私と姉の格の違い
きょうだい間で互いを比べるなんて全くもってするべきじゃないが、今回は嫉妬などではなく、ひとつの納得だ。
父が大変なことになったということで、遠いというのに姉が駆けつけて来てくれた。
父にそんな気は無いが、姉から父に対してには、因縁というか、複雑な怒りや許せない気持ちがある。
だから当事者の私たちと比べて極めて冷静だった。悪く言えば冷たい雰囲気だった。
さてそんな姉とおしゃべりのついでに、私がなかなか求職に踏み出せないことを相談してみたのだ。
結果、全然参考にならなかった。
自信を高めるわけでも、不安の対処法を教えるでもなく、頑張るしかないでしょ、と半笑いでかわされた。
長いこと心がお豆腐のような、なんなら今もその豆腐を固くしようと試行錯誤している私は落ち込んだが、しばらくして思った。
この人は私より強すぎる。
年の差ただ4年にしたって元々の何かの強さ、その元で培った道順の成果から何まで違う。
それが当然だと私は感覚で理解できていなかった。
私は姉が実家からいなくなったことで自分がしっかり頑張れる、弱くても家族を励ます柱になれると思い込んでいた。
ひさしぶりに面向かえば、私のこれは錯覚だった。
そうだこの人こそ私らきょうだいの長女だった。
我が家の教育方針はきょうだいらしく育てない(お姉ちゃんだから、末っ子は…などと口にしない、告げないなど)ことだったそうだが、それでも姉は下2人をずっと引っ張っていた。
血の繋がった長女でもあの人は私とは全く違う。
私はよく自他を、似ていたり同じだと思い込んだりするが、またやってしまっていた。
だからもう相談はしないことにした。私はただ共感してもらえると「姉に甘えた」。
励みにも参考にもならなかったが、まぁキッカケにはなった。
今の採用の合否待ちが終わったか、採用されてようやく久々の収入を手にしたら軽く感謝しようかな。
血を分けたきょうだいでもこんなに差を感じる。似ているどこかのきょうだいも、似ている“だけ”だ。
もしかしたら一卵性の双子も、もっと言うなら一部動物のクローンも、思考が合う“だけ”かもしれない。
この世に同じ人はいない。自分のやり方は見つかる。
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