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発信はマスト。その上で、どうやって広めていけるか――フレスコボール日本代表、芝・斉藤ペアインタビュー【後編】

2017年12月に行われたフレスコボールブラジル大会で7位に入った芝卓史・斉藤亮太ペア。なぜ、芝・斉藤ペアのプレーには惹きつけるものがあるのか。プレースタイルだけでなく、髪型肌の色まで、現地に完全に染まった2人の、今後の目標などを聞いてみました。

日本代表ロングインタビュー、後編です。

※前編はこちら

自信になった「魅せるプレー」

— ペアとして「ここは通用する」と思ったところはありましたか?

斉藤 ブラジルの誰かが、本番の時の芝さんの体から出る“ソウル”みたいなものが一番すごかったと言っていて。

芝 カミーラ(女子のトップ選手)が言っていたみたいで。concentrateっていう英語を使って。たぶん集中と気迫とみなぎるオーラなのかな、わからないですけど。プレースタイルもあるかもしれない。

— 確かに、2人のラリーはいつも周りが自然に盛り上がりますよね。

芝 そういう意味では、自信がついた部分もあります。盛り上がるプレーという点においては、自分が今日本を引っ張る存在だなって。日本でのプレーもそうだし、ブラジルのプレーでも。それまでの練習の過程を知っている人が見てくれていたのもあるけど。

点がいいか悪いかはいったん置いて、魅せるプレーということだと、今自分が一番引っ張れる存在なんだなという自信があります。

— 具体的に見つかった課題はどんな部分ですか?

斉藤 僕はブラジルに行ってから、ディフェンスがダメになっちゃって。1週間くらい練習したんですけど、納得いくレベルには上がらなくて。でも直前で変えるのは怖かったので、試合はそれで出ました。

大会が終わってから、いろいろ試してみようと思って、フォアフォア(両者ともフォアハンドでラリーすること)でやってみたら、感触が良くて。ブラジルのルールだとスピードを上げてやったほうがいいので、芝さんとも最近、その形でやりだしました。そこはちょっと光が見えたところでした。

— ディフェンスを変えたことで、見えてきた?

斉藤 マルセロ選手と7分半ラリーが続いて、それでちょっと自信がつきました。なので今はそれでやってみようかなと思っています。

芝 僕は個人で言うと、体幹をもっと鍛えないといけないと思いました。あと、YouTubeでしか見ていなかったマルキーニョ(芝選手が目標とする世界トップレベルの選手)の、一番見たかった角度での動画がやっと取れたので、それを見て自分のなかで消化していくというのが課題です。

あとは、ブラジルに行った人が底上げをしていくことですかね。それが現地を知る人の責任。日本のレベルを底上げする重要な役目があると思います。

髪を刈り上げられたり、外国人に間違えられたり

— 行く前後で一番変わったことは?

芝 髪の毛!(芝選手は現地で散髪して絶妙な髪形に。。)

— ブラジルの美容院はどんな感じでしたか?

芝 カットっていうより、刈り上げるだけ(笑)。で、ドライヤーで飛ばして終わり、みたいな。ビール付きで1500円くらい。

— 美容院でビールが飲めるんですか?(笑)

芝 美容院というか、変わったバーみたいな。

— 斉藤選手は印象に残ったことはありましたか?

斉藤 ブラジルに行く前は、治安の問題とかにすごく怯えて行ったんですね。でも、言ってみたら全然何も怖くなかった。現地のフレスコボーラーと仲良くなれたからかもしれないですけど、情報だけで決めちゃだめだなって。それは行ってみて本当に思いました。

— 現地の文化に触れて変わったこともありましたか?

斉藤 向こうでは挨拶がハグで始まるので。その生活を1週間くらいやって、日本に帰ってきたら、「日本冷たいなぁ」みたいな(笑)。向こうに慣れちゃって。あ、あと帰ってきてから外国人に間違えられました!

— 日本でですか!?どうして?

斉藤 飛行機を降りて、1人で空港の出口で芝さんが来るのを待ってて。僕はマスクをして、目のあたりしか見えない状態で、さらにブラジルで日焼けして真っ黒だったんです。そうしたら、テレ東の「Youは何しに日本へ」のスタッフさんがいて、声をかけられました。「あ、あの、日本人なんで」って断って(笑)。

— 見間違えられるほど黒くなって帰ってきたんですね(笑)。


フレスコボールに絡んだ仕事ができる人を増やしたい

— 行って感じたこと考えたことをどう活かしていきたいですか?

芝 まずは、僕も亮太もブログをやっているから発信はマストだと思います。あと、現地のトップ選手がやっていたんですけど、有料か無料かは置いておいて、レッスンとかをやるのもいいかなって。それは、今はジャストアイデアですけど、希望があれば。

あとはフレスコボールに何かしら絡ませて、ある程度仕事ができる人を増やして、もっとみんながブラジルに行ける状態をつくるというのが、やりたいことですね。

— フレスコボールでマネタイズまでしていく。

芝 そう。フレスコボール関連の人だけで経済が回るぐらいまでにはまだ行かないけど、お互いに仕事を発注し合うようになっていけば、それに引きずられて、人口ももっと増えるかなと。

— 斉藤選手は?

斉藤 いろいろ体験しすぎて、どう生かしたらいいかな……(しばらく悩む)。でもやっぱり発信を頑張っていくことですかね。ブラジルに行く経験って、僕の同年代ではなかなかないので、ブラジルに行ったというだけで、「何してるの?」とすごく興味を持ってくれる。

そこでフレスコボールをやってみたい、見てみたいっていう人に体験してもらって、知ってくれる人を増やしたいです。写真とかも好きなので、若者向けに、インスタ映えみたいなのを頑張って、競技目線以外でも楽しんでもらえるようにやっていきたいなと思います。

— 今後の目標を聞かせてください。

芝 マルキーニョになる。

— ……どういうことですか?(笑)

芝 プレー面で、それくらいになるっていう。本当に、徹底的に型を学ぼうと思ってて。その上で自分のアレンジをするために、まず「守破離」の守を100%にして、もちろん来年も1位でブラジルに行きたい。

斉藤 ブラジルに行って、自分ではうまくなって帰ってきたかわからないんですけど、間違いなくこの1年で一番、毎日フレスコをして、熱中して、寝落ちしてみたいな生活で。それを生かしていきたいというのと。

この前、日本で個人的にウクレレを習いに行ったんですよ。その時にウクレレもフレスコもビーチだから、コラボしたいって言ってくれた人がいて。そういういろんなものとフレスコをコラボして、広めていきたいと思います。

〇芝・斉藤ペアのラリーはこちら。

次回も日本代表インタビューをお届けします!

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