霞ヶ関ワークライフ5
嵐の前の静けさ
これまでの記事で、霞ヶ関の人たちは2年で部署異動し、経験者を残す配慮もまるでない、そんなサバイバル人事があたりまえ、とお話した。
そのデメリットは4月から業務が溢れること、前年からの経験者に負荷がかかることだ。
そして、私の係では係長が経験者、部下上司ともにフォローしなければならない中間管理職の立場になっているともお伝えした。
ようやくみんなが業務に慣れてきたこの時期••
ついに倒れる
あまりの唐突さで、前兆もなく、僕は衝撃をうけた。誰よりも朝早くきて、夜も遅くまで働いていた係長、そんな彼をてっきり無敵の人(常時スーパーマリオのスター状態みたいな)と思いこんでいた。
でも、そんなことはなかったのだ。。
ある時、彼と2人きりになった夜に、珍しく愚痴を聞かされたことがあった(きっと僕は外部の人間ということもあるのだと思う)。
なんでも、上司からこれまで自分なりに係を考えて頑張ってきたことを、それがまるで無駄な行為かのような発言をされてしまったのだという。
なんだか、やるせないなぁ••そんな話だった。
その上司も、深い意図はなかったのかもしれないが、僕は直接聞いたわけではないから判断しようがない。
今思えば、そこから係長の気力が徐々に抜けていっていたような気がする。とにかく今は周りの僕らが、少しでも尽力して支えるほかない。
単なるデリカシーのない発言程度だとしても、受け取り方は人それぞれだ。不用意に部下のやる気を削ぐ発言をしてないか、上司に当たる人は是非とも気をつけてほしい。
5月病なんて言葉もある。本当に精神が追いつかないときは、無理をせずに休むことも必要と思う。
質問主意書というキラーパス
話は変わるが、国会議員から質問主意書というものを受けることがある。いわば国会議員から国家公務員への、公開質問状(?)みたいなものらしい。
国会における大臣答弁のほかに、国会議員から直接質問をうけることもあるんだな〜と、最初は驚いた。(なお、質問主意書は議会のホームページに公開されているので、誰でもアクセスできる)
最近、誰とは言わないが、某有名女性議員からの質問主意書が届いたらしい。なんだか、回覧メールが物々しく、どの省庁がどの質問に答えるか明確なものもあれば、なんとも調整しづらいものもあり、嫌〜な雰囲気を感じ取る。
そして、その内容が、はっきりいってエグかった。例えばこのような質問、
「◯◯という法律案において、◯◯という言葉が出てくるが、過去に貴省では◯◯という言葉を◯◯という趣旨で使用した文書は存在するか?あれば、すべて示せ」
想像してほしいのだが、民間企業でも外部公開している資料と内部資料を含めて、◯◯が記載されている全ての文書を徹底調査して、示そうとしたら、どれだけの時間と労力(関わる人)がいるだろうか?そもそもできるのか??
国の省ともなれば、その資料たるや比にならないのは明らかだろう。
しかも、それを数日でやれという。。
さらに悲しいことに、この質問の意図は、回答内容によっては、政府批判ないしは官僚批判をすることが見え透いている。
国会議員と官僚の関係はそういうものだといわれれば、そうなのかもしれないが。。
もう少し配慮があってもよいのではないか、そう思ってしまうのは、僕だけだろうか。
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