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親知らず抜いてきました

あけましておめでとうございます。
新年早々っ感じだけど、本当は去年の10月には書いておくつもりだったのに、まったくもってだらだらしていたら年明けじゃん…という。
いろいろ2020年中に書きたいことやものはあったのに、何もできていない始末ですが、せめてこれだけはと思い年明け早々親知らず抜いた話を書きます。
自分が抜こうと思ってから、めちゃくちゃググったけどあんまり抜いた人の話が出てこなくて不安だったので、今も親知らずが埋まっていて(もしくは生えていて)抜くかどうか迷っている人や、これから抜くけれど不安だという人に、どれだけ届くかわからないですが、参考にしてもらえたらと思います。

なお、あくまで私が抜いたケースなので、病院でのことなどそれぞれ異なるでしょうから、感覚的に参考にしていただければ…と思います。たまに迷走してますがまあ適当に暇つぶしに読んでいただければと思います。

1、抜くまでの経緯​

そもそも、親知らずが生えているというのは高校生の頃からわかっていて、かかりつけ医からも紹介状書くから抜いたほうがいいよと言われていました。上の歯はとりあえずまっすぐ下に向かって生えているものの、下の歯は平伏といって横向きに生えており、片方は完全に埋まっていて片方は少し頭を出している状態。

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↑こんな感じですね

親知らずはしっかりと磨けないから、虫歯になるリスクが高い。しかもちゃんと生えてないから上の歯とのかみ合わせが悪く、歯茎にも負担がかかるそうです。私の場合は、抜くなら全部と言われてました。
でもやっぱ抜くの怖いなあ、っていう気持ちが強かったのと、うまく磨けば大したことないんじゃないか?ということで、31歳までずっと放置してました。周りも抜いた人と抜いてない人半々ぐらいって感じ。

しかし、やっぱ磨けてないから虫歯になってるんですよね。もともと口内の菌の関係で虫歯になりやすいらしく、年齢の割には治療痕が多いってよく歯医者にディスられていて、そのたびに傷ついてはいる。磨いてるのにね。
あるとき、歯間クリーニングの際に親知らずがめっちゃしみたんですね。ああ、とうとうこのときがきたか、ということで。
親知らずが虫歯になると、抜くときに割れたりして大変っていうのも聞いたことはあったのでそれはそれで嫌だな、という気持ちもあり、また、妊娠すると親知らず腫れるっていうのも聞いたので、やっぱり抜いたほうがいいのかな、と不意に気持ちが固まってきまして。よし、抜くか、と唐突に決めたのが8月です。

2、抜くと決めて口腔外科受診

とりあえず抜くと決めて、決心が鈍らないうちに!と近場の大きな病院へ電話して口腔外科を受診。
親知らず(智歯っていうのをここで初めて知った)の抜歯をすると、感染症予防のため一般の歯科治療はいったんストップするそうです。そのため、通常の虫歯治療ができないので、親知らずを抜くのを優先するのか虫歯を優先するのかは、かかりつけ医で決めてもらわないといけない、とのことで、紹介状がいるらしい。受診料一回無駄だったな。参考にしてください。
以下、紹介状を渡した後の先生の言葉。
「で、四本全部、いっぺんに抜く?あなたの場合だと上下二本ずつ抜くっていう場合もあるけど。でもね、嫌な話しかしないけど、二本抜くでしょ、そしたら一週間後に抜歯して、その一週間後に最終的な経過を見るわけ、そしたらまた二本抜いて、っていうのを繰りかえすから一か月以上は病院通ってもらわないといかんわけ。四本いっぺんとなると全身麻酔だから寝てる間に終わるけど、その分すごく腫れるから、もうしわけないけどごはんはしばらく食べられないと思ってください、あと、あなた下の歯があごの神経に近いから最悪顎とかにしびれが出る場合もあるし、上の歯は頬骨の底に刺さってるから穴が開くのでマウスピースしてもらわないといけないし、それも面倒かもねえ、あ、二本ずつの場合は局所麻酔ね、で、どうする?」

すごい勢いでした。

とりあえず局所麻酔はいい話を聞かなかった(音がすごいとか振動がすごいとか結局痛いとか)ので、全身麻酔で四本一気に抜く方を選択。全身麻酔は全身麻酔で怖かったけどね。
ちなみに、この病院だと四本一気に抜く場合は一泊二日の入院になるとのことで、手術室の予約と入院の予約も済ませました。
私の職場では、診断書があれば病休がとれるとのことだったので入院でもまあいいか、という感じで。10月末に抜くことに決まりました。

