ぜんぶすてれば
このタイトルに、思わずひかれて購入した中野善壽さんの本。
本のカバーも斬新なデザインで目を引き、思わずポチッてしまいました(笑)。
これは、単なる経営学とかビジネス書などではなく、中野さんの斬新な哲学が詰まった一冊。そこが何よりおもしろいのです。
中野さんといえば、伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げ&海外進出を成功させ、その後、台湾へ渡り、なんのツテもなく大手財閥企業で経営者として活躍された方。ご存じの方も多いことでしょう。
さらに、天王洲アイルの寺田倉庫の代表取締役兼CEOに就任し、斬新かつ大規模なアイデアで改革をされた方でもあります。
それだけに、読めば読むほど、メモりたくなるワードが次々と溢れ出てくるうえに、笑っちゃうエピソードも満載です。
中野さんの言う「ぜんぶ、すてれば」という言葉を、別の言葉に置き換えるならば、
「今日を、生きる」という一言につきます。
本文中でも「僕が何より伝えたいのは、
今日がすべてという言葉です」と書かれてあるように、情報過多な現代だからこそ、「今に集中する」ことが、どんどん難しくなってきていることは確かです。
だからこそ、今、より一層この本が読み手の心に響くのかもしれません。
「五年後なんて考えなくていい。今日を楽しく、夢中になれることに集中する」という言葉も、そういった意味では現代人にとって、楽しく生きるヒントともいえるかもしれません。なんとなく、アレがやってみたいんだけど…とか、コレをやりたいけど勇気がない…と、悩んでいる人にとっても、心強い言葉です。
先のことは考えず、今夢中になれることに集中すればいいと、シンプルに思うことができたら、気持ちが軽くなり、1歩を踏み出してみようと思えるから不思議です。踏み出さなければ、何も変わりませんからね…。
さらに、中野さんの魅力といえば、きっぱりと
「人の評価は気にしない。自分自身が納得できるか」という考えで仕事(生き方)を貫いているところです。
HSPなどの本が売れている今、こんな風に、きっぱりと言えちゃう潔い性格を、魅力的に感じるのは私だけではないでしょう。
ただ、そんな正確なだけに、思いついたことは、どんどん実行していくスピード力が、ハンパない(笑)。
周りの社員たちは、休日もなく突然電話がかかってくることがよくあったとか。
私の従兄弟が関連会社で働いていたので、
「どんな人だった?」と聞いたところ、
「とにかく行動が早い人だね。決めたらすぐに
実行。枠にとらわれない感じ」と言ってました。
まさに、この本に書いてあったことと、全く同じ
人柄だったので、思わず笑ってしまいました。
今の若者の励みになるかも!?
最近、「やりたいことが見つからない」「何をしたらいいのかわからない」という若者が多いと、よく耳にします。ホリエモンも「そういった質問をしてくる若者が多い」とYouTubeで、よくおっしゃっています。
中野さんは、そんな若者達にエールを送るかのように、
「できることが、なくてもいい。
こだわりがなければ、なんでもできる」とも
言われています。
というのも、実際に、中野さん自身も元々やりた
いことがなかった方だったのです。
それだけに、この言葉は、とても大きな説得力を
感じると共に、希望にもなりますね。
やりたいことが何もなかった青年が、
なぜ起業家として、斬新な仕事をたくさん
成功させることができたのか…については、
本書を読んでみてください。
中野さんの斬新でおもしろいエピソード&
哲学がたっぷり味わえて、刺激を受けることは
間違いなし! 気になった方は、ご一読を♪