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娘が生まれて1000日目

過ぎてしまったけれど、
昨日で娘は生まれて1000日目を迎えた。

出産前後のことは、まだ鮮明に覚えている。
3508グラムまで育った娘は、ゆで卵がつるりと剥けたようなキレイな肌をして出てきた。

おしりにウンチを少し付けながら産道を下ってきたらしい。
助産師さんが「苦しい時にウンチが出るのにおかしいな」と言っていたので、どちらかと言えば順調なお産だったんだろう。

抱っこしますか?と言われたけど、力み過ぎて手足の震えが止まらず、落としたら大変だから「あとでゆっくり抱っこします」とだけ答えた。

生まれた直後に抱っこできたのは長男だけだったな。若さゆえの余力はもうない。

か細い産声を一度あげたきり、静かに静かに周りの様子をうかがっていた娘。まだ見えない目を半分開きながらキョトンとした顔をしていた。

助産師さんがテキパキと体を拭いたり体重計に乗せたりしている間もずっと大人しくされるがままだ。

その後は、助産師さんが部屋を後にし、私と二人きり。娘は台の上に置かれても泣くことなく、たまに呼吸をするのを忘れてアラームが鳴ることはあったが、本当に静かに横たわっていた。
突然の変化に、ただ呆然としていたのだろうか。
なにを思っていたのかは分からないけれど、
体全体を使って、自分の置かれている状況を感じていたのかもしれない。
「言葉」がまだない分、すべては感じて理解するしかない。

言葉がまだない人間の感受性はどんなに豊かだろうか。

そんなことがふと頭に過る。

生まれてすぐ被せてくれる黄色の柔らかな帽子。残念ながら娘の大きな頭からはスポンスポンと抜け落ちてしまい、助産師さんも最後は諦めてしまった。

〈野に咲く花のように逞しく、いるだけで周りを幸せにしてくれる〉
そんな存在になるようにとパパが命名してくれたよ。

月並みだけど、
生まれてきてくれて、ありがとう。


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