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女性取締役比率は企業評価にどう影響するの?(マネックス証券 広木隆氏/モーサテNov.2023)

女性取締役比率が企業評価影響にどう影響するかについて解説する。

日本国内の女性役員の比率について、岸田総理大臣が男女共同参画会議で、女性役員の増加を図るために、プライム上場企業については、役員の比率女性役員の比率を2030年までに30%にすると目標掲げている。

2022年の男女共同参画局のデータを見ると、2012年と比較すると、6倍近くになったものの、比率としては10%にも満たない。しかし、直近を見ると、政府目標の30%超えてる会社は、約130社あり、全体の比率で言うと約14%まで向上している。

2023年上半期の株価のリターンと女性役員比率の関係性を見たところ、マイナスになっている。つまり、女性役員の比率が高い企業ほど、上半期の株価が悪く、市場評価されていないことを示す。

例えば、具体的に女性役員比率が高い上位10社(取締役と監査役も含めた比率)と、TOPIX全体の累積リターン比較したところ、圧倒的に女性役員が高い10社が負けている。

理由として、東京都立大学 増田先生の日経新聞のデータによると、女性の社外取締役比率は、ROA(企業の業績)に関係ないが、女性執行役員の比率は大きな相関性が見られる。つまり、その企業で働いている女性が業務を執行していることが、業績に繋がっているという関係を示す。

女性役員ランキングの高い10社についても、全て社外取締役であるのが現実である。

結論として、女性役員を高め、多様性のある組織を数合わせで作ることに何の意味もなさない。それよりも、多様化した組織で何をしたいのか?どこへ向かって行くのか?という本質的な問題を考えない限り、市場から評価はされないだろう。

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