見出し画像

「授乳は幸せな時間」という固定概念を剥がして卒乳し、小さな声も発していくと決めた話

赤ちゃんとの生活がはじまって、あっという間に1ヶ月半。

新生児期の3時間ごとのミルクの時間もあーだこーだやりながらなんとなく自分たちのやり方を見つけ、最近はちょっと長めに寝てくれる時間帯もできてきたりして、慣れてきたところです。

生後1ヶ月経たないうちに、混合育児からミルク育児に切り替えました。
その時の話。

--------------------------------------------------

まだ生後1ヶ月も経たない頃。
寝かしつけをしていた夫が寝室から夫が出てきて、「ぐずっていて、ミルク飲んでもおっぱいほしがってるみたい。」

私たちは夫婦どちらでも対応できるように、3時間おきにミルクメインで飲ませていました。足りなくて口をぱくぱくしてたり、ぐずってたりしたらおっぱいを飲ませることにしていました。

この日はなかなか寝なくて、1時間くらい夫が粘ったけどダメだった日。そういう時もあるよね。
わかったーと、寝室に入り娘と暗い部屋でふたりきりで授乳。

その時になんだか悲しくなってきてしまって、思い出した。
昼間、母にも言われた「おっぱいじゃなきゃダメみたい」

わたしが産んだけどわたしだけの子じゃない。みんなあやしたりお世話してる風だけど、ダメだったら「おっぱい」にパスしてくるんだ。逃げているように感じてしまったのでした。

そんな風に思ってないのはわかってる、でも。
それをきっかけに、確信してしまった。

夫に「わたし、授乳好きじゃないみたい」と、思い切って言いました。

授乳が嫌って気持ちが湧くとも思ってなかった。
いつの間にか、ネットやSNSで読んだ「授乳は赤ちゃんとの幸せな時間」というのが刷り込まれていたんだろうな。

どうして授乳が嫌なのか。

一番は、おっぱいに頼るとやっぱり母親頼みの育児になるじゃないか、という思い。
あとは小さなことだけど、新生児期の今だけだとわかっていても、うまく乳首が見つけられなくて、あさっての方向に首をふってギャン泣きしている頭を押さえつけるのが嫌だ。
母乳が溜まってきて胸が痛くなるのも、漏れて下着がべちゃべちゃになってくるのも嫌だ。
おっぱいに吸い付いた途端に眠りだしてしまい、飲まれなかった母乳がだらだら流れてきて服が濡れていくことに、なんとも言えない悲しさがあった。

だんだん娘にまで、私のことおっぱいの人だと思ってるんじゃないか?なんて、今思えば新生児にそんなこと思うなんてかなり馬鹿馬鹿しいんだけど、そんな猜疑心を抱いてしまうくらい、あれもこれも嫌になって授乳が辛い時間になっていました。

その気持ちを全て夫に話したら笑われた。
笑うなんて!私はこんなに悩んでるのに。と思ったけど、言われたのは、

「授乳しないのがダメな母親だとか思ってるの?ミルクにしよう、それでいいんじゃない?」と。

笑ったのは、まさかそれが悩みの種になるとは思ってなかったから、らしい。わたしだって思ってなかったけど。

母乳かミルクかこだわる必要全然ないじゃん、と頭では思っていたけどいざやめるとなると、やっぱり母乳の方がいいんじゃないかとかいろんなことが気になってしまっていたのはわたしの方でした。

刷り込みって怖い。母乳がよくてミルクは劣っているって、やっぱり生きてきたいろんなところで刷り込まれて、信じてしまっていたんだ。

母乳とミルクを天秤にかけた時に、

ミルクの良さ
・目を合わせながら、表情をみながら与えることができる。(かわいい)
・飲んだ量がわかりやすい
・栄養の偏りなし

母乳の良さ
・夜中も作る手間なくさっと飲ませられる
・ミルク代はかからない

わたしとしてはミルクの良さの方が優っていた。

母乳の方がいいって言っても、自分がとった栄養から作られるのに、私そんなにバランスいい食事取れてるだろうか?とか、改めて考えたら気になることもたくさん出てきてしまった。

それで、母乳を与えることをやめました。

もちろんすぐにやめられないから、搾乳したりして徐々に減らしていって、生後28日目に、完全に断乳。

母乳やめてちょっと残念だなって思うとしたら、ミルク飲んでる時の顔と母乳飲んでる時の表情がやっぱり違うように思うから、それが見られないこと。

ミルク飲んだあとは、お腹いっぱい〜ぐふ〜ってゆるゆるな顔してるけど、母乳飲んだあとは、飲んだ!しゃき!って顔してる。
(表現難しい。しかも我が子だけかもしれない。)

だけどミルク育児にしたことで、夫婦お互いに「どちらかじゃないとできない」ということが無くなったから、精神的に対等な感じがするし、わたしの気持ちも落ち着いて子どもに向き合えるようになったと思う。

1ヶ月検診で病院の先生にミルク育児にしたと言うことに、まだ後ろめたさを感じていたけど、笑顔であ〜そうですかってくらいで、お腹すく時もそうじゃない時もあるだろうから、きっちり3時間おきじゃなくていいからね〜と言ってくれて、これで本当に完全にわたしの心のつっかえは飛んでいってしまったのでした。


そして、ミルク育児にするにあたって感謝したこと2つ。

まずは、メーカーさんありがとう。
今でも缶に「母乳が足りない赤ちゃんに」とやはり母乳育児が一番的に書いてあるけど、母乳を飲ませられない人でも母乳をやめた人でも問題なく子育てできるクオリティの製品を作って、選択肢を増やしてくれていること。

そして、過去に、今よりもっと世間の風当たりが強かっただろう頃から、いろんな理由でミルク育児を選択して「ミルク育児だってちゃんと育つよ!」と声をあげてくれていた、お母さんたち。「ミルクだったけど、健康だよ」と声をあげてくれていた、子どもたち。

一人ひとりの声は小さいものだっただろうに、そういう人がたくさんいたからこそ、世間の見方はほんの少しずつだけど変わってきているんだって思ったら、感謝が止まらない。

小さな声の積み重ねだって大事。
わたしもそういう道を作っていくひとりになろう、って思ったのでした。


余談ですが、お酒が元々大好きなので、卒乳とともに飲酒も復活しました。
近所のお店にいって「ビールください」って頼んだ時の「え、お母さんなのに?」という反応、ね。

ある人には、冗談でだけど「不良!!」って言われたよ。
なんの気なしでいったと思うけど、やっぱりちょっと傷つく。

でも、こういう時に笑ってやり過ごすんじゃなくて、それの何が不良なんだって言っていける自分でありたいって思う。
どうして他人の選択に土足で踏み込めるのか。踏み込んでいる意識すらないのか。
本人がこのタイミングでこの量なら大丈夫って判断して飲むことの何がそんなに悪なのか。

これも、お母さん=授乳中=お酒飲めない、という固定概念。
個人の小さな声だけど道を拓いていく一人になろうと、謎の責任感が芽生えました。笑

まだ子育てはじめて1ヶ月半。
どうやって家族になっていくんだろうって思っていたけど、こうやって小さな日々の一つ一つの選択が、家族をつくっていくのかなと今は思っています。

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?