Letter to ME

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ノート

触らないで 放っておいて

感情が決壊寸前なのだ、と、泣きながら思う。泣いているので、もはや決壊しているのかもしれない。でも、今、私の心にはたぷりたぷりと波をわずかにたてる感情があふれそうになっているのを感じる。動くたび、呼吸をするたび、だれかと話すとき、仕事をするとき、はっとすると泣きそうになる。
たぷりたぷりと揺れる感情の波は、あと少し、だれかに手を突っ込まれてぐしゃりとひとかきでもされたら、あふれて全部なくなってしまう

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おもちゃ箱の中

ぱっと顔をあげたら、ずいぶん近くて低いところに月がある、しかも満月だ、と思ったら、自分の車のヘッドライトに照らされた、通学路の道路標識だった。あんな低いところに月があるわけがない、と愛車を走らせる。
仕事が少し遅い時間に終わり、ちょうど同じタイミングで仕事が終わったらしい恋人のもとへ向かっていた。

部屋につき、何か適当につくろうか、と言ったが男やもめにまともな食材はなく、新玉ねぎと新じゃがいもと

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足がない

階段を下りるのが苦手だ。手すりがないと怖い。階段の真ん中を下りることが難しい。駅のホームへ上がる階段とか、下りる階段とか、そういうものがめっきりだめだ。先日、友人と小旅行に出かけたときも、颯爽と列の先頭を歩いていた私だったが、階段が出てくるとずるずる最後尾に回り、一段一段確かめるように下りた。スニーカーでも怖い。踏み外しそうだ、と、頭が思うよりも先に体がこわばってしまう。踏み外しそうだ、と、思わな

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