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Letter to ME

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自分へ贈る日々の備忘録
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2015年3月の記事一覧

前略

お元気ですか。初めまして。
初めましてよりもお元気ですかが先に来るなんてなんだかおかしいですね。初めまして。こんにちは。みなもとはなえっていいます。あなたに手紙を書くのは初めてですね。なんだかちょっと緊張しています。

普段はどんなことしていますか?私は平日は仕事です。土日も、たまに、します。だけど基本的には休みです。友達はほとんどいないといって差し支えないのですけど、気の合う人が数人、遠くにも、

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108の煩悩

陳腐なことを言いたくない、と思うほど、陳腐なことばっかりを言ってしまう。だから自分が陳腐な人間だと思う。陳腐じゃない人間は、陳腐でない言葉を言うのかもしれないけれど、そういう人間が好きかというとそうでもない。そういう人がいたら蔑むし妬むだろう。めちゃくちゃだ。私は。

ごちゃごちゃしたことを考えていると、胸がつかえているように思える。呼吸はできているか、と、心配になって深呼吸をする。呼吸ができてい

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感受性を高めるためには、自分が自分の心に敏感になるためには、心地よいと思うものを遠ざけなければいけないと、思っている。節がある。

心地よいものは優しい。包んでくれる。誰かと一緒にいることや、優しくされること、会いたい人に会うこと、あたたかな場所で眠ること、いつも誰かの声がすること。でも、そういうところにいると感覚がぼやぼやと滲んで、私の中から溶けていってしまう。だから怖い。文学が逃げていく。私が

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すぎゆく

時間は過ぎてゆく、ということを、うっかり忘れていて、うっかり思い出す。そうやっていつのまにかこんなに大きくなっていた。

二十数年生きてきたという重みよりも、まだこれから何十年と生きていくのだろうという、背負っていくべき重荷に戦いている。それでも時間は等しく過ぎていき、望むと望まざるとにかかわらず私はこれから何十年を、何十年かけて生きていくのだと思う。そういうことを、ふと、帰り道の交差点で思った。

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なにもないから

あんまりにも寂しさが興じすぎると道行く人を捕まえて「私のこと好きですか?」と訪ねたくなる。発狂して、前後不覚になりたくなる。でも、恥も外聞もありますので、今日も至って平常運転で寂しさを興じさせているだけだ。道行く人なんか捕まえて聞いたところで、好きなんて答えが返ってこないことも、わかっているのです。

私にはこれといったとりえがない。中学生までは絵に描いたような優等生で勉強もそこそこできたが、高校

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lose my way

迷ってばかりいる。なんでも、なんででも。そうあることが当然で、正しい答えも目の前にあって、なのに、迷ってばかりいるのだ。迷ったからといっていい選択ができるわけじゃないのに、だのに、そうして人は、迷うのだろう。

迷子になった記憶はあんまりない。でも、隣にいるのが母親だと思って話しかけたら違う人だったことは、たくさんある。そうして気付いて、遠くにいる母親に追いつく。あのときの心細さや驚きや絶望は、い

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