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位置情報AIベンチャーが、なぜ中東が面白いと思っているか

LocationMind代表取締役の桐谷です!私たちの会社は位置情報ビッグデータをビジネスにしています。実は日本だけでなく世界の9か国で分析実績があります(2023年3月現在)。位置情報ビッグデータは世界中にあるので、データがあれば分析が出来ます、ということで我々みたいな若いベンチャーでも世界中で色んなお仕事が出来ることも、位置情報ベンチャーの面白い特長の1つだと思います。

位置情報分析に国境はない

位置情報ビッグデータというのは、色んな手段で手に入ります。動くヒトやモノの分析をするなら、スマートフォン、自動車、船舶などから得られるビッグデータを分析することが人気でしょうか。これを使っていろんな分析が出来るのですが、世界には日本と同じような分析ニーズや、日本にはないニーズなどもあります。そういう意味で、中東って面白いなと思っています。

日本は少子高齢化で人口が減っていく社会です。一方で、中東はこれから人口が増えていきます。そうすると、新しい街を作らなければならないし、それに伴って新しい産業が急成長したりします。交通インフラも強く太くしなければならないし、観光や物流のニーズも多様化します。これらは、いずれも人流分析の面白いテーマになります。今どのくらい人がいたり困っていたりして、それが大型の都市投資を行うことでどう変わるのかということを知らなければならない人がたくさんいます。例えば、国か自治体、建設事業者、不動産開発事業者、公共交通、銀行や国際機関のようにプロジェクトにファイナンスをつける会社、そして最も重要ですが地域住民など、多種多様な人が知りたいのです。具体的には、例えばサウジアラビアの新しいメトロがどう人の流れを変えるのか、既に重い渋滞に対して人口増で見込まれているが住民の生活や物流の品質は維持できるのか、等々定量化して分析するわけですね。
 もちろん、都市開発は世界中で大きなプロジェクトがあるものですが、中東は規格外の構想があり、大規模な資金力で以て、すごいペースで進めようとしていることが圧倒的に面白い。そして、世界最先端の技術や事例を貪欲に求めていることもディープテックベンチャーにとって、面白い。今世紀を代表するような大型開発ですから、知的好奇心としてもビジネスとしても面白くて、ロマンがあるなと思うわけです。

LocationMind Arabia

LocationMindは第二の日本として、或いは日本よりも大きな市場のポテンシャルがあると思って中東へのビジネス進出を検討しています。この写真は、2022年12月に行われた日本とサウジアラビアの友好を示す日本・サウジインベストメントフォーラムというイベントに登壇したときのものです。LocationMindは国家AI戦略だとして、人流事業を日本からサウジアラビアに提供できないかと、現地のパートナー企業と検討を重ねています。人流データはもとより全国規模のデータを扱うし、大規模な分析にはもってこいなのです。現地の多国籍財閥であるOlayanという会社が関心を示してくれて、JVを作ろうかというMoUを締結しました。

左からサウジアラビアの投資庁長官、桐谷、OSHCO CEO、西村経済産業大臣

NEOM

皆様はサウジアラビアのNEOM(ネオム)をご存知でしょうか。この前のカタールワールドカップを見た方は、スポンサーとして、よく目にしたかもしれません。NEOMとは5,000億ドルをかけてサウジアラビアが新しい都市を作ろうとしている巨大プロジェクトです。何もなかったところに新しい都市を作るんです。都市を作るにはどのくらいのお金がかかるものかと想像したことが無かったのですが、例えば5,000億ドルあればこんなことが出来るのかなというイメージがまた凄い。NEOMを代表する4つのプロジェクトをご紹介します。

海洋都市『Oxagon』

①|海洋都市「Oxagon」

八角形の形状だから「Oxagon」。アメリカの「Pentagon」なども面白い建物ですが、都市全体で八角形というコンセプト。海洋の先端技術研究の場としても注目されています。

サウジアラビア版の万里の長城と言えような 『LINE』

②|「LINE」

ここまで長いとどんな高度機能がありえるのか想像もつきません。気候がちょっと変わるくらいインパクトがあったりするのだろうか。

山岳リゾート『Trojena』

③|「Trojena」

冬季にはなんとサウジアラビアでスキーができるそうです。灼熱の国でスキーだなんて凄いですね。私の中学の友人がむかしサウジアラビアで育ったそうで、当時はSand Ski(砂でスキー)をしたと聞いたことがあり面白いなと思っていたのですが、雪でスキーが出来るようになる。

ラグジュアリーなビーチエリアの「Sindala」

④|「Sindala」

砂漠がちなイメージが強いかも知れませんが、国の北西部はリゾートに向いた気候で気持ちの良いエリアです。首都リヤドからはとても離れていますが、超長距離を自動車で移動するか飛行機で移動するかの選択があります。

何もないところにこの規模の都市が生まれるのもすごい、今世紀を代表しそうな建築デザインが並ぶのもすごい、リゾートもあれば最先端技術を使った研究開発拠点・物流拠点としての顔もあってすごい。

成長市場、資金力、技術

これだけでもワクワクするのですが、NEOMがサウジアラビアの大きなプロジェクトの1つでしかないありません。首都リヤドも人口を倍以上にすることが考えられているし(東京一つ分くらいが今後生まれるとされるのです)、イスラム教の聖地メッカへの巡礼者を数倍にしようとしているし、サウジアラビアは世界トップレベルの5G普及国でもあります。サウジアラビアの国有ファンド(PIF)は世界有数の投資能力を持つ規格外のファンドで、サウジアラビアでユニコーンを量産する能力があります。また、半端な技術は門前払いで、コストを気にする前に一番いいものをもってきてほしい、という姿勢がまた技術ベンチャーには面白い国です。日本ではなかなかそういうバランス感の案件に出会うことがありませんね。ということで、ベンチャーが夢を見るための材料がたくさんそろっている国に思えます。

不思議なことに、中東の中でも、日本企業のサウジアラビア進出はあまり多くありません。LocationMindがサウジアラビアの人流データを提供できれば、日本企業の進出検討のお役に立てるのではないかと考えています。もちろん、事業進出は人流だけではかれるものではないのですが、現地の動態を知ることは大きな一歩になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。サウジアラビアや中東は大規模開発が矢継ぎ早に計画され実行され、高成長な国としてのロマンに溢れています。また、好き嫌いや興味の有無が非常にはっきりわかり、良い技術へのリスペクトも高いことが素敵な国でもあります。

LocationMindでは大企業・ベンチャー問わず、共に中東進出を考えて下さる会社様を常に探しております!

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それでは、また次の記事でお会いしましょう。

LocationMind CEO 桐谷直毅

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