記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

イースター休暇は、「三体」を完走する

出張先のマドリードで、ヘッダー画像の広告を街のあちこちで目にした。自分が疲れすぎてピントが合っていないのかと何度も目をこすったが、男の人の顔のダブりは直らない。ようやく、あぁこれはトリックアートのような広告なのかと気がついた。

よく見たら「三体」のドラマ版「3 Body Problem」がNetflixで配信開始されると書いてあるではないか。なんと!?

三体』(さんたい)は、中華人民共和国のSF作家劉慈欣による長編SF小説Wikipediaより)で、日本では2019年に『三体』の和訳版が出版されてから、『三体Ⅱ 黒暗森林(上下巻)』『三体Ⅲ 死神永生(上下巻)』が順次刊行された。

シリーズはじめの「三体」が発売されたとき、聴いていたTech系Podcastで取り上げられたこともあり、私も単行本を購入した。最初は登場人物の中国名に四苦八苦しつつも、壮大な「サイエンスフィクション」の世界に引き込まれていった。読後は、なんと想像力のぶっ飛んだ、そしてそれをありえそうなサイエンスとフィジックスで深みと厚みを持たせた内容なんだ、と放心した。(ありえそう、と書いたのは、どこまでが確からしいか私には判断できないため。)

「三体」の中には、読んで想像しただけでトラウマになりそうなシーンが数々登場する。一体どうやって映像化するの、と思っていたら「ゲーム・オブ・スローンズ」の制作陣が本作を手掛けているという。それは期待大、ということで、4日間のイースター休暇に入る前夜、わくわくと観始めた。

3月21日からNetflixで配信された。最初は英語字幕で観ていたが、中国語ゾーンを追うのがしんどくなったため、日本語字幕に切り替えた。


観始めて、その夜でエピソード1から5まで観終わってしまった!なんという再現力!書籍で読んで想像していたシーンや世界観が、うまい具合に、いや期待と想像以上に、映像化されているではないか。ついでに世界配信向けに、なるほど〜と納得するようなアレンジが加えられている。
(2019年以来読んでいなかったので、「あれ、こんな設定だっけ?」と記憶を辿りながらも、大筋には影響しないどころか、非中華圏の視聴者でも入り込みやすい工夫をしているんだなと感心した。本国では賛否両論あるかもしれない。)

そして翌日のイースター休暇初日、こらえきれずにエピソード6から8の(現時点で配信されている)最終話まで観終えてしまった。あぁ、すごかった。よく映像化したなぁ!と唸るシーンが満載だったし、三体の映像が夢に出てきた(笑)
書籍を読んだ時、特に衝撃を受け、映像でも身が震えたシーン4選を、ページ下部に記載しておこうと思う(ネタバレあり)。

エピソード8までで、「三体II 上巻」の半分くらいまでが映像化されていると思われる。私は「三体II 下巻」以降を読破できていないので、イースター休暇を利用して読んでしまおうと目論んでいる。この作品に関しては、絶対書籍を読んでから映像を観たいし、それを強くおすすめする。
なお、日本では文庫版も発売となったらしい。



『三体』 度肝を抜かれたシーン4選(ネタバレあり)


手元に書籍や参照資料がないので、記憶を頼りに。後で詳細の描写も含めて書き直す予定。たぶん。

【その1】ナノテクでタンカー船ごとシュレッダー
文章で読み進めているときも動悸が止まらなかったし、映像で観ているときもビクビク目を薄めながら。このシーンはトラウマになるわ。
映像で観ている方が先々を想像できるなという発見もあった。文章だと、文字から自分の頭でイメージを起こしながらなので、先読みがしにくい。

【その2】人間手旗式コンピューター
コンピューターの動作が0と1の計算から成っているなら、確かに原理としては人間にもできなくないよね、とは納得したものの、そもそも考えつくのがすごい。中華歴代の戦い、兵馬俑感を彷彿とさせられる。CGとはいえ、よく再現したわ。

【その3】人間日干しをくるくる折りたたみボディバッグに
まるで海藻のように。

【その4】冒頭の文化大革命
いろいろなメッセージが込められている、文化大革命のシーンなくしてこの物語は始まらないと思う。映像化するにあたって、ネイティブチェックや監修が入ったと想像するのだが、どういう団体や個人がどのように検証協力したんだろう、などと考えてしまった。

三体とは関係ないが、マドリードの街角で煌々と灯りがともっていたレストラン。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?