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越前鯖江で見つけた自分が本当にやりたかったこと|宮藤遥香さん(神奈川 / 20代)

LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 
1998年神奈川県出身。英文学科の大学を卒業後、デザインを1年学びグラフィックデザイナーに。現在はグラフィック系のデザイン会社にてアシスタントデザイナーを務める。
 2023年3月に開催された原研哉さんらによるトークイベントをきっかけにLDSを知り、受講を即決。LDSのフィールドワークで訪れた福井県鯖江市に衝撃を受け、越前鯖江デザイン経営スクールを受講することに。最近は毎月福井県に通い、漆器問屋の課題解決に向けて奮闘中。

━━ 普段はどんな活動をしていますか?

社会人1年目で、グラフィック系のデザイン会社でアシスタントデザイナーをしています。紙媒体のデザインをすることが多く、中でも企業のパンフレットや冊子の制作に携わることが多いです。仕事以外では、福井県で開催されている越前鯖江デザイン経営スクール(※)に参加したり、英語が好きなので洋書の読書会に参加したりしています。

英語の読書会で読んでいる本

現在も地元の神奈川県に住んでいて、自宅から歩いて3分ほどで海に行けるのがお気に入りです。

越前鯖江デザイン経営スクール…「これからの地域を支えるデザイン経営」を本気で学ぶ場所として、福井県鯖江市と越前市の共催により2023年に始まったスクール。

━━ デザイナーになろうと思ったきっかけは?

大学にあった「ブランディングデザインの教科書」という本を読んだのがきっかけです。大学卒業後は海外留学に行く予定でしたが、コロナの影響で急に行けなくなってしまって。そのため就職活動をすることになって、いろいろと会社のことを調べたけどしっくりこず…。そんなときに、以前からなんとなく興味があって、本を読んだりもしていたデザインの道に進むのはありかもと思いました。

大学は英文学科だったので、デザインはまったくの初心者でした。最初はイラレの操作方法すらわからなくて大変でしたが、1年間勉強してデザイナーになりました。

━━ たくさんの苦労や努力があってデザイナーになったんですね。LDSに参加しようと思ったきっかけは?

2023年3月に開催されたライフスタンスエキスポというイベントで、原研哉さんや中川政七商店の中川淳さん、リードデザイナーの坂本大祐さんによるトークイベントがありました。たまたま参加したそのトークの中でLDSのことを紹介していたんです。直感的に面白そうと思ったのと、私の会社には同年代のスタッフがいないので、同世代の仲間が欲しいなと思って、参加を決めました。

━━ LDSに実際に参加してみてどうですか?

まず、原研哉さんのレクチャーに感動しました。ふだんから本を読むことが好きで、まさか本で読んでいた原さんご本人のレクチャーを受けられるとは思っていなかったし、ものの見方や捉え方を考え直すきっかけになりました。リードデザイナーのみなさんのレクチャーも楽しみですが、最近は予定が合わずアーカイブで視聴することが多いですね。

━━ リードデザイナー新山直広さんの拠点である、福井県鯖江市と越前市のフィールドワークにも参加されていましたね。

フィールドワークで越前鯖江エリアを訪れた際、ものづくりに携わる方々のお話を聞いたり仕事を見たりして、こんなにエネルギッシュな田舎があるんだと衝撃を受けました。

会社の先輩に「もっと素材を見て」と言われたことがあって、最初はその意味がわからなかったんですが、実際に作っている職人さんの表情や置かれている環境を見たことで、ガラッと見方が変わったというか、そういった経験は初めてですごく感動しました。

私は仕事上、すでに完成されたものをどう伝えるかを考えることが多かったのですが、それ以降は作り手やデザインする素材自体をより大切にできるようになった気がします。フィールドワークを通して、様々な活動をしている同世代に出会えたのもよかったですね。

あと、まさかこのフィールドワークをきっかけに、越前鯖江エリアに通うことになるとは思ってもいませんでした。フィールドワークがおわってすぐのタイミングで、越前鯖江デザイン経営スクールが開催されることが発表されたんです。越前鯖江のエネルギーの正体をじっくり見てみたいと思い、思い切ってエントリーすることに。

━━ 現在、宮藤さんは越前鯖江デザイン経営スクールでも日々頑張っていますね。スクールでの活動内容は?

私が参加している「商品・サービス開発プロジェクト」は、2023年9月〜2024年3月にかけて、越前鯖江エリアのものづくり企業と新たな商品やサービスを開発する取り組みです。4社あるうち、私は曽明漆器店という創業100年の漆器問屋を担当しています。漆器業界についてリサーチしたりマーケットを開催してみたりといろいろ実験中です。

プロジェクトメンバーと企画した「一期一会マーケット」の様子

フィールドワークや越前鯖江デザイン経営スクールを通して、新山さんと越前鯖江のまちには衝撃を受け続けています。新山さんやその周りの人だけがすごいのかと思ったら、町の人みんなが元気でやさしくて、新しいことを始めるのに寛容だったんです。とにかく町全体が魅力的だと思います。

━━ 越前鯖江エリアに魅了されたんですね!今後の展望や、やってみたいことはありますか?

LDSが始まるまでは、なんとなく「ブランディングデザインをやりたい」と思っていたんですが、この1年の経験を通して、事業者さんの近くでデザインに関わりたいという思いが強くなりました。今まではお客さんの顔があまり見えていなかったんだと思います。

漆器問屋でのプロジェクトでは、事業者さんの近くにいるからこそ見えてきた課題や、チーム全員で「これいい!」ってなる瞬間があって。私はこういったデザインが楽しいんだ!と気づけたので、今後もコミュニケーションをとりながら一緒につくる、つまり「伴走するデザイン」ができたらと思います。やりたいことの解像度が上がってきましたね。

LDS卒業後の活動も今の延長線上のような気がしています。まずは鯖江でのプロジェクトをやりきります!

(聞き手|ふるかわともか)


地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者どうしが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。現在、24年度のエントリーを受付中です!デザイナー(志望)はもちろん、イラストレーター / 大学生 / 行政職員 / 地域おこし協力隊 / 販売員 / 製紙業 / 百姓!などなど多様な肩書きの方にエントリーいただいています。詳細はこちらから!


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