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45年後の私たち【梅切らぬバカ】

50才の自閉症の息子とその母親。
まるで45年後の私たち親子を見ているかのようでした。
子どもが歳を重ねるなら、親はそれ以上に歳を重ねるという当たり前の現実に気づきました。

長男が病院で点滴していたので、その付き添い中に見ました。

・加賀まりこさんの演技

母親である山田珠子役を演じてます。
「リアルだなぁ」と感じました。
こだわりが強い息子の忠男相手に「ハイハイ」と自然に接していました。

グループホームの説明会に出席したときに
乗馬クラブを運営してる女性に「馬が脱走したらと言って、遠くに行けとは言われないでしょ。私たちだって通いやすいところにあったほうがいい。お互い様でしょ」と言っていたのが印象的です。

・塚地武雅さんの演技

自閉症の息子忠男の役を演じました。
手の動きがリアルです。
相当研究してきたのが伺えました。

長男はあそこまで時間に細かいわけではありませんが、「こんな人いそうだなぁ」と思いました。

・署名活動をする人を見て

グループホームへの風当たりの強さを見て、彼らの置かれた現実を垣間見た気分です。
「迷惑だから、私たちの目のつかないところへ行ってよ」と本音が聞こえてきました。

多様性を認め合える社会なんて夢物語と暗澹たる気持ちになりました。

救いだったのは、お隣に引っ越してきた里村家の対応です。
最初は疎ましく思っていた里村家のお父さんも、グループホーム退去への署名を拒否しました。
息子の草太くんは引っ越しで紛失したボールを届けてもらってから打ち解けてきたように見えました。

・感想

山田珠子役の加賀まりこさんの演技に目が行きました。
忠男の身の回りのお世話にしながら、占い師をやっていました。若い女性たちが彼女を頼って訪ねてきます。
はっきり言いつつも、彼女たちを否定しません。
絶妙なバランスと思いました。

親として「自分の死後、息子はどうしようか」と
不安を感じながらも、日々愛情を持って接していました。

私自身、将来への不安を感じながらも、愛情をもてているだろうかと考えさせられました。

以上、ちえでした。
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