけど、『異才』があるとするなら、行動力の天才です。
出来るかできないかを基準にせず、「とりあえずやってみる行動力」を獲得してきました。
このようになれたのは、間違いなく、両親のおかげだと思います。

20分ほどあった、加藤さんのプレゼンテーションの中で、私はこの時の表情が、一番記憶に残っている。

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加藤さんは終始、自分は特別な存在ではなく、まだまだ模索中で、周囲の助けもあって、やっと活動しています、という謙虚な姿勢を崩さなかった。
それは彼の人格のなせる業でもあり、また、経験してきた「ままならない諸々」の存在も感じさせて、子育て中の身としては、称賛以外に、複雑な感想も感じていたのだ。

そんな加藤さんが、「両親が自分を否定せずに、興味を伸ばしてくれたから、今がある」と確信をもって語る様子は、胸に迫るものがあった。
私の席から、同行していた彼のお母さんのお顔は見えないが、晴れやかなものであったのだろうと、勝手に想像して、嬉しくなった。
その後、加藤さんは小学校6年生の頃の担任だった中村先生との思い出を語ってくれた。

加藤
中村先生は、給食の時間が苦痛だった僕のために、お弁当持参の許可を校長先生にとってくれました。
クラスのみんなにも「加藤くんは食べることが苦手。みんなも運動とか苦手なことがあるよね。」と説得してくれました。
そのおかげで、給食の時間にお弁当を食べていても、突っ込まれることは一回もありませんでした。
他にも、陸上競技をすすめてくれて、走るのが速くなって自信がついたり、だんだんと学校や勉強も、好きになっていったんです。

多感な時期に、素晴らしい師と出会うこと。
それすらも、私には『異才』の一部であるように感じられた。

加藤さんは最後に、今後もイベント登壇や書籍出版など、個人でも多くのチャレンジを行い、企業としてはさまざまな手段で子どもたちの「働きたい」を応援していくと表明した。

「まだ子どもだから」がやりたいことをやれない理由になってしまうことが嫌だと話す加藤さん。
その姿をみていると、私の中にも「まだ中学生なのに立派だ」と、年齢という色眼鏡で彼を判断している部分があることに気付く。

自分が感じた不自由や不満を解消し、さらに同じように苦しい思いをしている誰かのために、会社を運営していく加藤さんは、年齢などに関係なく、とても魅力的な人物だった。

子どもの自由な「研究」が、大人を巻き込み、世界を変えていく

森村
こんばんは。公立小学校で特別支援学級の担任をしています、森村といいます。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今日も、国語・算数・図工とか6時間授業をしまして、クラブ活動と会議もしてから駆けつけた状態です。
さっきまでジャージ姿だったのに、本当に私でいいのかな、と思いながらお話させていただきますね。

2人目のゲストは、公立学校で特別支援学級の担任をされている森村美和子さん。
森村さんは、表情と声、両方に、とてもポジティブな雰囲気がかおる、花が咲いたように大きな笑顔で話す方だった。
会場が、ふわっと華やぐ。

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森村
今日は、「自分研究」という取り組みを中心にお話をさせていただきます。
もう10年近くやっている取り組みでして、同じ悩みや課題を持つ仲間と困っていることなどを研究して、対処方法を考えたりする実験ですね。
授業をやるときに、教師と生徒という関係ではなく、「研究所の所長と研究員」と名乗ってすすめます。
一方的に子どもに教えるのではなく、困っていることを「共同研究」する形式です。

森村さんが取り組まれている「自分研究」は、いうなれば自己分析と自己開示がセットになったようなものだ。
自分は何に困っているのか、どうしたらその困りが解消されるのか。
自身の特性を振り返り、創作性をもって仲間に伝えることで、どちらか片方が我慢するのではなく、お互いに理解して歩み寄れる状態を目指している。