4、全身麻酔について

私が親知らずを抜くのを躊躇していたのは、麻酔のこともあります。
素人の知識なので各々ちゃんと調べてほしいですが、静脈から鎮静剤?をいれて行う静脈麻酔と、全身麻酔があるそうで。静脈麻酔は呼吸が止まらないけれど、全身麻酔は呼吸が止まるので呼吸の管理が必要になるそうです。後輩が、同じ病院で抜いてたのですが、その子は静脈麻酔だったそう。私は全身麻酔。抜歯にかかる時間とかで変わるみたいだけど、全身麻酔って、亡くなる方もごくまれにいるとのことでそれが結構怖かったんですよね。
入院の説明と手術の説明のときもその話は十分されました。いわゆる仮死状態って感じですよね。蘇生確実の死、というか。
全身麻酔で亡くなるのは、やっぱり大手術とか基礎疾患がある方や小さなお子さんが多いみたいです。悪性発熱、というのになったり。子供だと1万分の1、大人だと5万分の1ぐらいだそう。
私の姉が看護師で、曰く、どんな手術でも全身麻酔をするっていうのはリスクが伴うから、できるなら付き添いが必要だとのこと。病院によってレベルはあるでしょうから、一概には言えませんが。私の受けた病院では、新型コロナウィルスのせいで、お見舞いも付き添いも原則なし、とのことでした。小さなお子さんや障がい者の方等は認められるみたいですが、三十路の元気な女にそんなものはない。
この辺、ネットでめちゃくちゃ抜歯のレポート探したけど全身麻酔の人あんまりいないんですよね、書いてないだけだと思うけど。それもあって全身麻酔こんな感じだったよ、って残しておこうと思いました。

そうして入院前日は大好きな焼肉屋さんでしこたま肉を食べて0時から絶食開始、飲み物は入院時から禁止、とのことで、入院に備えました。

4、いざ入院そして手術へ

入院当日、午前8時半に病院へ。病室へ行く前に、口腔外科の最終の検診。検診といってもものの五分で終わりました。その日、5件の抜歯手術があり、私は4番目だそう。手術時間を聞いてみたんですが「いや~、出血の具合とかもあるから具体的には言えないね~」と言われてさらに恐怖があおられる。出血ってそんなに出るの?
職場に出す用の診断書の作成をお願いして、いざ入院という運びになりました。

入室が午前9時半ごろ。10時半ごろに看護師さんが手術着と麻酔用の血管確保のために点滴をもってやってきました。
手術着は継ぎ目が全部マジックテープだから、前身ごろと後ろ見頃がばらばらになりかけており、全然うまく着用できなくて最初は乳がはみ出たりするので、寒がりの人は腹巻とかカーディガン持って行ったほうがいいです。
問題は点滴で、私の血管は毎回採血のときのとかに見えづらいと言われるんだけど点滴の針って採血のものより太いんですね。痛いですよ、と言われてさしてもらったものの、全然入らず。
結局計4回刺されて、やっと入りました。痛くはなかったけど、腕にあざがたくさんできたので、いけない薬をやっている人みたいになったのは後日談…。
ひと先ず針が固定されてからはとくに誰も部屋に来ることもなく一人でぼんやり。ちなみに個室にしました。余裕があれば個室をお勧めします。気兼ねないしね。
手術時間は14時半からと聞かされていたので、ほんとにやることがない。うきうきで購入したミステリー本も、最初の方でかなりの睡魔がきて、断念し、昼寝しようかと思って横になってうとうとし始めたそのとき、
「みなもとさーん、手術時間早まったんで、今からです」
じゃ、行きますか、みたいな看護師さんが登場。まだ13時半ぐらいだったような気がしますね。手術後三時間はベッドの上で安静とのことで、トイレにも行けないらしく手術前に振り絞る(ちなみに手術後にトイレに行きたくなったらベッド上で寝ながらできるべきみたいなのがあるらしい)。
そして、看護師さんに付き添われて手術室へ。手術着で歩くの恥ずかしいと一瞬思ったものの、だんだん怖さが沸き上がってきましたが、看護師さんがいろいろ話しかけてくれて気を紛らせてくれました。怖かったけど。
無事手術室へつくと、手術につく看護師さんが待ち受けており、名前や生年月日と、装飾品をつけていないかの確認。そして帽子を差し出される。たまたま前日に、レディ・ガガの「Marry the Night」のMV見てたのでちょっと吹き出してしまった。

