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子供のためのルーブル美術館(27)アイン・ガザル/9000年昔からやってきたのはだれ?

メソポタミアやエジプトの王様おうさまたちより もっともっとむかし
いまから9000年前ねんまえまれたアイン・ガザルぞう

ルーブル美術館びじゅつかん作品さくひんなかもっとふるいものです。

ルーブル美術館展示年表

美術館びじゅつかん部屋へやには 
アインガザルがたったひとり……ちょっとこわいけど

うしろからすこしずつちかづいてみましょう

たかさは1メートル あつさはたったの10センチ

9000ねんものながあいだこんなおおきなぞうこわれないで
いま、ここにっています。


むかしむかし ヨルダンのアイン・ガザルにあるいずみから うつくしいみずがみゃくみゃくとわきてザルカがわになりました。
ザルカがわはアラビアで「あおかわ」といます。
あおかわは、そこからきた西にしに、ふかみどりたにながれました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jabbok.jpg

うつくしいいずみのわくアイン・ガザル、
かわにそったゆたかな土地とちは、人類じんるいもっとふる居住地きょじゅうちのひとつになりました。
このかわれたくさ、アシをたばねてかたちつく
そのまわりを石膏せっこうで焼きかためて、アイン・ガザルのぞうまれたのです。

いったいこれはだれなのでしょう?
なんのためにつくられたのでしょう?
まだよくわかっていません。


さあ、もっとちかくにってみて!


9000年前ねんまえ世界せかいていたが わたしたちをじっとつめています。


Statue de forme humaine
Fouille de Aïn Ghazal, Jordanie
Période Néolithique pré-céramique, 7° millénaire
Plâtre de gypse, paupières et pupilles en bitume
人間の形をした像   ヨルダン
先土器時代、新石器時代、紀元前7000年
石膏、瀝青(天然コールタール)のまぶたと瞳孔
アイン・ガザル遺跡発掘1985年

1985年にヨルダン・アメリカの考古学発掘調査でアイン・ガザルで発見され、1985年から1996年までワシントンのスミソニアン協会保存分析研究所で修復されたこの像は、ルーヴル美術館に30年間貸し出されている。
9,000年前のもので、ルーヴル美術館に展示されている作品の中では最古のもの。
ヨルダンのアイン・ガザルは、紀元前8千年に建設され2000年にわたって栄えた。
紀元前7千年に肥沃な三日月地帯一帯に広がった新石器文化で生まれたこの像は原始的な火工技術、地元の石膏を焼成して作られた。
おそらく首長であろう特定の死者の頭蓋骨が別々に保管されていた。こうして石膏や粘土でモデル化されたことは、祖先崇拝の存在を示唆していると考えられる。
この像を含め、30体近くの石膏像が発見されそれらは全身像か、頭部が一つか二つの胸像である。おそらく想像上のもので、儀式的なものであろうが共同体の結束を確保するためのものであったと推測される。
アイン・ガザル像は、ヨルダン考古局との協定によってルーヴル美術館に展示されている。所有権を保持する中東の国の作品がルーヴルの常設コレクションと一緒に展示されるのは初めてのことで貸与期間は30年間。その代償として、フランス国立美術館とルーヴル美術館は、ヨルダンの石灰岩と漆喰の修復と展示に協力した。

musée du louvre 

お読みいただきありがとうございました。
ルーブル美術館展示物の中でも最古参、アイン・ガザルの像は借用作品でもある為かあまり大きく取り上げていないので、たまたまこの像に出合って驚くという人が多いようです。鑑賞者も少ないです。
運良く出逢えれば♡広い一室にただ一体、堂々の風格。
謎の多いアイン・ガザルですが、その目はどこか遠くを見つめていて部屋全体が不思議な空気に包まれる感じがします。宇宙人?!

ヨルダン アンマン地図



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