2年前に出演した、NHKの発達障害特集「苦手と向き合う子どもたち」で取材をうけた事例をわかりやすく紹介してくれた。


森村
主人公は週に1回、通級指導に参加している「てるくん」という男の子です。
彼にはしゃべりすぎてしまう、という特徴がありました。
名付けて、『ペラペラノドン』です。(スライドにてるくんの描いたイラストが表示される。)

恐竜のようなビジュアルを持たせることで、てるくんは自分の特性を「喋りすぎたときに現れる。授業中などいろいろな場面で現れて、合体するとさらに最強になる、困った奴だ」と分析しています。

そして仲間と話し合う中で、「クールダウンオフダ」と「ストップオフダ」を発明します。
彼なりに、しゃべりすぎないように工夫を考えたんですね。

てるくんのお父さんは、彼の特性が出ると、なんとかしなきゃと力ずくで静かにさせるような場面もあったそうですが、「自分研究」によって、「息子も大変なんだな、いろいろ考えているんだな」理解してくださいました。
てるくんも、「やっとわかったの?」なんて言ったりして(笑)

てるくんの「自分研究」は、彼が在籍している普通級のクラスでも大人気になり、クラスメイトからの依頼が殺到しました。
「しゃべりすぎると、相手も自分も困る」という困難からはじめた取り組みが、とても強い自信になったのです。

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てるくんの成果を語るとき、森村さんはとくに嬉しそうに、両手でマイクを包んで話す。その様子がたまらなくキュートで、てるくんを知らない私にも、嬉しさが伝染してくる。

森村さんはにこやかに、何人もの生徒たちの「自分研究」を紹介してくれた。

不安なニュースなどをみると心が不安になる少女がつくった「泣き虫ゴーストちゃん」。人生相談ノートなど、不安をはきだせるアイテムを4つ作って持ち歩くように工夫した。

友達を執拗に誘ってしまうために、友人作りで苦労した子が発案した「しつこいざるちゃん」。彼女は中学生までこの研究を継続し、森村さんに継続することの重要性を再確認させてくれたという。

宿題に着手するまでに1時間以上かかってしまう困りは「だらだらきんちゃん」。
この研究を通して、本当の困難は、だらだらしてしまうことではなく、「難しい問題が1問目にあると飛ばせない」という特性にあったのだと、問題の本質に気付いたそう。

森村
子ども自身が変わることで問題を解決するケースだけではなく、大人がそもそもの課題の難易度や量、やらせ方が適切かを再判定していくためにも、「自分研究」は役立ちます。

今回の企画の、「子どもたちの見ている風景からスタートする」って、すごい素敵ですよね!本当に、子どもの視点や発想を借りると、思いもよらない解決策が出てきたりします。

「自分研究」をしたからといって、もともとの不安が全てなくなるわけではないのですが、キャラ化することでネガティブな内容を発信しやすくなります。「自分研究」をしたから何かができるようになったとか、ものすごく変化が大きくなったというよりは、ちょっと折れづらくなったとか、たくましくなったとか、実感するのはそのようなことです。

あとは、「周りの変化」も大きいですね。その子を取り巻く環境自体が変わっていくんです。実は、そこの方がミソなんじゃないかな、と感じることも多くあります。

学校と保護者も、対立ではなく共同で、なにか作っていけたら…と話す森村さん。
不登校に悩む生徒が研究のいったんとして書いた日記を読み上げる様子は、本文を追っているはずであるのに、彼女の声はずっと、「大丈夫、大丈夫」と背をさすっているようだった。

「好き」と言わずに、心からの好意をじんわりとにじませる音色が、とても心地よい。
今日の集まりに勇気づけられた、もう一度原点に戻って、いちから「子どもの見ている風景」とともに成長していきたい、と非常に前向きに登壇を締めくくった。

キミの居場所になってみせる。決意が生んだ、教育のカタチ

福本
皆さんこんばんは。異才発掘プロジェクト「ROCKET」の、福本と申します。
ロケットのように好きなことを持っていたり、大きな志と特異な能力のある子どもたちが集まる場所。そしてこの場所を介して、飛び立っていこうと。
そういう願いが込められてついている名前です。

