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【観劇感想】2024年3月 スーパー歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内 『ヤマトタケル』


〈はじめに〉

今月は團子くんの『ヤマトタケル』を観に行きました。
まずは、無事に東京公演千穐楽まで終えられて良かったなと思います。
スーパー歌舞伎、スーパー歌舞伎Ⅱ、体力的にきつい演目だ、と演じてる方がインタビューなどでそう語ってきてるので、途中の体調不良はあったにせよ、無事に終えられたことにホッとしました。
千穐楽は、前日もかな?満員御礼だったそうで、良かった!
全部ひっくるめて、おめでとうございました。



〈結局追加して観劇した〉


初演から上演回数1000回を記念して10日から15日までに配られたポストカードと。


私の最初の予定としては、2月3月に1回づつの観劇予定でした。
團子くんのタケルが猿翁さんや猿之助さんの雰囲気を感じるもので、1回目の時は感慨深く、時に涙を流しながら観ていたのと、そもそも澤瀉屋の演目が好きなんだと根本的なことにも気付いてしまったので、追加でチケット購入して観てきました。
6日はFプロ・歌之助くんの熊襲弟タケル、三四助さんのみやず姫、15日はEプロ・錦之助さんの熊襲弟タケル、三四助さんのみやず姫でした。

キャプションの画像、15日に撮ったのですが、快晴だったせいか、ちょうど光が射し込んでるように撮れました✨
虹みたいになってて、映像で見た猿翁さんの白鳥に当たってた虹の光みたいだなって自画自賛してます(笑)


〈感想〉

團子くん、猿翁さんに似てると思う瞬間があるんです。
猿翁さんは映像でしか見たことのないですが、何度かはっとしました。
そして、大和の国の踊り女として舞っている姿は、ほんのり色香があって、そのうち猿之助さんみたいになるな、と感じました。
弥次喜多の時はかわいらしい感じだったのに、今回の踊り女は女性の雰囲気。
顔の傾け方とか目線の移し方が猿之助さんのと似てる。
「この子なんなのーーーーーー!」
と心の中で叫びました(笑)
日本舞踊のしなやかさが更に身に沁みこんでいくと色香も増すんでしょうなぁ。
また、声も恵まれているんですね。

小碓命としても、猿之助さんだったらこうするだろうな、というところは抑えていて、教えを受けているとはいえ、継ぐ者として生まれてきたんだなと感じざるを得ない、運命ってこういうことを言うのかな、と思いました。


若い歌舞伎俳優さん、他にもいらっしゃいますけど、團子くんの場合は、これから本腰を入れて先輩方の舞台に出させてもらいながら、古典などの勉強をしていく、という感じだったと思うんです。たぶん、推測ですけど。。
自主公演もやったことない中で、いきなり長丁場の主演。
なので、今までの経験を上回る大役と演目に精神的に大丈夫だろうかと心配し、立派に勤めている姿に涙した人は、私を含めて多くいたのではと思います。


團子くんのタケルは素直で、時に信念に一直線なところが残酷に見えたり。でも弟橘姫とのやり取りは可愛らしく、少年の心を持ったタケルだなと思いました。
伊吹山の神々との戦いも、みやず姫には弟橘姫のような思いをさせたくない、という感情のほうが大きいのかなと感じました。だから後悔したのかなと。力の自信はあったけど、傲慢になる手前の純粋な心を残したまま旅立ったように感じました。


そして、2回観たことによって團子くんのポテンシャルの高さに驚かされることになりました。
流れるような感じだった熊襲の立廻りが緩急ハッキリしていたり、終盤のほうで、少し間延びしてるように感じたところが改良されていたりしました。倭姫とのやり取りも、思うままに訴えている感じ(それも良かった)が、さめざめと言葉を紡いでいる感じで、言葉がより伝わってきて、ここの部分もかなり重要な場面だったんだなと改めて感じることができました。

2回目のほうが、少し余裕を持って演じられているようにも感じましたし、数日の間にきっと見直しがあったのだと思うのですが、團子くんの表現したいものも明確になっていたように感じられて、すごく良かったです。
猿紫さんの裏のサポートも励みになっていたみたいですし。
團子くんは團子くんでいいよ!応援するよ!って思える公演でした。


