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指導主事は2~3年で異動?「9月に始まる人事異動の話合い」と「異動サイクルの話」

4月にスタートした新学期も9月末でちょうど半年が経ちます。振り返ってみるとあっという間です。今年度、私は異動もなく、仕事のポジションも大きくは変わりませんでした。

年度初めに思い描いていた「もう少し余裕を持って仕事をしよう」とはほど遠い状況で、今の心境としては、何とか半年乗り切ったという感じでしょうか。

さて、みなさんの学校では「学級担任や校務分掌の希望調査」がありますか?

私が小学校教員だった頃、学校によって多少の違いはありましたが、次年度の学級担任や校務分掌の希望調査はどの学校にもあり、大体11月から12月くらいに調査票が回ってきてたような気がしています。

指導主事になって面白かったことの1つは、「上司はみんな人事の話が大好き」ということです。今回は、指導主事の人事異動、そして、異動サイクルについて紹介します。

1.指導主事の人事が動き出す秋。現場に戻るか、行政に残るか。   2.教員より短い異動サイクル。大体2年、長くて4年。               3.現場と行政を行ったり来たり。「人事の複線化」を実現したい。

1.指導主事の人事が動き出す秋。現場に戻るか、行政に残るか。

お盆が終わり、学校が再開する8月下旬。夏季休業の間、少し余裕があった仕事量も通常モード、いやそれ以上の忙しさになります。

そんな中、私たちに管理職である課長から配られるのが「キャリアシート」なる”人生設計シート”です。

シートの項目はおそらく自治体によって異なるのでしょうが、私の勤務するところでは、シートに「次年度からおよそ10年後までのライフプランを書いてください」という表が付けられています。

その際、私のような「学校の教諭から指導主事になった人」には「学校現場に戻る」か「そのまま行政職で行くか」の大きな選択を迫られます。

この2択は、毎年ものすごい迷います。まさに、人生の選択です。

以前のエントリー「指導主事は”タテ社会?”小学校の先生が指導主事になって驚いた教育行政の仕組み」にあるとおり、学校の先生から行政の指導主事はまさに「転職」。

キャリアシートの提出締切は9月中旬。シート提出後は、書いた内容に基づいて管理職面接がスタートします。つまり、次年度の身の振り方は半年前にまでに決めておかねばならないということになります。

2.教員より短い異動サイクル。大体2年、長くて4年。それは果たして・・・。

学校で「管理職」と呼ばれる小学校、中学校の校長先生や教頭先生。

みなさんが子どもだった時代、そして今も、学校の管理職は一般の学級担任の先生などに比べて短い期間で異動しますよね。行政的な理由はいろいろあるようですが、それはまた別の機会に・・・。

指導主事は立場としては教諭や主幹教諭と同じ立場です。でも、異動のサイクルは短くなってしまいます。普通は2~3年、長くても4年という人がほとんど。それは、私のような学校現場出身の指導主事だけに限らず、事務方と呼ばれる教育委員会の職員、全員がそうです。

指導主事の主な仕事の1つに「学校訪問」があります。私も年間20校~30校程度の学校に訪問しますが、2年間で3~4回お伺いする学校もあり、先生方と顔を合わせると「あぁ、どうもお久しぶりです~」、「最近、忙しいですか?」など指導助言以外の話をする機会も増えてきます。

個人的な考えですが、『4年間』あれば、”指導主事として”その地域を知り、その地域で子どもに接している先生方を知ることができ、もっともっといい仕事ができるのではないかなぁと思っています。

とはいえ、上意下達の教育行政の世界。なかなかうまくはいかないようです。

3.現場と行政を行ったり来たり。「人事の複線化」を実現したい。

私が所属する都道府県教育委員会では、一時期「教育職員についての人事の複線化」という方針がありました。

現場の先生の仕事を知る指導主事、そして、指導主事の仕事を知る現場の先生。人事を”複線化”することで、学校と行政の垣根を低くしようという試みです。

ちょうど私が指導主事になったときにその方針が示されたのですが、なかなかうまくいっていないようです。

理由はいくつかあるようですが、大きな理由はそもそも「指導主事」のなり手がいないことです。以前のエントリー『激務って本当?今、指導主事の「働き方改革」も進んでいます。』にも書いたとおり、指導主事のイメージはあまりよくありません。

でも、指導主事になって4年目になり、少し余裕が出てきた今思うことは、学校現場と教育行政の架け橋になることができる存在が指導主事ではないかなぁと。

そのためにも、その地域を隅々まで知る指導主事と、その地域で奮闘する現場の先生方が、もっと同じ目線で教育を語ることができるような人事になって欲しいと願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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