始まってもう5年経つんですけれども、今125名の子供たちが北海道から沖縄まで、全国から参加してくれています。

どんな子たちが来ているかというと、もう抜群にこだわりが強いメンバーですね。
学校では好きなことだけやっていて怒られるとか。
ここが気になったから続けたいんだけど、授業の鐘が鳴ってしまったって切り替えができなくて困っているですとか。

譲れないこだわり故に、友達といつも衝突するとか。困難でもありますが、それが逆に強みになっていくような学びを提供していくことが、教育の役割なんじゃないかと思って、「ROCKET」をやっています。

3人目のゲストは、東京大学の「異才発掘プロジェクトROCKET」プロジェクトリーダー(当時)・福本理恵さん。とても明朗に、話す女性だな、とおもった。
ピンと伸びて美しい姿勢も、理知的な表情も、福本さんの雰囲気は説得力に満ちていた。

それでいて、子どもたちの可能性や取り組みを伝える言葉は熱量があり、なるほど、情熱と愛情と、どちらも手放さない方だからこそ、テクニカルな組織を運営できるのだな、とすぐに腹オチした。

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福本
ロケットの活動をご紹介したいと思います。
やりたいことには「申請制度」がありますので、企画書を書いて、それが通るととスポンサーがついて、獲得した予算の中で活動します。
会社の経営を練習しているような感覚です。

ある男の子は、小さな頃からキノコが大好きで、日本の普通の公園で、トリュフや貴重なキノコを採ってきたりします。
彼は申請制度で、いかに朝から晩までキノコに情熱を燃やしているかをアピールし、顕微鏡を手に入れて、さらにキノコ研究を掘り下げていっています。
新種を発見したりもしているんですよ。

彼はキノコと同時に音楽やプログラミングが得意で、ドラマの作曲家になりたい、だからドラマから作る、と発想して、脚本・監督・俳優・音楽・撮影なんかを全部1人で行ってドラマ制作もしています。
「やりたいことがありすぎて時間がないんだ」と嘆いているくらいですので、好きなことを突き抜けさせてあげるようにサポートしています。

すごい。かなりすごくないだろうか。

確かに、この少年をいまの学校教育に組み込んだら、かなり窮屈な思いをしてしまうだろう。キノコとドラマだけでも時間が足りないのだから、1日中教室で座学を受けることは、退屈なはずだ。

福本さんは続けて、引きこもりながらロケットを利用している青年の事例を説明する。

コミュニケーションに困難があるため、自宅でずっと爆破映像を制作し続けていた彼は、ある日、映像制作会社のクリエイターの目にとまる。そしてついに、大手アパレルブランド・GUのプロモーションムービーの仕事を受注した。

「家から出たくない」と、長い間ずっと「好き」を継続していくことでスキルアップし、それがビジネスにつながったのだ。

福本
それぞれの子どもたちが好きなことを続けてきたからこそ、結果があります。
そのときは「いったい何になるの」と思われてるような状況で、ご家庭からの支援がなかったり、学校に無理をして通い続けていたら、もしかしたら伸ばせなかったような可能性ばかりです。

ROCKETを通して、「やり続けていいんだよ」と伝えたい。
好きなことに没頭したときに、もしかしたら、何か芽が出るかもしれない。
でないことも、もちろんありますが、うまくいった事例を、いまご紹介しています。

大人が勝手に「ここが100点です」と上限を決めないことで、もっともっと200点300点と、伸びていく才能もあるんじゃないかと、私は信じて刺激を与えています。

福本さんのROCKETへの想いを聞き、ここまで、ROCKETに参加している子どもたちに漠然と持っていた、「特別」の意味合いが変化した。

いわゆるギフテッドのような、特性と同時に、特出した才能を所有している子どもたちだけに向けられた取り組みではなく、現状の学校システムや社会ルールが生きづらいすべての子どもに、「あなたはあなたでいいのよ」と肯定する気配を自然に感じた。