〈更なる感想〉

ここからは上演内容により絡んだ感想を思うままに書いていきますので、ネタバレの可能性もあります。
長いですので、お付き合いくださる方はどうぞ。


弟橘姫と小碓命の再会のハグが可愛らしかったなぁ。
無邪気で、タケヒコそっちのけでいちゃいちゃしてる姿にほっこりしました。
で、弟橘姫の海の神の皇后になるっていう強がりと、本当は后になりたかったという…….后の座というか、小碓命に最も愛される女性になりたかったという本音の表現が本当に良かった。
兄橘姫のしっとりした感じも良くて、最後にワカタケルの手を繋いで花道からヘタルベに語りかけるところでじーんとしてしまって泣けました。
5月6月公演から壱太郎さんが演じられるので、どんな感じなのかはすごく気になるところ。情熱的かなぁ。

熊襲の場の大和の踊り女の衣装、最後の方で色変わるよね?
あの部分だけエスメラルダだ、って思っちゃうのなんでだろう。
凝ってるよねぇ。
衣装本当に凄い。
あの豪華な頭、やはり重いらしい。
そして衣装も。
刺繍とか細かいし、色鮮やかだもんね。
タケルはそれに比べたら軽そうだけど登場ごとに変わってるし。
白鳥の頭は重そう。

2階のロビーに衣装が展示してありました。
展示方法が素敵だった。

小碓命
兄橘姫と弟橘姫
タケヒコ
ヘタルベ
熊襲兄弟



登場してから4分くらいしか舞台上にいない藤の花の衣装の時の兄橘姫、去る時にゆっくりと翻して後ろ姿もよく見せてくれる米吉くん、さすが。
様々な場面で、衣装が綺麗に見えることまで考えていたらしい。
1つの演目で、こんなに衣装チェンジすることもあまりないだろうなぁ。

衣装チェンジといえば、周りの方々もほとんど役を兼任しているから、裏では大忙しなんだろうな。それに加えて師匠やご一門の方の手伝いなどもあるから、舞台上では早替りに沸いてるけど、裏でもかなりの速さで着替えてるのかもしれないですね。

みやず姫、笑野さんは静かだけど芯のある女性、三四助さんは明るく気が強い女性、みたいな感じに見えて、2人とも良かったな。
三四助さん、大抜擢おめでとうございます。可愛らしかったなぁ。
ちょっと照手姫みたいにも見えたな。
澤瀉屋の女形は美人揃いだよね。両方やってても、女形になると美人さんが多い印象。
5月6月公演も、お二方のW出演だそうです。

この場面、ほっこり要素が入ってるんだけど、意外と重要なところが好きです。笑也さんは「承知♡」って言ったり、「御意」って言ったり、真顔で面白いことぶっこんでいて、これも好きなんだよね。最高。
みやず姫とタケルがひとさし舞って、ヘタルベも舞ってる反対側で、国造夫婦は万歳してわーいわーいってはしゃいでるし。

スーパー歌舞伎の面白いところは内容は人の心に訴えかける、考えさせられるものなんだけど、こういうところもあることも面白さの1つなんだよなぁ。その塩梅が上手いんだろうな。

猿弥さんと錦之助さん、後半になるにつれて元気になってる気がした(笑)
それにしても、よく動けるなぁ。
2人ともタケル相手の立廻りだし。動きも激しいし、よく走る。
山神の猿弥さんが途中で息苦しくならないか心配だったよ(笑)

歌之助くんの熊襲弟タケル良かったな。
歌舞伎の要素も入ったどっしり感がしっかりとしていたと思う。
成駒屋の兄弟、良いわぁ。

エピローグの帝と小碓命が握手する場面で、中車さんと團子くんはちゃんと腹を割って話せてるよね?何があってもちゃんと話し合っていけますように、と思ってしまいました。

本当に良い公演だったな。
隼人くんのももう一度観ておくんだったな。
これから各地に行っちゃうので、今年は澤瀉屋の皆さんはあまり東京の公演に出られないのかな?
遠征はしないと決めているので各地に行く予定はありませんが、團子くんは更に良くなる気がします。
周りの先輩方も話せばちゃんと答えてくれる優しい方々だと思うしね。



〈こぼれ話〉

『ヤマトタケル』をいつか生で観たいと思って、シネマ歌舞伎も観ずにいたので、やっと観ることができました。
観てみると猿翁さんのスーパー歌舞伎は歌舞伎寄り、猿之助さんのスーパー歌舞伎Ⅱは現代寄りなんだなと感じました。
今回のを観てから歌舞伎公演を観ると、なるほどと思えることがあるんじゃないかなと思います。

