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洋画『THE BATMAN』レビュー

あなただから、照らせる暗闇は。

暗闇の中の灯火

あらすじ


感想

 バットマン全作を通して語られるテーマは、

「悪と正義の選択」
「背中合わせの正義と悪」

ではないかと思っています。
といっても、全作を見ているわけではないですが。
ちゃんと見たのは、『ダークナイト』くらいで。
あとは関連作の『ジャスティスリーグ』に『JOKER』くらい。
その中でも『ジャスティスリーグ』のバットマンが1番好きな私は、今回のバットマンを見に行く予定ではありませんでした。
 『ダークナイト』のバットマンが、ちょっと合わなくて。

去年の誕生日プレゼントにもらったギフト券の有効期限が迫ってなければ、見に行こうとは思わなかった。
ほんと。
あと『スパイダーマン』の時期を逃してしまったが故。
そして、『バットマン』が4DX✨でやっていた故に、見ようと決めました。
今はもっぱら、エモい!と宣伝中の作品ですが。(ちょっとどこがエモかったのか、私には分からなかった。エモいって何?←おばさんが過ぎるねw)


まあ、なにはともあれ。


期待は裏切られ。
見てよかったなと思いました。
(洪水シーンがあるので、ダメな方は注意してください)


今回のバットマンは、貧相です。悲しみに満ちている。でも、2番目に好きなバットマンでした。
「復讐」というキーワードがうっすら滲んでいただけなのが、ちょっともったいなかった。なんて、思ったりもしましたが。
私がバットマンに気をとられ過ぎていただけ?(字幕で見ると、そういうところの印象が薄くなっちゃうんですよね)
全編通してのあの薄暗い感じは大好きで、とても居心地が良かったです。
よくよく思えば、誰にも感情移入していなかったかな。
あれ? どの視点で見れば良かったんだろ……


悪に対しての成敗は、もはや復讐ではないし。
バットマンが父親を殺した犯人を探している風でもなかったし。
(犯人、捕まってたんでしたっけ?それで仕方なく八つ当たり的な感じでした?だとしたら、ちょっと八つ当たり感が物足りなかったかも……)
悪が一方的にバットマンに執着する意味が分からなかったし。
(どっちつかずな感じが、燗に障ったのかな)
まあ、これが『JOKER』の続きだというのなら、その執着も納得いくっちゃいくが……。

「え? ジョーカー、まだそんなとこにこだわってるの?」

と、思わなくはないにしても。
(あのエンディング時では、そんなことから解き放たれているように感じたから。『JOKER』の話)
(これから語られることなんですかね?続編あるのかは、分かりませんが)

「俺は復讐だ」って言葉に、あんまりピンとこなかったです。
私的には。

今作の犯人の手によって、父親殺しの犯人(真犯人???)も特定されるわけだけど。
悲しみにくれてはいたが、復讐心に駆られている様子はなかったしな。
むしろ、その面を担ったのは、あのスタイルのよすぎるキャットウーマンでしたね。
あの滑り降りる様といったら、そりゃ見惚れるよ!っていう、登場シーンでした。
あのときの音楽も好き。
てか、音楽は全編通して好き。

なに、あのバットマンの登場シーン。めっちゃかっこいい音楽流れるやん!


って、話を戻します🙇


キャットウーマンは、友達を殺されたから、その犯人を殺そうとします。
けれども、バットマンは平然と(私にはそう見えた)それを止めます。
自分だって持っているはずの復讐心なんてそっちのけで。
ここら辺の葛藤が、本当にイメージとして薄かったのは、私の見方が足りないせいかしら? マスクのせい?
にしても、「なぜ殺人を止めるのか」については、なんだか理由づけが曖昧な気がして仕方なく。
正しい選択であり、正義の選択であることには代わりないんだけども。
それじゃ、バットマンの悲しみの行方はどこに?
って、ならなくもない。
だから最後の叫んで飛び降りるシーンに合点がいかなかったのかしら?