その一部として、特技や興味が将来の職や居場所につながるといいよね、という順序なのだろう。

さらに福本さんは、子どもたちに必要な「刺激」を2つ説明してくれた。

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福本
1つは「トップランナートーク」。
宇宙飛行士や起業家、スカイツリーを建てた鳶の方など、いろんな分野で活躍をされている方々に、見てきた風景をお話いただくことです。変わった幼少期を過ごしている人たちも多いですし、成功にいたる苦労などを聞きながら、トップランナーになろうと思ったときに、周りを気にしてちゃいけないのだと知ってほしい。

たった一言で「人生が変わった」という感想を子どもたちからよく聞くので、すごく大きな影響を与えてくださってるなって感じます。
親が同じことを言ってたとしても、やっぱり与えるインパクトが違うんだなと。
もっと尖らせていっていいんだよと、言ってくださってるようなパワーを感じます。

もう1つは、”オタク”の仲間との出会いですね。
興味のジャンルはちがってもいいから、同じように深掘って熱中できる仲間の存在は、子どもたちをとても強くします。

例えは、武将が好きで、武将の話ばかりする子って、どうしてもクラスで浮いちゃいがちです。でも、その話にすごく食いついてくれてる仲間がいるっていうことを知るだけで、僕はこの趣味を、好きだと思ってることを諦めなくていいんだと、気づけるんです。

今はSNSでもつながれますから、必ずしも学校の中で見つけなくてもいい。
その存在が、日常生活の失敗や困難を乗り越える力にもなると思います。

ROCKETでは、そんな仲間と出会いやすいように、芸術系・科学系などのカテゴリーを縦割りにできるようなプログラムを企画されているそう。

ただし、好きなもの=大量の知識を入れる、という流れに、それだけでは将来的にAIにとって変わられてしまうかもしれないと、福本さんは危惧をにじませる。


福本
子どもたちには、徹底的にリアリティのある体験を届けるプログラムを作っています。例えば、「解剖して食す」という取り組みのなかで、イカを捌いてイカ墨のパエリアを作りなさい、というミッションがあります。

やり方は自由だし、時間制限もつくりません。
すると、教科書には載っていない、大変クリエイティブな調理法や盛りつけがでてくるんです。

プロセスは自分たちが選んで、それに責任を持つ。
作業途中では失敗かもしれないものを、最後まで仕上げることで、失敗ではなくなってるんですね。

これは人生の作り方もまるきり同じで、自分の納得を自分で決めていける力が重要だと考えています。
そのためのフォローをする場所が、ROCKETなんです。

お話を聞けば聞くほど、学校システムの中で実現できない風景を子どものたちに提供している実態が伝わる。そして、ROCKETにたどりついた子どもたちの、安堵を期待をおもい、穏やかな気持ちになる。

ここまで、ゲストスピーカー3名、それぞれの立場から考える「子どもたちの見ている風景」がプレゼンされた。

自ら世界を広げた、貴重な当事者の経験を話した加藤さん。
学校教育の枠組みの中で、子どもと共に理解を深める努力を続ける森村さん。
学校外の組織から、教育のありかたに挑戦している福本さん。

みなさんに共通しているのは、子どもたち(加藤さんに関してはご自身)の「異才」を計算や気負いもなく、信じているということだろう。
なにも、すごく特別な能力であったり、その子だけのオンリーワンでなくてもいいのだ。

ただ、本人が安心して夢中になれるものであったり、「自分はこれが好きで続けていきたい」と明言できる、自分の中の「指針」のようなものを1つ持っておくだけで、景色の見え方は、昨日までと変わるのだ。

そして、それを見つけることは、計算式や集団生活の形式美を学ぶことよりも、時として、人生に大きな意味を見出すのかもしれない。
少なくとも、「そうだよ、それでいい」と態度で示してくれる場が複数存在していることは、なんとも頼もしい限りだった。