以前『オグリ』を観劇した時、隣に座っていた方と話す機会があったのですが、その方はもともと猿翁さんのファンの方で、スーパー歌舞伎も好きだし、猿之助さんも頑張っているから観に来てるんだ、と仰ってました。
今まさにその状況で、私も澤瀉屋の作品が好きだし、スーパー歌舞伎Ⅱも好きだったから観に行こうって思えるんだな、と気づきました。
更に、猿之助さんだけじゃなく澤瀉屋の皆さんも好きです。

ふと、IHIでやろうとしていた全く新しい演出の『ヤマトタケル』はどういう構想だったんだろう?いつか観られるといいななんて思いました。
複雑ですけど。


6日の観劇の時、あらゆる場面で涙していた私に隣の方が帰り際に、「よかったですね」と声をかけてくださいました。その方はワカタケルの時から團子くんを見ているそうで、この日は何回目かの観劇だそうで、同じような心境を抱いていた方と少し話すことができて、心が和みました。

今回初めての方や、歌舞伎はそんなに観ないという方が多い印象で、興味を持ってくれるのは嬉しいことだし、これから古典歌舞伎のほうも観てくれるといいなと思う反面、寂しさみたいなものも感じていたので、仲間がいた!という感じでした。
お声がけくださってありがとうございました。


いつも一緒に行ってる友達も、『ヤマトタケル』は観られないって言ってたので、観るまではその気持ちも分からなくないと思っていたけれど、観た後はもったいないなぁ!と思ってます。
今は猿之助さんで観るほうが色々考えそうで辛くないかなぁ。
私なんて、また『新・水滸伝』観たいなぁ、『ヤマトタケル』と交互にやってくれたら1年間元気に過ごせる気がするなぁ、『ワンピース』もまた観たいなぁなんて思ってます。


猿三郎さんのアメブロで、千穐楽での出来事が書かれていて、その場面を想像すると可笑しくて、ほっこりしました。
観劇されたかたは是非、読んでみてください。



〈博多座公演の配役も発表された〉

そして、たぶんこの『ヤマトタケル』の大千穐楽を迎える10月博多座公演の配役が出ました。
なんと、タケルと帝の使者は隼人くんと團子くんのW出演、兄橘姫と弟橘姫、みやず姫は壱太郎さんと米吉くんのW出演、熊襲弟タケルは錦之助さんと歌之助くんのW出演と発表されました!
わぁーーーーーー!魅力的!
大千穐楽に相応しい感じ!
きっと昼夜公演が多くなるんじゃないですかね。
いいな、いいなぁーーーーーー!
絶対2公演観劇は必須だな。
博多座ってリピーターチケットを販売してくれる優しい劇場ですよね。
今回なかったら誤報なので申し訳ないけど。
でも、行かないと思うな。
応援の気持ちだけ飛ばして……あ、怖いか(笑)
観劇された方の感想を読ませてもらって行った気になろうっと。
九州地方の皆さん、遠征される皆さん、ぜひぜひ楽しんでください☆


〈幕間の食事〉

もう客席で食べられるようになっているので、私は今回は持ち込みのコンビニ弁当にしました。
新橋演舞場のお弁当は美味しいのは知ってるのですが、今回は節約。
ローソンのおにぎりとおかずのセットが時間内に余裕をもって食べるのに抜群でした。
劇場内に売ってて気になっていたシフォンケーキも食べました。
ふわっふわで美味しかった♪



三越でお弁当買っていこうかとも思ったんですけど、帰りにスイーツ買う予定を入れていたので(笑)
「俺の~」に立ち寄ったら、余裕をもって食べられそうなお弁当も充実していたので、今度はここのにしようと決めました。以前ここの、めちゃめちゃボリューム満点ののり弁を買って、友人と2人して次の幕間まで持ち越したことがあります(笑)

幕間に何を食べるかを考えるのも観劇の楽しみの1つです。
そして帰りにスイーツを買うこともね♪
友人がその楽しみを教えてくれました。



長くなりましたが、観劇感想、以上です!
まとまりのない文章でしたが、読んでいただき、ありがとうございました。







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