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コロナじゃなかった①

『うちには、集中治療室がないんです』
若い女医が紹介状を見て、拒否反応を示すように云った

その言葉を聞いて、初めて、自分のからだの重症具合がわかった

3日前
38.6の熱
腰が痛く、しんどい
まさか、コロナ⁉️
すぐに発熱外来を予約して、ふらふらしながらも、PCR検査を受けに行った

『すいません、結果は、いつぐらいに判りますか?』

『そうですね、2、3日かかります。結果は、メールでお知らせします』

アホか、3日も待てるかと心の声

検査の帰りに薬局で簡易検査キッドが置いてないかネットでググってみると、すぐ近くにあることが判った

『あの~、すいません、コロナのPCR簡易検査キッド置いてますか⁉️』

『はい、ありますよ、どうぞ』
奥から出てきたのは、スラッとした背の高い理系の男性だった

感染リスクなどもろともしないその薬剤師さんは、快く受入れてくれた
心強い
『2つください』
住所と名前を書いて、1600円×2
キッドをゲットした

早速、自宅に帰って、検査してみると陰性
勤め先に連絡し、状況を説明すると、『病院検査の結果を待っててください』と出勤は拒否
拒否とはいえど、38度を越えて、ぐったりしているので、こちらから拒否だ

うちの中では、完全隔離
ベッドの部屋へ閉じ込められ、部屋からはトイレ以外は出禁
奥さんとの質疑応答は、LINE電話で行い、食事と氷枕は、部屋の前へ置かれた

夫婦、共働き
コロナかもしれない旦那と濃厚接触者にあたるのか、奥さんも出勤の可、不可が問われた
結果、奥さんは出勤可能

その翌日、39度
しんどい、しんど過ぎる
食事も喉が通らない
このかた、生まれて初めて、食事できなかった
雨の日も、風邪の日も、3食、必ず食べる人間だ
自分でも、信じられない
とにかく、寝るしかない

3日目の朝、39度
PCR検査の時に、処方してもらった解熱剤が全く効かない

PCR検査結果がメールで届いた

コロナ陰性
はっ⁉️
陰性って、どういうことだ
知人のアドバイスもあって、もしかしたら、インフルエンザかも⁉️
いつも高血圧の薬をもらっている主治医に連絡するも、熱があると診察は難しいとのこと

どうする⁉️

ネットをぐぐっていると尿道結石の可能性と記載があった

症状が少しちがうかもしれないとは思いながら、すぐに近くの泌尿器科へ行った
そこは、熱があっても、コロナでなければ診ますよとのことだった

尿道結石でもなかった
藁にもすがる気持ちで、『先生、近くに熱があっても、診てくれる病院はないでしょうか』と問いかけてみた
『よっしゃ、ひとつ、聞いてみたるわ』と、早速、医師本人が問合せてくださった
。。。
『初診の方は1を』
『お薬に関する質問は2を』
『その他は3を』
電話の向こうで音声ガイダンス
泌尿器科の医師は、『はよ、出ろや』と呟く
男気のあるいい先生だ
お昼の12時を少し過ぎていた
。。。
繋がった
状況を説明すると受入れてくれるそうだ
泌尿器科の看護師がふらつく自分を支えるように、その近くの内科クリニックまで案内してくれた
小雨が降っていた

そのクリニックでは、すぐに、検査
テキパキした女医さんと看護師さんたち
素晴らしいコミュニケーション能力
結果は、すぐに判り、『重度の肺炎』
抗生物質もすぐに投与
女医さんは、すぐに、紹介状を書いてくれた
『病院を探す時間がないので、ご家族を呼んで入院の準備をして救急車を呼んでください』とのこと

とにかく、やることが早かった
こんなクリックがあるんだとある意味感動した

意識朦朧の中、悩んだ結果、思いきって、仕事中の奥さんに電話して、入院の準備をして救急車を呼んだ

そして、この病院に運ばれきたのだ

続く

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