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詩「小さな手の祈り」―{祈りの雨}#青ブラ文学部

寺の 法要
境内の枝垂桜は
雨の中で 静かに
景色を染める

お参りにきた 小学生の女の子
バアバが 大好きだった
まだ バアバは遠くから
戻ってくると思ってる

祈りの雨の日
バアバのお墓の前で
濡れながら
小さな手を合わせて
一心に 小さな声で祈る

「バアバ 早く帰ってきて
もう 学校も一人で行けるよ
でも バアバが お迎えに来て欲しい
バアバの作る わらび餅
また 食べたいよ
彩ちゃん 泣かないで ずっと
バアバのこと 待ってるからね」

雨は 降り止まない
墓近くの 夏椿の木に
ムクドリが止まり
女の子を 祈りを
耳を傾けて 聞いていた

しばらくして 飛び去った

きっと 雲の上のバアバに 
彩ちゃんのお願い事を
伝えにいったのかもしれない

*山根あきらさんの企画に参加させていただきます
どうぞ よろしくお願いいたします

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