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「論理的思考法」クイズ!【第9問】「圧力をかけたつもりはない」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「圧力をかけたつもりはない」

2021年3月9日、自民党国会議員の有志による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の会合で、共同代表を務める高市早苗元総務大臣は、「選択的夫婦別姓」に反対を呼びかける書状を42道府県議会の議長宛に発送した経緯を明らかにして、これは地方議会への「圧力」ではなく「お願い」だと述べた。

その前提として、次のような状況があった。「『絆』を紡ぐ会」は、岩手県・東京都・三重県・大阪府・沖縄県を除く42道府県の自民党籍の地方議会議長宛に、次の書状を発送した。この書状には、高市早苗氏、衛藤晟一氏、山谷えり子氏のような閣僚経験者や、現在の男女共同参画担当大臣である丸川珠代氏を含む自民党国会議員50名が名前を連ねている。

本日はお願いの段があり、取り急ぎ、自由民主党所属国会議員有志の連名にて、書状を差し上げることと致しました。

昨年来、一部の地方議会で、立憲民主党や共産党の議員の働き掛けにより「選択的夫婦別氏制度の実現を求める意見書」の採択が検討されている旨、仄聞しております。

先生におかれましては、議会において同様の意見書が採択されることのないよう、格別のご高配を賜りたく、お願い申し上げます。

これに対して、埼玉県議会議長の自民党議員である田村琢実氏は、次のように述べている。

まず、たいへん失礼な手紙だと感じた。地方議会が国会に対して意見書を送ることができるのは、地方自治法99条で定められた権利だ。意見書を出さないようにと、国会議員が口出しするのはおかしい。議会への圧力になりかねない。

高市議員は「圧力をかけたつもりはない」とおっしゃったと聞くが、圧力になるかどうかは受けた側がどう感じたかだ。「いじめていない」と言っても、いじめられたかどうかは受けた側がどう感じたのか次第なのと一緒だ。

高市議員は前総務相だ。総務相経験者が地方議員にこんな手紙を送りつけるということがどういうことなのか。想像力のなさが問題だ。地方自治に対する理解に欠ける。

なぜ自民党国会議員50名連名の書状を「圧力」ではないと断定できるのか。その「圧力」を感じて自由な政治的判断を歪められるのは誰か。これは「選択的夫婦別姓」の是非を議論するなどという以前の民主主義の問題である。

田村氏が主張するように、高市氏の「圧力をかけたつもりはない」という「お花畑」の主張には、受け取った相手に対する「想像力」が欠如しているとしか思えない。

なぜ高市氏は、これほどまでに信じ難い「詭弁」を弄さなければならないのだろうか(笑)?

ヒント:「言い逃れ」・「圧力をかけたつもりはない」・「舌先三寸」

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