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↑これと同じ帽子をかぶりました。

↑とりあえずいい曲なので聞いてほしい。MVもフルで見てほしい。

5、全身麻酔~覚醒

手術室に入ると、本当によくドラマとかで手術やってるような部屋でした。全体的に緑?っぽくて、聞いたことない洋楽が流れていました。事前説明でも、リラックスさせるために曲が流れてるとは言ってたものの結構なアップテンポの曲で、病院側の意図がよくわからない。
手術台の上に寝ころび、まな板の鯉状態。麻酔科の先生も「じゃあ、やりますね~、深呼吸してくださいね~」と言う。
始まるのか~と思ったところで、
「みなもとさん!!診断書!書いたからね!看護師さんに渡しとくからね!」
口腔外科の先生が闖入。闖入というかまあこの人に手術されるんだけど、このタイミングかよ、と思う。麻酔科の先生もちょっと引いてたと思う。
薬いれるからね、と言われると同時に点滴に麻酔が注入されると腕がピリピリしました。本当に眠くなるのかなあ、と思って天井のライトをじっと見つめる。
「みなもとさーん、深呼吸してくださいね~」
「はーい」
「みなもとさーん」
「はーい」
「みなもとさーん」
「はーい」
「え、結構強いですね」
次の瞬間、意識とぶ。
ただ、一瞬、気管挿入のときに意識が戻りました。口に冷たい器具が入れられてて、周りの会話も何となく聞こえてて、でも、動けない。これ医療事故?と一瞬思いました。
「アウェイク」という映画知ってますか。全身麻酔中に意識だけがあるっていう映画


と、思ったら、ベッドからベッドに体が移されていました。
手術が終わったら、覚醒させる薬で目を覚まさせ、ちゃんと目が覚めているか確認してから病室に移動するそうですが全く覚えていません。本当に熟睡していた感じです。目が覚めたときは何が起こっているのかわからなかったんだけど、先生が「みなもとさん!きれいに取れたからね!」って何回も言ってるのだけは聞こえました。
ちゃんと目が開くようになると、もう病室で。看護師さんが何人が部屋をうろうろして、私が目覚めたのを見て「お疲れ様でした~」と声をかけてくれました。全身麻酔すごい。
ただ、目は覚めているんだけど眠いというかぼーっとしている。麻酔もまだ聞いているので舌がうまく動かない。
看護師さんが、何か欲しいものとかありますか?と言ってくれたのと、幸い腕は自由に動いたので携帯をとってもらい、口の中の唾液を出したいです、とメモで伝えようと思った瞬間、すごい勢いで病室に入ってきた先生。
「これな!抜けたからな!よかったな!お疲れ!」
しゃべれない私に抜きたてほやほやの親知らずを渡してくれた先生。看護師さんもちょっと引き気味。
どうにかこうにかメモで唾吐き出したい旨伝えると、洗面器みたいなやつを持ってきてくれて吐き出したら、すごい血。下の歯が動脈近くに埋まっていることで、血がすごく出るとは聞いていたけれどすごい血の量。その後三時間ぐらいは血を吐き出してました。
麻酔のせいもあってか、そのあとしばらくして38℃ぐらいの発熱があったものの、すぐに下がり、とくに体の異変はありませんでした。

6、夕飯、朝食、退院

7時頃に夕飯。全粥と、絶対食べられなさそうな副菜(何だったか忘れた)、鶏肉のソテー、黄桃の缶詰。かろうじて口が動くので粥は口に運べるものの、それ以外一切食べられない。歯に挟まるし、噛む力がないんですよね。おかゆは8割ほど、黄桃は柔らかいのでなんとか舌でつぶして食べました。固形物はほぼ無理ですね。奥歯が使えないって本当に不便なんだなと実感。ありがとう、臼歯…。

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↑1日目の夕飯。肉は絶対に無理

まあ、歯を抜いた以外は完全健康体なので、12時ぐらいまでネットフリックスで動画見つつ就寝。枕があわなかったのであんまり眠れず…あと手術後3時間後ぐらいから骨を削った下あごがズキンズキン痛かったので、痛み止めは必須でした。我慢せず飲むべし。
朝は8時頃に朝食。普段朝食食べないのでそもそも食欲ないのですが、もちろんまだ顎が動かないのと、メニューが全粥、エビと卵とブロッコリーのあんかけ、パイナップルの缶詰。おかゆとパイナップルだけ半分ぐらいだけ食べました。とはいえパイナップルも繊維が挟まるのでイライラ。いやほんと食べれません。

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↑これが抜歯後の朝食。エビとか食べられないんですけど…?

