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テレビとYouTubeで観た「イオン」の話が頭によぎって、おばあさんを助けた日のこと。

いつもの記事とは、ちょっと毛色の違う話です。


小雨が降っていた、ある夕方の出来事。
ちょうど外が暗くなる頃、 私は家に帰るところでした。

傘をさしても、ささなくてもいいくらい。
地面が濡れていたし、両手に荷物を持っていたから、私は傘をささなくてもいいかな。
もうすぐ家に着く。帰ったら何食べようかな。


そんなことを考えながら歩いていると、

看板の影から、開いたままの傘がふんわりと風に乗って地面を流れているのが見えました。

今日は風が強くないのに、
開いたままの傘が飛んできた、、?

と思い、気になって傘の後ろを見たら、おばあさんが地面に倒れかかっているではありませんか!

食料品で溢れんばかりのビニール袋がひとつと、
おばあさんの小さな鞄がひとつ。

おばあさんをよく見ると、ちゃんと手をついて地面に転んでいた様子。

「腰は痛くないですか?」「脚は大丈夫ですか?」にも、
ちゃんと受け答えできていて、会話も大丈夫そう。

私はその時、おばあさんは雨で濡れた地面に滑って、ちょっと転んじゃったのかと思いました。


(….でもあとから振り返ると、実はそうではなかったみたいで。。)



さっきまでちゃんと受け答えしていたおばあさんが私に、
「ここはどこ?」と何度も尋ねてきたのです。

私は引っ越してきたばかりの新参者だったので、
具体的にここが何丁目だとか、
あのバス停からバスに乗ればどこまで行けるとか、
そういうことが頭に浮かばなくて、とっさに近くの建物を指差して、
「あそこに図書館がありますよ」としか言えませんでした。

(子どもみたいなこと言ってるわ、と自分のことが恥ずかしくなりました。笑)

おばあさんはピンときていない様子。(おばあさんには本当申し訳ない、笑)

そこで、家はどの辺ですか?と聞いてみたら、
◯丁目と教えてくれて、Google mapsで調べてみようとしたけど、
とりあえず外が冷たい空気で寒かったのでおばあさんを待たせるわけにいかず、
どこか温かい室内へ移動して、おばあさんに休んでもらった方がいいと思いました。


そのとき、安全な場所としてとっさに思いついたのが、
交番ではなく、近くのイオンモール。



以前「ガイアの夜明け」でイオンを特集していた放送を観たことがありました。
(関連動画↓)


全国展開するイオンモールが、日本全体の電力の0.8%を消費しているということ
猛暑の時期は特に、高齢者がイオンの涼しい室内で休憩できるよう、スペースを工夫していること 

などが紹介されていました。


その放送を観て、
イオンって確かに全国にどこでもあるよなぁ〜
私も夏はイオンに涼みに行こう〜
というくらいに、軽く思っていました。


放送の中のインタビューで高齢者が、
電気代は高騰しているし、自宅で猛暑は耐えられないから、
イオンに涼みにきている。快適よ

というようなことを言っていたのがすごく印象的で、なぜか今でも覚えていました。


私が新しく引っ越した地域には高齢者が多く住んでいて、
高齢者のサークル活動などが盛んに行われています。
駅前、スーパー、ダイソー、どこを見渡しても高齢者が歩いているような場所。



とにかく、こんな地域なら、何かあった時に、
イオンなら高齢者を守ってくれるのではないかと直感的に思いつきました。

おばあさんはすごく焦っている様子で、
声をかけようとしたときには、すでに歩き出していました。

イオンに行くまでの道中、約5〜6分。
とりあえず、イオンにお連れすることにしました。



歩き出すと、おばあさんが転びそうなくらいの速さで止まらない、止まらない!
上半身が倒れんばかりの勢い!

私は必死でおばあさんを支えながら、
「足元が滑るからゆっくり歩いてね」と何度も声をかけても、止まらない!


途中で立ち止まっては荒い呼吸を整えることを2〜3回繰り返し、
最後には本当に倒れてしまう勢いで、ぎりぎりイオンに到着。


やっぱりイオンに入ると、暖かいのです。



ちょうど、若いお兄さんがゲームしたそうに座りかけていた椅子が目に入り、
お兄さんには本当に申し訳なかったけど、
お兄さんに察してもらい、席を譲ってもらいました。


お兄さんは最初驚いた様子でしたが、ちょっと状況を説明したら、
「スタッフを呼びましょうか」と、さっと動いてくれました。
本当に助かりました。

というのも、私は、おばあさんを暖かい室内へ連れて行くことで頭がいっぱいでした。
そのあとどうするか、考える余裕が全くなかったのです。

だからお兄さん、私のことも助けてくれてありがとう。

そのあとは、イオンのスタッフさんが面倒を見てくれる様子だったので、
お兄さんにはお礼を言って、
おばあさんには「帰り、気をつけてくださいね」というと、

おばあさんは私の手を握りながら、
「ありがとう、またどこかで会おうね」と言いました。

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一連の出来事は、ここまで。


おばあさんを暖かい安全な場所に連れて来れて、そして、
最後には落ち着きを取り戻して元気そうな様子を見れて、私はホッとしました。

でも帰宅後も、なんとなく私の心臓はまだドキドキしていて、
手も震えている感じでした。




今振り返ると、
おばあさんが倒れかけた時に「ここはどこ?」と言ったこと
ものすごい勢いでフラフラになりながら歩いていたこと

…おばあさんは、単に、濡れた地面に滑って転んだのではなく、
転ぶ前に、貧血なのか意識症状なのか、何かが起きていたのではないかと思いました。

貧血なら、私自身も経験がよくあります。
電車で貧血になって倒れ、見知らぬおばさんが介抱してくれたこと、
駅のプラットフォームで気分が悪くなってトイレに駆け込んだこともありました。

ひどい時は、アルバイト先で気を失って倒れ、頭を打って出血したこともありました。意識を取り戻したとき、倒れた私の顔を何人もの上司が覗き込んでいたので、「注目されている」という居心地の悪い感覚に襲われ、「うわっ、私、周りに迷惑かけてる、ヤバい…!」と、すごく焦ったのを覚えています。


だから、おばあさんの様子をあとから考えてみると、
私が貧血でフラフラになった時に似ている気がしてきました。
実際のところはわかりませんが。

あのあと、おばあさんは無事にお家に帰れていたらいいのですが。
イオンのスタッフさんがきっと対応してくれたことと思います。



椅子を譲ってくれて、しかもスタッフを呼んでくれて、
一緒に心配してくれたお兄さん
介抱してくれたイオンのスタッフさん

本当にありがとう。



日頃、スマホやイヤホンの音楽に意識を取られがちだけど、
自分の周りの世界に気を配ること

大事だな、と改めて思いました。

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