みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

昨日はグレード（鑑定）をする鑑定機関についてお話しました、本日はその与えられるグレードについて解説していきたいと思います。

アンティークコインのグレード

PCGSとNGCについて説明したところで、実際のグレードを解説していきます。主要なグレードは以下の9つなので、それぞれ押さえておきましょう。

PF（プルーフ）

PF（プルーフ、Proof）は流通用ではなく、贈答品などの用途で作られた特別なコインのグレードです。流通しないことを前提としているため、新品は非常に綺麗で傷一つ無いものがほとんどです。

また、PL（プルーフライク、Proof-like）というグレードも存在します。直訳すると「プルーフのようなもの」といった意味で、流通用に作られたコインではあるものの、初期に作られてPFに似た仕上がりになっているもののグレードです。

PFやPLは最高グレードと言え、高値がつきやすいコインです。

FDC（完全未使用品）

FDC（完全未使用品、Fleur de Coin）は、流通用のコインの中では非常に綺麗な未使用品のことを指します。ただし、製造方法の違いや作られてから年数が経っていることなどから、多少の傷はあるのが一般的です。傷一つない新品という意味ではないので、ご理解ください。

素人の見た目にも美しく見えるのは、FGCあたりまででしょう。UNCになると変色が見られることもあるので、新品に近い状態を望むならFDC以上にこだわっても良いでしょう。

UNC（未使用品）

UNC（未使用品、Uncirculated）は、基本的には流通しなかった未使用品のグレードです。ただし、製造時や運搬時の傷などがわずかについていることが多いです。金属の種類によっては変色していることがあり、特に銀貨は変色が見られることも多いです。

UNCまでは基本的に流通したことがないコインにつけられるグレードです。次に説明するAUからは実際に使われたコインです。

AU（準未使用品）

AU（準未使用品、About Uncirculated）は、流通したコインのうちかなり綺麗で未使用品に近いものことを言います。AUからは実際に流通したコインとなります。

とは言っても流通過程での傷が少ないので、コレクションする価値は十分にあります。発行枚数が少なく高いグレードのコインが存在しない場合など、AUでも大きく値上がりしているコインはたくさんあります。

EF（極美品）

EF（極美品、Extremely Fine）は、流通したコインではあるものの、表面の摩耗や傷などが少なく、デザインを明確に判別できる状態を指すグレードです。デザインの細部がギリギリ判別できるくらいのグレードがEFなので、次に解説するVFと比べると綺麗な品物となります。

VF（美品）

VF（美品、Very Fine）は、流通の過程で傷ができたり摩耗が進んだりしているものの、デザインの判別はできる状態のコインのグレードです。細かいデザインはすり減って見えなくなっていることが多いので、EFよりは劣ることが分かりやすいと思います。

F（並品）

F（並品、Fine）は摩耗がかなり進んでいるものの、デザインは判別でき、年号などの重要な刻印は分かる状態のグレードです。F以下のコインになると、かなり貴重な珍品でないと高い値段はつきにくいでしょう。

VG（劣品）

VG（劣品、Very Good）は、摩耗がかなり進んではいるものの、どのコインなのか判別できる状態のグレードです。

G（大劣品）

G（大劣品、Good）は、摩耗が進んでおり年号などの重要な情報も読み取れず、どのコインなのか判別できない状態のグレードです。このような状態でも「Good」というグレードをつけるので紛らわしいですが、投資価値は望みにくいでしょう。

アンティークコインをグレーディングしてもらう方法

アンティークコインをグレーディングしてもらうには、コインショップなどの代理店を通してPCGSやNGCに鑑定を申し込むのが一般的です。まずはコインを持って代理店に出向くか、コインとグレーディングの申込書を代理店に送るといった方法で、鑑定を申し込みます。

代理店の方で英文の申請書を作成したり、海外の鑑定機関に郵送したりしてもらえるので、あとは基本的には待っているだけです。鑑定が終わったら、専用のケースに入ったコインと鑑定書をもらうことができます。

まとめ

アンティークコインのグレーディングについて解説してきました。PCGSとNGCという二大鑑定機関の評価に基づいて取引するのが一般的で、これらの機関によってコインの真贋や価値が保証されます。

偽物をつかまされないようにするためにも、コインのグレーディングについての知識は大切です。初心者の方や初めて取引するセラーの場合、未鑑定のコインは避けてPCGSやNGCの鑑定によるコインを買うといった工夫をして、自分を守りましょう。

みなさんにアンティークコインで幸あれ！

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