見出し画像

企画とユーザーの距離を半分にする「作る」というアクション

デザイナーのような「作る」仕事で会社員をやっていると、経験が積み上がれば積み上がるほど次第に「作る」仕事から遠のいてしまうジレンマがあると思う。

自分の場合、駆け出しの頃はデザイン作ったりフロントエンドのコードを書いたが、そのうちWebディレクター的な仕事に軸足を移し、やがてリーダー的なポジションになって関係各所との調整や年間の開発計画、チームのマネジメントや人関連のごたごたを調整したり。組織の期待に応えるうちに「作る」仕事の割合は減っていった。

中には引用した記事にあるように、作ったものでインパクト出すためには「運用」とか「進め方」とか「協働」とか、いわゆる組織的な課題をなんとかしなくては!と思い「作る」ことから離れていくケースもあるだろうし、そういう人たちを自分もたくさん見てきた。

最近思うのはこういった「組織的な課題」をやっつけるために「作る」仕事に戻ってくることもある、ということ。例えばプロダクト企画初期のプロトタイピングがそのうちの一つとして挙げられると思う。何も決まっていないけどイメージをカタチに落とす。とりあえずポンチ絵を作ってしまえば人は集まり議論は起こり、顧客に見せれば反応をしてくれる。そうしてチームを進めていく。

「作る」手段を持っていない人はそれをドキュメントやプロセス(ペルソナ作ってジャーニーマップ作って...みたいな一連の動き)でなんとかしようとするんだけど「作る」ことが生むパワーは強く、遥かに早くチームを進めてくれる。そのために「作る」というタスクを使う。

自分がかつて Flash アホみたいに作っていた(作らされていた)時は、自分の作ったデザインとコードをユーザーが直に使ってくれて顧客は喜んでくれて... という充実感が確かにあった。一方、チームを進めるために「作る」にはそういうものはないし品質も落書きレベルの時もあるんだけど、その「作る」にはユーザーと企画を半分に畳んでくっつける力があると思っている。それを可能にしてくれているUXデザイナーというポジションと、これまでの経験を提供してくれたすべての人たちとプロジェクトに感謝する最近。

Photo by Hal Gatewood on Unsplash

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?