深夜特急の読書感想文も4まで来ました。
1の時に、全巻揃えたと書いたのですが、
5までしか買っていないことに最近気がつき、
機会があったら買おうと思うのですが、
とりあえず5までの感想文になりそうです笑
それでは、深夜特急4 シルクロードの感想文を記したいと思います。
今回は、特に心に残った2ヶ所について残しておきたいと思う。
4では、沢木さんはインドを出発し、パキスタン、アフガニスタンへと向かう。
まず、最初に心に残った部分は、
インドを出発するバスの中で、
自分に懐いてきた赤ちゃんを抱っこしたら、
赤ちゃんの体に出来ていた水疱が潰れて、
沢木さんのシャツが濡れてしまった時の沢木さんの考え方だ。
沢木さんは、一瞬伝染するかもしれないと考えたが、今さら急いだところでどうなるものでもないと、考える。
死と生がすぐ身近にある国、インド。
私たちは、見たり聴いたり、話したり、触ったりして、心地よいものを感じることが出来る一方で、
体や心にとって不利なものに対しては、苦痛を感じるように出来ている。
それは、私たちの体を守るための必要な仕組みであり、この世に生を受けたものの宿命でもある。
快を感じる権利を得たと同時に、苦痛を感じる仕組みも背負って生きてゆかなければならない。
「死ぬ」ということは、そこに至るまでは、
苦痛を伴うものだろう。
肉体が機能を失うのだから。
でも、そういう部分的な個体としての「死」の捉え方ではなく、もっと大きな人類の運命としての視点から視た「死」は、誰にも平等に訪れるもので、その時期や原因はある種、確率的なもの、「縁」によるものなのかもしれない。
仏陀が生まれた国インドを旅すると、そういう達観した視点が生まれるのかもしれない、と思った。
あまりにも、死と生が近い国、インド。
もう1ヶ所私が印象残ったのは、
イランのテヘランへのバスの途中でイランのメシェッドという都市に途中停車した時のことだ。
落ちたクラッカーの欠片を拾って食べる程、お金のないロッテルダム出身の青年が、2人の男の子にまとわりつかれ、金をせびられている時、
この巻は、沢木さんが、旅出会った人たちに対し、罪悪感を感じたり、良心の呵責を経験することの多い巻だった。
たまたま同じホテルに泊まった病気の欧米人に対し、毎日ブドウを恵んであげていたら、最初は無愛想だった欧米人が、最後は沢木さんと一緒に行こうかなと言い出す。
しかし、沢木さんは聞こえなかった振りをして、テヘランへと旅立つ。
そのバスの中で、自分はひどいことをしたのではないか、彼を見捨てたのではないかと、良心の呵責が起きる沢木さん。
また、街のバザールで、ペルシャ時計を値切った時も、値切りすぎたのではないかと、翌日店主に、菓子を持ってきたり。
この巻は、ある意味、「良心」というものについて、考えさせられる巻だった。
最後に、沢木さんが旅の中で読んだ本の一説について、ここに残しておきたい。
「ペルシャ逸話集」の「カーブース・ナーメ」という本に書いてある文章だそうです。
画像はお借りしました。