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これからの、子どもたちのために

イベントも後半戦、鈴木氏の取りしきりで、3名のスピーカー同士が意見を出しあう、パネルトークへと移行した。


鈴木
ではパネルトークをはじめたいとおもいます。
最初は、あえて抽象的な質問を投げてみようと思います。人間の「才能」って、いったいなんなんでしょうかね。
凸凹の大きい子どもたちを見ていると、学校で困り感やしんどさを抱えることもあれば、ものすごく爆発的なエネルギーを発揮することもある。
人間の才能って結局どういうことなんだろうと、みなさんの思うところをお聞きしたいです。

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福本
ROCKETの子たちを見てると、本当に才能ってなんなんだろうって思うんですよ。
ただ一つ言えるのは、「偏って強いもの」。私はそう思います。例えば、過敏性が困りごととしてあっても、その「気が付きすぎる」特性が、営業マンなんかで武器になることもあるかもしれないじゃないですか。

ものすごく自分が苦手だと思ってたものが、環境が変わると強みに才能にもなるし、逆に、苦手感を強調するようなものにもなってしまう。才能ってすごく紙一重で、環境しだいで現れ方が異なっちゃう、そういう偏りなのかなと。

加藤
才能っていうのは、「自分が気付けた、突出している部分」かなと思います。自分がそれを活かせると気付けたものが「才能」と言われるけれど、そうでないものは、周囲から駄目出しされるポイントになってしまうところもあるなって。環境によって気づけるか気づけないかが、変わってくると思うんですね。

鈴木
そうですね、本当に紙一重というか、環境によって輝くこともあれば困りごとになることもありまそうした、子どもたちの「偏って強いもの」をポジティブな体験につなげていくために、大人たちは何をしたらいいんでしょうか?

福本
「異才を育てること」をやっていると、どんなふうに育ってほしいかとか、どんな貢献を目指すのかと、よく聞かれます。
私が子どもたちに願うのは、まず自分自身を愛し、人を愛し、そして社会を愛する、ということです。そのことは、「自分がありのままでいい」という状態を作ることになり、自分の中にあるものを伸ばしていくことになると思うのです。

そういう意味で、今の世の中では学校や家に居場所がない子どもたちが、愛を経験する機会が少ないように思うんですよ。
一生懸命やった自分の好きなことが、形にならなくても、異才にならなくても、それでいいんだと。ただ愛して真剣に向き合ってるものがあることを、私たちは認めるよ、という立場でありたいですね。

加藤
その人の個性だったり多様性を認めて、伸ばしてくれる大人がたくさんいたら嬉しいですね。周りを見ると、絶対にこうした方がいいとか、大人の基準を大人に押し付けられている子どもがたくさんいます。僕の親は、やりたいことは基本的にやらせてくれて、それが大きかったと思います。

鈴木
子どものやりたいこと、愛して真剣に向き合っていることを認めて、応援する。大人たちのかかわりかたとして、とても大切なポイントだと思います。一方で、子どもたちの側も「やりたい」ではなく「こうあるべき」という思考に縛られてしまう、自分で枠組みや限界を作ってしまうこともあるのではないかと思います。デジタルネイティブと呼ばれる今の世代の子どもたちは、僕たちが子どもだった頃と比べて非常に多くの知識・情報が入ってくる環境に生きています。

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森村
教師をしていると、子どもたちの情報の取り方に圧倒されることはあります。
でも同時に、いろんな情報がある分「普通」ということに、縛られてしまう感じもある。
支援学級の子たちから、「僕は普通じゃないからダメなんだ。普通になりたい」と言う相談を受けることもあります。
「普通」の基準から抜け出すことができると、少し楽になってくるんですが、それには仲間の力が大きいです。
「俺もそうだよ」なんて共感し合える仲間とは、学校の中だけでなく、外の世界で出会うこともあります。
情報が入りすぎてしまうけど、仲間とはつながりやすい。そんな2面性をネット時代の子たちに感じますね。


