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【実践報告】~GROWモデル~

異動して2か月が経ちました。
野球が専門ですが、異動初年度の今年度は卓球部の顧問となりました。
3月までとは全く違う生活で、ある意味新鮮です。
 
私にとって卓球の指導は専門外であるため、技術指導はできませんが、生徒たちは次の大会に向けて頑張って活動しているため、ミーティングを実施して大会に向けた目標設定を行いました。

GROWモデルの活用

 そのミーティングでは、目標設定を行う前に「GROWモデル」というコーチング手法を用いたワークシートに取り組んでもらいました。
 
「GROW」とは、

[G]:Goal(ゴール)
[R]:Reality(現実を確認する)
[O]:Options(選択肢)
[W]:Will(意志)

の頭文字です。
 
GROWモデルは質問の力を使いながら、まずは彼らの目標を明確にしていきます。
次に、目標達成に必要な行動を確認していきます。
そして行動の選択肢を増やし自立して継続できるような仕組みを作っていきます。
 
目標に向かって新たな一歩を踏み出すサポートをするのに役立つワークです。

しつもんメンタルトレーニングと同様で、GROWモデルを活用したワークシートでは「質問」に答えていくだけです。
指導者から答えは与えません。
 
人間は質問を与えられると、勝手に答えを出そうとする性質があります。
つまり、ワークシートの質問に答えていくと、自分の中で自然と目標を定め、必要な行動を確認し、行動の選択肢を増やし、継続して取り組もうという気持ちになっていくということです。
 
下の図は、実際に生徒の書いたものです。
私からは「~~な内容を書くように」などの指示は一切出さず、「何を書いても正解だよ」「自分の考えたことがすべて正解だから安心して素直に書いてよい」と伝えて取り組んでもらいました。

部活動運営はコーチング技術

ミーティングの後半は、練習メニューの再検討を行いました。
 
生徒に聞いてみると、これまでの練習メニューは昨年度までいた卓球を専門にしてきた先生の決めたメニューだそうで、それをこなしていただけのようでした。
能動的で主体的な練習ではなく、受動的で作業的な練習だったのかもしれません。
 
ちなみに私は正直、何をしたら卓球がうまくなり、強くなるのか、全然わかりません。
ですが、たまたま卓球強豪校の練習メニューを知る機会があり、今回のミーティングではその練習メニューを生徒に提示しました。
 
それで、生徒たちに考えてもらいました。

「本校の練習メニューと何が違うのか?」
「強豪校の練習の良い点や取り入れたい点は何かあるか?」

と。
 
生徒たちに議論してもらい、「本校の練習メニューに取り入れよう」と促しました。
 
私自身は、現在のメニューを少し変更するだけの“変化”を予想していたのですが、まさかまさかの大リニューアル。笑
 
「あれをやりたい、これを変えたい」などの意見や、下級生からの意見(上級生もよく引き出したと思います)など、活発に議論してくれました。
 
やはり生徒は心の中で成長したいと思っているし、一生懸命頑張りたいと思っているんだなと実感しました。
 


卓球の技術指導はできませんが、私なんかが偉そうに言うと、やはり部活動指導はコーチングが大事なのだと感じます。
もちろんティーチングも必要ですが、生徒のやる気を引き出すコーチング技術も必要です。
 
ボトムアップで生徒の考えを吸い上げ、コーチングの手法で生徒のやる気を引き出し、生徒たちが自律していて、主体的に活動し、自分たちの力で協力して頑張り、成長していく

そんな部活動経営をしていくことが大事だと思っています。
 
顧問がいなくても、当たり前のように、みんなで集中して一生懸命部活をする

それが簡単そうでなかなかできない、究極の求められる姿だと思います。

男子は今日から、女子は明日から、目標設定をした後の、新メニューでの初練習です。
これまでとどんな変化が現れるか、楽しみです。
彼らを見守っていこうと思います。

さいごに

トップダウンではなくボトムアップ
 
ティーチング“だけでなく”コーチング
 
主役は大人ではなく子どもたち
 
それで勝つチームへ。
 
今は卓球部の子たちのためにできることを行い、それをいずれかは野球の世界で

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