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子供のためのオルセー美術館(34) マルシェで買い物したモネ/夏の終わりのパリの果物は

なつのパリのマルシェ
どんなくだものっているかな


まるいみどりのプラム、レーヌクロードっていうの
これがてくると もうなつわりなんだ
そのあとすこしのあいだだけ
黄色きいろのちょっとピンクもついてるミラベルがるの
ちいさいけど、あまいプラム
それから むらさきのイチジクも 
きれいだなあ いろ
カイユボットがかいたんだよ、この絵


モネ、きみはなにをったの?

きょうってきたのはね、これ



ポワールが金色きんいろでひかってたから
あとブドウ、くろいのと
うすみどりのはしろワインにするブドウ
ちいさくてタネもいっぱいの でも
ふさがながくて、にかくにはいいからね

あとね

白いテーブルクロスはきちっとアイロンして
まっすぐ おりめをつけたよ 
わざとだよ 
なんかいいでしょ?

のこりのくだものは こんなにしたんだ

なつのおわりのモモ
あまいシロップでにてびんに入れたの シナモンも
これアイスクリームとべるとおいしいんだ

こんどあそびにおいでよ
ごちそうするから



ギュスターヴ・カイユボット
店先の果物 1876 
Museum of Fine Art, Boston.

クロード・モネ
洋梨とブドウ 1867
個人蔵
瓶詰めのモモ 1866
ドレスデン美術館

1867年の秋、クロード・モネは果物や収穫物の静物画を描いた。
彼は26歳、まだどのジャンルを好むか決めておらず、肖像画、街並み、海景、風俗画を描いていた。
構図は正確に水平な線がキャンバスを2等分し、上半分が暗く、下半分が明るい。茶色の細い線がテーブルの端を示している。
ダマスク織のように光を反射する白いテーブルクロスの上には、9月の秋の果物が並べられている。かごに入りきらないほどの梨、リンゴ、ブドウの房。
その光景は、左から差し込む美しい光に包まれ、シャープな影を描いている。黄金色に輝く梨がニュートラルな背景の中で際立っている。籠は深い緑の蔓の葉で飾られている。


夏休みも後半、バカンスのパリにもそろそろ人が戻ってきます。
ちょうど今の時期、マルシェの果物売り場には、夏の盛りの果物にまじって晩夏の果物がだんだんに並び始め夏の終わりを告げますが、毎年ちょっと寂しい感じがします。
カイユボットの描いたマルシェの絵は、150年経った今現在のマルシェと変わりがありません。果物の種類も陳列の仕方も、イチジクの下に一つずつ敷く白い紙さえ同じで笑ってしまいます。
こういう日常のパリの姿をカイユボットは多く残しました。また改めてご紹介します。

まだ自分がなにを描くか決めていなかった26歳の若きモネが描き上げた果物の絵は、その題名にはない赤いリンゴが彩りをそえ生き生きとした若い命が絵の中に感じられます。

夏休みもあと少し、モネのまねをして、お家にある果物をお子様と描いてみたらいかがでしょう。

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