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「マルチ・ポテンシャライト」正々堂々と何モノでもない自分を生きていく

「あ、こんな自分でもいいんだ。こんな働き方でもいいんだ。」と、諦観を含んだ希望をもてたのがこの「マルチ・ポテンシャライト」(エミリー・ワプニック著)の読後感である。

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ずっと「何かのスペシャリスト」に憧れがあり、「何かのスペシャリスト」にならなくてはならないと思っていた。
「私はこれで社会の役に立ち、求められ、お金を稼いでいます。」というものが欲しかった。

しかし今の私のメインの職業は”事務職”である。”事務職”が嫌いというわけではない。しかし、誇れる、というところにまでは至っていない。

周りに”プロデューサー””デザイナー””写真家””クリエイター”等々がいる社内で、わが社における”事務職”というのはとても地位が低いサポーターだ。ならば今までの経験を活かしたいと”人事のプロフェッショナル”を目指し、キャリアコンサルタントの資格をとり、2年越しで異動願いを出しているがそれもなかなか実際の人事業務経験者にはかなわず、私の異動よりも外部の即戦力採用である。

”人の心を動かし、喜びを共感する仕事”につきたくて、この会社に入った私にとって、”何かのスペシャリスト”になりたかった私にとって”事務職”というのは、何かを成し遂げていく人たちの支えでしかない、やりがいのない、色あせた仕事にしか見えなかった。(だが、繰り返しになるが、サポートするのは嫌いではなく、むしろ、好きだ。)

しかし、子供が2人おり、そして、夫の仕事がさらに不安定な状況。
やりがいがなくたって、聞き役だって、体調が悪くたって、薬を飲みながらだって、キラキラしていなくたって、誇れるものでなくたって…
働くのである。

一方、どんどん興味の移りかわる好きなことが、こちらからお金を払う側でのお稽古や趣味であったり、または日常の生活(料理やお菓子作り、家をここちよく整えたり飾る等)であったり、そこからはお金を生み出さない、生産性がない…つまり仕事になっていない、ということにも後ろめたさを感じていた。

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マルチポテンシャライト
=さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人

マルチ・ポテンシャライト

著者のエミリー・ワプニックは実際、「ミュージシャン」「ウェブデザイナー」「映画制作者」で、今は「法律家」だ。

なんだ、マルチ・ポテンシャライトって、やっぱり私とは違う。

興味が移り変わっても、それぞれを仕事に出来る、多才で優秀な人のことか…。

と感じながら読み進めていた。

しかし、「マルチ・ポテンシャライト」のワークモデルはひとつではなかった。

私にもあてはまるワークモデルがあったのだ。

それが、ワークモデルその3:「アインシュタイン・アプローチ」である。

「アインシュタイン・アプローチ」とは、生活を支えるのに十分な収入を生み出し、ほかの情熱を追求する時間とエネルギーも残してくれる、フルタイムの仕事かビジネスに携わること。
●融通がきくことよりも安定を重視しているか?
●仕事は楽しくあってほしいけど、人生で一番大事なことでなくても構わないーと思っているか?
●心惹かれるたくさんのことを趣味として楽しんでいるとき、喜びや意義を感じるか?
●あまりもうからないこと(芸術にまつわることなど)を追求したくなるか?
今の問いに2つ以上「はい」と答えた人は第6章の「アインシュタイン・アプローチ」をチェックして欲しい。

マルチ・ポテンシャライト

とある。

私の場合、上記4つとも「はい」だ!
特に、子供との時間を大切にしたい、そして受験生の子供のいる私にとって、正直、状況が許せば仕事よりも子供だ。(状況は許してくれないが)

そして心惹かれるものはフラワーアレンジメントや着付けといった芸術方面…、そう、すぐにはもうからないことだ。

もちろんほかの要素との組み合わせもあったり、それにも濃淡があるのだが、”今の”私が一番しっくりきたのはこの「アインシュタイン・アプローチ」だった。

もちろん、あくまで”今の”私にしっくりときて、かつ、これでもいいんだ、と思えたものであり、これから変わっていく可能性もある。(マルチ・ポテンシャライトは常に興味がうつりかわっていくのもまた特徴であり特長。)

ちなみに、「アインシュタイン・アプローチ」のほかには、以下のようなモデルがある。

>「グループハグ・アプロ―チ」
 ある1つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する
>「スラッシュ・アプローチ」
 パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る
>「フェニックス・アプローチ」
 数か月、数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく
>そして「アインシュタイン・アプローチ」
 安定した”ほどよい仕事”をしながら、情熱を注げる取り組みをほかに持つ

マルチ・ポテンシャライト

著者のような働き方は「フェニックス・アプローチ」だろうか。

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「アインシュタイン・アプローチ」にある”ほどよい仕事”のチェックリスト3項目と照らし合わせてみると、今まで辛かった現業も悪くないことがわかる。

☐楽しさ⇒▲

●良好な人間関係

☑十文な収入⇒〇
●安定した収入
●高い評価

☑自由な時間⇒◎
●週数日は在宅勤務が可能
●自由度の高い働き方

「成長」や「やりがい」は感じられないけれど、何より、この働き方だって、この環境だって”自分で”手に入れて維持しているものだ。
課題は今の仕事の何に「楽しさ」を見出すか、か…。ここは業務上の本年度の課題であり、それを通して、出来れば「成長」もしてきたい。

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さて、最後に、この「マルチ・ポテンシャライト」として前進していく為に、心の琴線に触れるプロジェクトを前進させる為に、取り入れていきたいこと。
※本書の目的は「心の琴線に触れるプロジェクトを前進させること」だと、208ページに明記されている。

<マルチ・ポテンシャライトの生産性を高める4つのポイント>
その1>何に取り組むべきかを選ぶ
その2>時間をつくる
その3>辞め時を知る
その4>仕事にとりかかる

マルチ・ポテンシャライト

すぐに完璧には出来ない。でも、チャレンジすることが好きだ。
なので、私はまずは「その1>何に取り組むべきかを選ぶ」(優先プロジェクトと待機プロジェクト」のリストアップ)をしよう。

リストに従ってでてきた私の優先プロジェクトは以下の5つだろうか。絞るのが難しかったぁ。(よいスタートをきるには同時に1~5個の優先プロジェクトがよいらしく、その選び方についても記されている。)

<Lauraの優先プロジェクト 2022/1/12時点>

●ヨガ>ワクワクポイント:健康的な身体!ヨガ哲学のシェア!
●エクセルのスキル向上>ワクワクポイント:効率的に仕事する!空いた時間で業務上の挑戦をし、評価をさらに高める!
●受験サポート>ワクワクポイント:頑張ってきた子供の笑顔!よりよい環境へ通学する子供の姿!
●着付け>ワクワクポイント:4月の入学式で着る!和文化を日常に!
●フラワーアレンジメント>ワクワクポイント:表現する!美のシェア!

これならワクワクしながら出来そうな気もしてきた。そして待機リストにもやりたいことがたくさん!

週単位で取得できそうなものもあれば、年単位かかりそうなものも…。

あー、、私の場合、その為にもまずは優先リストの「健康」「効率的な仕事」はやっぱり「優先」である理由がある。
優先リストのトップにもってきた。

「マルチ・ポテンシャライト」

なにものでもない私に肩書をつけてくれて感謝。

なにものでもないけれど、「マルチ・ポテンシャライト」として正々堂々と生きていく。

それが誰を不幸にする?

それが私を幸せに、そして、周囲を幸せにするならば、それ以上に最高ないことがあるだろうか。

情熱と好奇心に従って生きよう。


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