『意識が遠のく…死ぬのか…』

今年のはじめ頃の出来事である。
私は電車の席の上でそっと気を失った。

周囲からは眠りについたようにしか見えなかっただろう。

しかし、私はここで死ぬのかと恐怖を感じていた。

そう、パニック発作をおこしていたのである。

その日は仕事中からふらつきがひどく風邪でもひいているのかと思っていた。

早退をし、帰路につくための電車に乗った。

空いている席を探したが見つからず数駅は座ることができなかった。

やっとの事で席につくとはじまった。

幸か不幸か端っこの席であった。

物凄い不快感、吐き気、頭痛そして意識が遠のく感覚。

体験したことのない不快な感覚であった。

そのうちまず、目眩がし、視界が暗くなった。

さらに、アナウンスの音がだんだんとフェードアウトして行く。耳からの情報も遠のいていった。

あ死ぬんだなもう少し生きたいなとわずかな意識の中思った。

そしてパタンと席の端っこに眠るかのように私は意識を失った。

…気がつくと数駅だけ進んでいた。

目的地の駅に到着する手前であったので、
やっとの事で電車を降り、ホームの席にうつった。

助かった。と確信した。

生きていてよかったと思い、ヨロヨロと歩いて家に帰り即就寝した。

パニック発作は甘えではない。
その時感じた死ぬ感覚は確かな死ぬことへの恐怖である。

二度と経験したくないと思った。だが、その後何度も発作に見舞われることなることは当時の私には知る由もなかったのである。

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