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午前十時の映画祭で観たSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」

映画(2001年宇宙の旅)

午前十時の映画祭で20年ぶりに観たキューブリック監督の代表作です。SF映画の金字塔といわれ、個人的にも歴代で一番好きな映画ですが、1968年の公開時には観られずに、10年後の1978年の再映で初めて鑑賞し、2001年のタイトルと同じ年にも観て、今回で3回目となります。

1978年の公開時には、映画好きの大学生だったので、そのスケール感と難解なテーマの作品に感動し、それからキューブリックのファンになっていったと思います。
もう54年も前の映画になりますが、改めて観てみるとその難解さは不変ながらも、木星探査船ディスカバリー号での人間とコンピューターの葛藤など、ストーリー性も見えてきます。今では常識となったCGがまだ普及していないこの頃は、SFXを駆使した撮影手法で、ひたすら視覚に訴求する映像手法を取っています。

400万年前の地球から宇宙まで時系列的に全編を貫く黒色板のモノリスの象徴性、さらに人類の進化と、そしてラストは輪廻転生をイメージさせるエンディングとなっています。

大学生の頃観た時は、ひたすらその哲学的なテーマに魅かれて、難解な映画評を書いたような記憶がありますが、さすがに内容までは覚えていません。
映画のタイトルの2001年はおろか、20年後の2021年でも映画で描かれた宇宙空間での生活はまだ実現していませんが、それだけにこの映画が描いた21世紀の宇宙空間は、今観ても色あせずに斬新だと改めて思います。

宇宙空間のバックに流れる「美しき青きドナウ」も、宇宙とクラシックの組み合わせという意外性が逆に新鮮で、見事に映像と音楽がマッチしていたと思います。クラシック好きのキューブリックは、他の監督作品でもクラシックを多用しており、それがより効果的に映画の中で使われています。

確か以前キネマ旬報が発表した歴代映画ランキングでは、1位が天井桟敷の人々で、2位がこの2001年宇宙の旅だったと記憶しています。無論50年以上も前の映画ですから、映像などのテクニックでは現代映画と比較にはなりませんが、未来の宇宙空間の創出とその洗練された映像、説明を極力排除して視覚に訴求する映像手法など、映画としての完成度の高さは今でも変わらないものですし、だからこそ再度の上映でも映画ファンを魅了する作品だと思います。

21世紀を迎えることなくキューブリックは亡くなりましたが、その作品は今でも映画史上の傑作として、燦然と輝いていると改めて感じました。

#2001年宇宙の旅 #2001aspaceodyssey   #スタンリー・キューブリック #映画 #SF映画

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