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がん→仕事復帰→苦痛→幸せ

手術後に目を覚ましたら、卵巣がんが見つかり、子供が産めない体になっていた...

絶望のどん底にいた私も、時間の経過とともに、背筋を伸ばして歩けるようになり、運転できるようになり、ごはんも食べられるようになってきた...

今まで、ふれてこなかったが、私の職場は写真館 。
結婚式.マタニティー.newborn .お宮参り...等、ご家族の大切な記念日、何気ない日常を写真で残す場所。その #写真 が何十年とご自宅に飾られて、その写真を見る度にその日の想い出を家族と語らい、子供たちの成長を感じていただける。目の前で感動して涙を流して喜んでいただけたり、毎日、「ありがとう」をたくさんいただけて、この仕事に出会えて本当に幸せだと思っていた。

退院してすぐのある日、職場のオーナーから今年の社員旅行はグアム‼︎パスポート取っておいてとの連絡があった。
いやいや、この体で海外はムリでしょう。太陽ギラギラの場所で、体力もないし、重たい荷物を持つこともできないから、すっごく行きたかったがお断りした。
オーナーから一言。「luruは絶対連れて行く。荷物も持つし、ホテルでのんびり過ごしてもいいし」
オーナーは有言実行する人。それでもって、優しすぎるくらい優しくて、誰よりも気遣いのできる人。
やっと一人で歩けるようになったばかりで、車の振動でも痛みがある状況だったが、グアムに行く体力をつけるため、運動をスタート。
復帰して、2ヶ月で本当にグアムに行ってきた‼︎
数ヶ月前は、一人で歩くことも、洗面台で顔を洗うこともできなかった私がまさかの海外旅行。
家族はヒヤヒヤしていたようだが、オーナーの無茶ぶりのおかげで、体力とやる気を取り戻すことができた。



仕事復帰する時は、オーナー、スタッフみんながずっと待っていてくれて、迷惑ばかりかけたのに、「おかえりー」と出迎えてくれた時の笑顔は忘れられない。仕事って、お客様のため、自分のため、お金のため、価値観は色々だと思うが、私は待っていてくれていたみんなに恩返しをするために仕事をしたいと思っている。

でも、仕事に復帰できて幸せ!!と思えたのは一瞬だった...
お腹の大きなママさんの待ち遠しそうにお腹を見つめる優しい眼差し。
赤ちゃんが産まれて、愛おしそうに抱っこするパパさんの優しい表情。
お孫ちゃんが可愛くて仕方がない、目尻がさがりっぱなしのおじいちゃんおばあちゃん。
このどれもが、私は経験することができなくなった。私の大切な人へ与えてあげることができなくなった。
毎日、毎日、幸せなご家族にお会いすることに幸せを感じていたのに、それが苦痛に変わり、笑顔ができなくなってしまった。
こんな心の状態で、ココにいたら、お客様にもスタッフにも、オーナーにも申し訳なくて、仕事を辞めることも何度も考えた。
本音は、私の心がこわれちゃいそうで...

そんな時にある人が言ってくれた。
luruは自分の子供は産めなくなったけど、今の仕事は毎日、たくさんの子供たちと会って、その子たちが大きく成長していく姿をずっと、ママパパと一緒に見守っていくことができる。きっと意味があって、今の仕事に出会ったんじゃない。
その時の私は素直に受け止めることができる程、心に余裕がなかったけど、5年経った今だったらわかる。
やっぱり、この仕事が大好き。
名前を覚えてくれたり、ぎゅっとハグしてくれる子供たち。1年間で何百人の子供たちとハイタッチをしている。今の私は、そんな子供たちに元気と癒しをたくさんもらっている。

今、改めて、仕事ができることのありがたさ、この職場でみんなと一緒に仕事ができることが本当に幸せだと感じている。
みんな、ありがとう。

そして、家族写真を残す大切さを世界中の人に伝えていきたい。

次回は、恋のお話し...

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