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ある地名の風景

雑司が谷の千登世橋     zoshigaya

江戸っ子の言葉遊びに
「恐れ入谷の鬼子母神」というのがあります。

「恐れ入りました」を
地名の入谷(台東区)に引っ掛けたシャレです。

毎年、七夕のころに朝顔市が開かれる入谷界隈ですが、
真源寺というお寺に、その鬼子母神が祀られています。

そして江戸にはもう一つ、
有名な鬼子母神堂が雑司ヶ谷にあります。

これは近くにある法明寺持ちのお堂ですが、
境内の広さといい拝殿の大きさといい
お堂というより別個の寺院です。

そもそも鬼子母神は法華経の守護神だといい、
法華宗や日蓮宗のお寺にお祀りすることが多いそうです。

雑司ヶ谷の鬼子母神は
戦国時代に今の目白台あたりの
井戸の中から掘り出されたものと言われています。

いつ誰が作り、
どうして井戸の中に埋まっていたのか・・
戦国時代よりもっともっと昔にどんな思いがあったのか・・

時々訪れるのですが
なんだか遠い昔に生きた人間の
苦悩や運命みたいなものを感じてしまいます。

そして私としては
”雑司ヶ谷”という地名はもちろん、
その町域の端にある”千登世橋”の名の由来が
どうしても気にかかるのでした。

(つづく)

(豊島区雑司ヶ谷)

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