鈴木
「普通じゃない」ということを子どもたちが自分で発見して意識して、悩んでしまう。そんな子どもたちが、思い詰めて先相談してきたとき、森村先生はどんな風に受け止められているんですか。


森村
そうですね…「そういうふうに思ってるんだね」って言いながら話を聞くっていうことしかできないですね。話を聞いていると、私の方もいろいろ悩んで、「うぅっ」ってなります。実は大人が答えを持ってないことが多くて、それを一緒にとことん悩むことしかできないです。


鈴木
無理に「答え」を急いで、何か与えなきゃって思うんじゃなくて、一緒に悩んで探していくんですね。時間はかかるけど、先生が一緒に悩んでくれることで、だんだん楽になってくる部分かもしれません。
「答えがない」悩みとしては、
子どもたちの将来、進路やキャリアをどんなふうに選んでいくかということも難しいところだと思います。小・中・高と進学して、大学に行く人は行って、就職して…と、なんとなく社会が「普通」として想定している単線的な進路イメージがある一方で、「その子」本人にとって、どんな選択が一番良いのだろう、と。

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福本
ROCKETにも、一般的な会社で働くのが難しそうだなという子が多くいます。
だけど、じゃあ「好きなこと」だけで食べていける仕事をすぐに作れるかっていったら、やっぱり今はまだまだ難しいですよね。
ただ、好きなことを「形にしたい」という思いはあるわけですから、低年齢から、商売をためしにやってみるような仕組みは用意したいと思っています。
LINEのスタンプや自分で書いたイラストのTシャツを作って売ってみましたとか、そうした経験ができる「お試し期間」は必要ですね。


加藤
僕は、未来の心配は、意識的にあまりしないようにしています。
会社の事業の先のことは考えてるんですけど、実際、自分がどうなるかはわからないですよね。中学を卒業したら、もしかして高校は海外に行ってるかもしれないし、バイトをしつつ何か新しいことをやってみたいと言っているかもしれない。その時その時、自分が何をしたいと思うかを大切にしたいですね。

鈴木
ありがとうございます。ここで
会場からもご質問をいただきたいと思います。


質問者
以前は小学校の教員でしたので、すごく親近感を持ってお話聞かせてもらいました。僕自身はもう、「学校は行かなくてもいいんじゃないか」と振り切れてはいるんですけど、お三方がこれからの学校に求めるものというのをお聞きできればなと思いました。

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加藤
僕が求めるのは、多様性ですね。
学校は偏差値や学力っていう価値観で固められているので、もっと多様になってほしい。子どもからみて、学校の目的がほとんど見えていないんです。なんで勉強してるのって思ってる生徒が多いと思うんですね。受験だけのために勉強しているように思えてしまうと、困惑してやる気がないのかなって、僕は感じます。あとは、例えば、感覚過敏だったりがあって学校に行けない子も、認められるような仕組みですね。将来的には僕も「通いやすい学校」を作りたいんです。


福本
私も多様性を受けて。
学校って多様性を作るのには、難しい構造をしちゃってるんじゃないかと思うんです。
箱を作ってそこに同年代の子たちが集まってきて同じことをするんじゃなく、いつか本当の意味で多様なものが混ざり合っている社会に出るための練習をする場になったほうがいい。
教師だけが教科を教えるのではなく、もっと地域ともつながって、得意なことのある方が、それぞれ教えたらいいとも思います。相互に学べるような形式ですね。

森村
では私は、今学校現場にいる身からお話させてください。
かなり縛りはありますが、もっと会社や大学、外の世界とつながってもいいかなと思います。
個性に関しても、苦手を改善という方向だけではなくて、子どものワクワクとか好きを大声で叫べるようになったらいいなとおもってます。

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鈴木
ありがとうございます。
オンラインでの投稿ですが、保護者の方からのご質問もありました。
『息子が通う支援級の担任の先生は、日々の教科学習を進めることにとても忙しくされています。自分研究のような長期の取り組みをクラスでやってもらうように、保護者から先生に働きかけるにはどうしたらよいでしょうか』
森村先生、いかがでしょうか?