なんにしても、今回のバットマンは、どこか性善説的なところに帰属しているような気がしました。
生まれながらに悪を選択する人と生まれながらに正義を選択をする人の違い、的な。
私的にバットマンはそういう話じゃなかったんだけど。
これは勝手すぎる意見か。


ただ、私が求めていたのは、どんな境遇でも、同じ虚遇でも、葛藤の末に正しい選択をすること。
自分の意思で、理性で。(←ここが大事で。『ダークナイト』のバットマンが嫌いなのは隠された真実により、それがかりそめになりうる可能性を秘めていたから。なんです。支えが必要なのはわかるけど、それじゃない感が否めず)

今作は何度も悪役とバットマンの共通点を、これでもか!と描いていましたよね。
その度にバットマンは、なにかの引っ掛かりを感じていましたよね。
まあ、最終的には、「お前は孤児じゃない」と悪役に突っぱねられてましたが。

これには同意見です。

高層ビルに住んでいて、お手伝いさんのいる子供を孤児と呼んではいけない。
親がいないだけが、孤児の意味するところじゃないと思うんだ。
そういえば、今回は言葉の定義についても、触れている話でしたね。


そして、叫びながら飛び降りる最後のシーン。


たぶん、この作品の根幹。
「そこに悪役はいないよ」と思ってしまった、自分の浅はかさはともかく。
手を差しのべたバットマンに、1番に応えるのが子供だったのは、そうだよね、と思った。
たぶん、バットマンは今の大人にではなくて、子供たちに背中を見せていく人なんでしょうね。
大人たちはもう、バットマンという存在に偏見しかなかったですからね。
その偏見も、もしかしたら子供たちが変えていくのかもしれませんが。
手離しに“正義のヒーロー”と言えないところが、バットマンの良いところではありますが。


どうでしょう?


大人はバットマンを正義の象徴と言えるのでしょうか。
やっぱり、悪を倒す正義は警察だけというのでしょうか。


「お前はなぜ警官にならん?」


と、やっぱり思うのかな。それが正規のルートだろ、と。
バットマンは悪でも正義でもないという見方をされるなら、そうである必要性があるのなら、それはどうして? と、思わなくもない。
バットマンである由縁? あれ? 私見落としてるかなガーン


見逃される悪を裁くため?でした???


(だとしたら、余計、お前がそれをやる理由はどこにあるんだよ?と、動機を求めてしまうけど)


最後に。


「何かの象徴になった」は、自分で言うことじゃないだろと思ってしまいました。
視点として厳しいのかも知れませんが。
なんか、弱さというか、脆さというか。
そうじゃないと、自分が自分の存在を認められない、みたいな。
そんな台詞に聞こえました。
貧相さを考えれば、今回のバットマンはそれで良かったのかもしれませんが。
私たぶん、正義のヒーローだと、キャプテン・アメリカ推し過ぎるんだと思います。

製作会社違うけど。

正義のあり方も、バットマンとじゃ違うと思うけど。


最後の《あなた》はジョーカーですかね???


でも前作『JOKER』に引き続くんなら、違う人(あのときのジョーカーとは違う人)じゃないかと思ったり。
ジョーカー何歳だよと思うし、この20年で何があった?
と思ってしまう。
個人的には引き継いで欲しくない作品ですが、引き継ぐなら『ダークナイト』のジョーカーくらいおかしくあって欲しいです。
なんか、そう考えると、あれからちょっと変化を遂げた『JOKER』を見てみたい気もしなくはない……
が、執着心はないで欲しい。


全部コメディに変えるんでしょ???


なんて、どこか『JOKER』の続きなんじゃないかと思うところもあった作品ですが、これ、『ジャスティスリーグ』にも続くんでした???
また別のお話、だよね???

にしても、吹き替えがまた減りましたね。ちょっと残念。DVDで見るしかないのかぁ。
まあ、なんか見落としも多分にありそうだから、この作品はもう一度見ようと思います。
今度は私の理想像を押し付けずに、ちゃんと向き合おうかな。バットマンに。


吹き替え楽しみ♪


まとめ〈追記;〉


感想を読み返して思ったのは、

犯人の逮捕に際し、復讐心には一区切りつけたバットマン。復讐心に燃えるキャットウーマンを「復讐は虚しい」と止めるも、最後、まだ自分の中に復讐心があるとしり、「俺は復讐の象徴だ」と口にした。

もしくは。

「復讐は俺だ」と言いながら、その虚しさを体現し、キャットウーマンを止めようとする。自分みたいにならないように。
しかし、自分を戒めるように影に生きようとするバットマンもまた、誰かの心を灯すことができる。

なんか、後者のほうが正しい解釈に思えるけれど…?

見返したらまた、あらすじと一緒に書き足します。


復讐=クラピカを思い浮かべてしまうのは、もう、仕方ないよねー…。


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