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自死について

木村花さんの件を受けて
僕が思ったことだけを残しておく

誹謗中傷
何度も訪れる希死念慮
支えてくれる友人
この先の未来への不安

どれほどのものと戦っただろうか

それを思うだけで胸が痛い


少し僕の話をしようと思う

僕はちょうど一年前ほどに
病気を発症した

藁にもすがる思いで駆け込んだ精神科

毎日が無気力で何もできない日々
その中でぼんやりと希死念慮だけが浮かんだ

死のう。そうしよう。
だけど、これが本当に最後の瞬間なのかと思うと
足がすくんだ
と、同時に死ぬ気力さえ残っていないことに気づいた

病気の治療が始まった

投薬治療
効果があるのかないのかも分からず
毎日ただただ薬を飲み続けた

しかし、希死念慮はどんどん強くなっていった

もう死にたいんだ
姉に連絡をした

もう死なせてくれ
頼む
僕はもう十分頑張ったじゃないか
だからお願い
死なせて

誰かの許しが欲しかったのか
姉に止めて欲しかったのか
その時の気持ちは両方あったと思う

両親が車で迎えに来た
僕が仕事が終わるのを深夜まで待っていた両親は
「一緒に帰ろう」
そう言った

しかし、僕はそれでもなお帰らず
両親を帰宅させて
翌日仕事に行った

母から聞いたところ
僕から連絡をもらった姉は気が動転し
急いで母に迎えに行くようお願いしたという
自分は子供がいて迎えに行ってあげられない
今すぐ止めに行ってあげて欲しいと。
母も気が動転し、父に連絡して仕事を切り上げて帰り
すぐに僕の住む千葉へ向かったらしい

そんなことを引き起こしておいて
まだ僕は死ぬことを諦めなかった

周りにどれほど止められていても
心配されていても
それは抑止力にはならず
突然嵐のように襲ってくる希死念慮と戦った

僕にとって死ぬことというのは
ただ唯一の救いの手だった
この訳の分からない感情の波
必ずやってきてしまう明日
それから逃げたかっただけだ

死にたかった訳じゃない
逃げたかった
全てから

だから木村さんのことも
若かったのに
これから楽しいことが沢山あったはずなのに
などと思うのは違う

本人にとって唯一の救済だった

でも、決して良い選択ではない
自死を選ぶということは
褒められることではない

ただ、本人は何も悪くはない

悪いのは自死を選ばせてしまった環境
そしてそこに追い込んだものだ

もちろん追い込んだのは自分自身の性格もある
必要以上に考えすぎて
悩みすぎてしまう性格

だかしかし、あんな風に笑うことができる彼女が
自死を選んだということは
彼女自身を壊した元凶があるはずなのだ

乗り越えられなかった
それを受け止めるには人間はあまりに弱すぎる
一人あたりが抱えられる範疇を超えてしまった

死ぬ時に何を思ったか
僕にはなんとなくだけど分かる

僕が何度も何度も布団の中で
泣きながら思っていたことと同じだろう

この世界を恨んで
周りの人たちに懺悔し
迫りくる死に恐怖しながら
自分の人生の幕引きを感じたのだろうか

だからどうか彼女を
「お疲れ様。よく頑張ったね。」と見送ってあげたい


今こうしている間にも
きっと希死念慮と戦っている人は沢山いる

死ぬ勇気があるなら生きろ?
この先にある楽しいことを思い浮かべろ?
自分が死んだら周りが悲しむと考えろ?

そんなことは当の本人には関係ないのだ

ただ生きる
それだけのことがどれほど難しいか
生きるという選択をすることが
どれほど大変なことか


もし、これを読んだ人の中に
死にたいという気持ちがある人がいたら
僕から言えることはただ一つ

それでも生きているあなたは偉い

息を吸って吐いて
お腹が空いて何かを食べて
寝て起きる

たったそれだけのことが
どれほどの苦痛なのかを僕は知っている

だから、生きていて偉い

今日も生きている
それだけで頑張っている

死ななくていい

死ななくてもいいんだ

生きなくちゃ

辛いことは知ってる
遠い未来にある楽しいことより
迫りくる明日の辛い現実の方が
怖いんだよね

でも大丈夫

僕のように
いつか生きててよかったって
思える日は必ず来るんだ

僕だって怖かった
いつか、なんて待てなかった
今救って欲しかった

でも、あと少しだけ
もう少しだけ待って
せめて明日だけでも
生きてみて欲しい

辛さは僕が知っている
知っている上で言っているんだ

不安にならなくて大丈夫

きっと救ってくれる人が現れるから
信じて

今日は眠ろう


どうか一人でも多く苦しみから解放されますように


jun.

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