森村
まずは保護者の方が「自分研究」をしてみて、それで提案するとか、いいかもしれません。
どうしても保護者と教師って、敵対のような方式になりがちなので、親御さんが自分が研究したことを提案してきてくれたら、嬉しいと思います。一緒に、どうしたらいいか考えていきましょう!


鈴木
やはり1つの答えが出せないところにこそ、その子どもたちの可能性や、新しい学び方が眠ってるんだなと実感しました。
非常に鮮やかな風景を、お三方に見せていただきました。
ありがとうございました!



盛大であたたかな拍手が会場を包み、イベントが閉幕した。
しかし、すぐに立ち去る人はごく少数で、この場で満ちている「子どもたちの風景」を惜しむように、それぞれが談笑し、スピーカーの3名と意見を交わしあう様子がみられた。
講義中に大人に負けじと元気に挙手をしていた、小学生参加者の明るい笑い声が響いている。
鈴木氏は、本イベントの主旨を「考え続けていくという意思表示」だとしめくくった。
そうなのかも、しれない。

多感な時期に、学校という限定的な世界で得るものは大きく、そこで生涯の友や将来の夢をみつけていく子どもたちがいることは、事実だ。
しかし同様に、「その他大勢用」にデザインされたシステムになじめず、行き場をなくしてしまう子どもたちの存在も、また事実である。

「困難」と表現して、本人に改善の努力を求めてしまうのか、「異才」と名付けて、いいねいいね、もっとやろうよ、と肯定して伸ばすのか。

全部を全部、後者に振り切ることは、難しいのだろう。
支える大人たちは、大人たちなりの社会を生きており、常に「子どもと同じ風景」を眺めていられるわけではないからだ。

しかし、それを言い訳にせず、むしろ、「意識しないと、同じものは見えないのだ」と忘れずにおくことで、本当にその子にとって必要で、大切で、居心地のよい寄り添い方を考えることができる。

『異才』は平凡なものよりも、ずっと入り組み、複雑だ。
だからぴったりの、都合のよい量産型の「答え」はどこにもない。
「ない」と知った自分は、あきらめるのか、それとも目の前の「その子」と向き合い、例え道のりが遠くても、1から作っていくのか。
静かなエレベーターが、1階のエントランスにつくまえに、豊かな方を、選んでみたい。

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レポート執筆:瀧波わか
子育てメディア・コノビーの編集長。2019年3月まで株式会社LITALICOに在籍。児童発達支援、インターネットメディア事業などに従事。3歳の娘と陽気な夫の3人家族。
https://note.com/kazoku_sukiyaki/n/n5eabf444fc6e

執筆者_紹介写真

写真撮影: たかはしじゅんいち
1989年より19年間のNY生活より戻り、現在東京を拠点に活動。ポートレイトを中心に、ファッションから職人まで、雑誌、広告、音楽、Webまで分野を問わない。今までトヨタ、YAMAHA, J&J, NHK, reebok, Sony, NISSAINなどの広告撮影。現在Revalue Nippon中田英寿氏の日本の旅に同行撮影中。著名人 - Robert De Niro, Jennifer Lopez, Baby Face, Maxwell, AI, ワダエミ, Verbal, 中村勘三、中村獅童、東方神起、伊勢谷友介など。2009年 newsweek誌が選ぶ世界で尊敬される日本人100人に選ばれる。
https://junichitakahashi.com/

編集: 鈴木悠平

執筆協力: 雨田泰

同講義のダイジェスト動画はこちら (一般公開)

(加藤路瑛さん編)

(森村美和子さん編)

(福本理恵さん編)

(パネルトーク編)

配信・録画・動画編集: 有限会社スーパーダイス

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