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『なくしたもの・もってるもの』

 昔、オホーツクの常呂という町でのこと。
 150円くらいかな、入ってたはずのガマグチを無くした。
 小さな町だし、そんなん盗るひともいない。
 たぶん、散歩してた砂浜で落としたんだろう。
 
 いま90の祖母が、信金に行く用事があるという。
 おれはクサってたけど、いっしょに行った。
 大通りという名の一本道を、漁港方面へ、すぐだ。
 
 すると向こうから、砂まじりの突風が吹いてきた。
 祖母もおれも、しばし屈んだ。
 やっと目を開けると空宙から!(祖母のマジックではないってこと)
 500円札(今はない・青いやつ)がヒラヒラと落ちてきた。
 
 7歳のおれは、
「これ、交番にとどける? 交番どこ?」
 祖母は、
「ふふふ。もらっときなさい。
 なくしたものは帰ってくるし、持ってるものはなくなるべさ」と。

てんでまとまりのない文章を、連想しながら勝手に書いているだけです。 たまに霊感が降りて、意味ありげなことも書けたらいいなと思っています