ちなみに次の日が一番顔が腫れるといわれてましたが、あまり腫れませんでした。これは個人差があると思われます。友人は顔がパンパンに腫れて四角くなってました。私は青あざができたかな。親知らず抜歯、顔腫れる、で検索すると芸能人の顔が腫れた画像がたくさん見られます。
次の日、10時頃に術後の経過観察。先生のお墨付きをいただいたので無事退院という運びになりました。
ちなみに個室で一泊二日で大体7万~8万円でした。医療保険で入院一時金が出たのでむしろプラス。医療保険すごい…。

7、抜糸、そしてその後

抜いてから一週間から10日は、顎の骨を削っているのでズキズキ痛くて、痛み止め必至でした。薬をあんまり飲みたくないな、と思う人もいると思うけれど、あれは我慢できない痛みなので絶対飲んだ方がいいです。夜眠れないぐらいでした。これも個人差はあると思います。
抜歯後、先生に言われたのは、①傷口を舌で触らない②うがいをよくするということ。ちなみにうがいしすぎるのもよくないらしく、かさぶたがはがれちゃうと経過が悪くなる「ドライソケット」になるそうです。私は先生からそういうことは言われなかったですが、主治医の言うことに従ったほうがいいかな。
ただ、傷口に触れたくなかったので基本的に奥歯をほじほじしなくて済むように物があまり挟まらないものを食べるようにしました。というかかみしめられないので、普通の食事は2週間ぐらいはできないですね。おかゆとか柔らかいうどんとかを食べてました。コーンスープとか。しかしおかゆは穴に挟まるのでいいのか悪いのか。蒸しパンは食べられたかな。舌ですりつぶせるものだとよいですね。おでんの大根とかも食べてた。
抜歯後、一週間後に抜糸。糸を抜いたことで、口の動きは格段によくなって結構いろいろ食べられるけれど物がめちゃくちゃ挟まる。食後のうがいは絶対必須です。永遠に食べかすが出てくるのではないかと思われるほど食べかすが出てきます。
ちょうど抜糸後に結婚記念日だったので、夫とハンバーグを食べに行ったんだけど、肉の味が自分の歯茎食べてるみたいに思えてきて(かみしめられないからかちょっと錯覚してるような感じ)あまり食べられなかったので、すぐに肉肉しいものを食べるのはお勧めしません。完全に失策。

8、結果として抜歯はよかった

抜糸して一週間後ぐらいして左下の奥歯が、かみしめたりすると痛かったり、しみたりしたのでこれは虫歯なのでは、と思っていましたが、経過観察もかねてかかりつけ医に行ったところ、抜歯で顎の骨を削ったため奥歯を支える力が弱いので痛みがあったり、歯肉が下がって奥歯の過敏な部分がむき出しになっていてしみたりするそう。3か月から半年ぐらいで骨が形成され肉も盛り上がるのでよくなるといわれました。
1月2日現在、抜歯から2か月半ぐらい経って、奥歯の痛みやしみるのが気にならなくなってきました。傷跡はまだへこんでいますが穴という感じではないです。まだ少しものは挟まりますが、永遠に出てくる感じはないですね。
総じて、抜いてよかったと思います。お勧めしていいのかわからないけれど全身麻酔で四本抜くのが断然いいと思いますね。私はほぼ腫れませんでした。あと歯磨きが本当に楽。これが非常に大きいです。親知らずあるあるかはわかりませんが、体調悪いときも歯茎は腫れません。本当にいいです。

ちなみに、上の歯が頬骨の底に刺さっているからとマウスピースをはめていたのですが、退院の日の朝には経過良好でとってもらいました。そのとき、銀歯が思いっきり外れたんですけど、抜歯後は治療ができないといわれていたので、銀歯が外れたところが虫歯にならないように一か月近く必死に歯を磨いていたので、やっぱり歯はきれいな状態が一番です。(銀歯ないと染みるし)
かかりつけ医にしっかり見てもらい、万全の態勢で抜歯に臨むのが吉です。

親知らず抜かなきゃいけないけど怖いとか、どうやって抜くんだろう、と、私もすごく気になっていたので、そういう方に読んでもらっていれば幸いです。聞かれたらもっと詳しくお話します。(そんな人いるのか不明)
皆さんが少しでも早く抜歯してすっきりできますように…

最後に私の親知らず乗せておきます。苦手な人は見ないでください(笑)
とくに肉片とかはついてませんが、汚い親知らずです。






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上一つは割れてますが、他はまるまる抜いてもらってます。黒い部分はたぶん虫歯かな。すごいしっかりした根っこです。砕いて取り出すこともあるようですが、これだけしっかりとってもらえるとなんか感慨深くて瓶に入れて飾ってあります。
ちなみに、親知らずを冷蔵?保管して、細胞再生などに利用することもできるみたいです。詳しくは調べていませんが、興味のある人は「ティースバンク」で検索してみてください(回し者ではありません!)