「あそび場」の持つチカラを、一人でも多くの人に感じてもらいたい。日本初の【移動式あそび場フェス2023】開催しました!
2023年6月3日(土)東京都千代田区神田淡路二丁目ワテラスタワー。
この日、ワテラスの敷地(広場)に全国で移動式あそび場を運営する団体が一堂に会して合同であそび場を設営・運営する日本初の「移動式あそび場フェス2023」を青空の下で開催することができました!
移動式あそび場全国リレーの最終着地
移動式あそび場フェス2023は、全国に少しずつ広がってきている移動式あそび場の実施団体のサミット的要素があると同時に、昨年の秋からスタートをした北海道から沖縄まで全国に広がっている非常設型のあそび場を繋ぐ全国リレー「移動式あそび場全国リレー2022-23」の最終着地として、約8か月に及んだリレーのゴールでもありました。
移動式あそび場全国リレー2022-23に関しては、茨城にバトンが来た下記のレポートで触れていますので、ぜひご一読ください。
あそび場からあそび場へ。想いを繋ぐあそびのリレー【移動式あそび場レポ】
7台のプレイバスが大集合!
この日ワテラスに集まったのは、東は茨城から西は大阪までの9団体7台のプレイバス/プレイカーと1台のプレイキャリーケース、そして多くのプレイワーカーたち。
団体情報をまとめると、下記のとおりです。(順不同)
当日の天気予報は、雨。
それぞれの団体も、それぞれの活動や個別のお仕事がある中で、フェスの話や準備ができるのは、月に一度の定例会と、個別の作業部会グループで夜や隙間の時間だけ。ただ一つ、安心できたことは、どの団体もイベントを単体で主催していたり、実施している実績があるということ。
移動式あそび場フェスをより広く知ってもらい、足を運んでもらうためにプレスリリースも配信しました。
そのような中、日にちが迫ってくるにつれて耳に入ってきたのは、季節外れの台風の接近情報と、刻々と雨マークに変わっていく天気予報。ただの雨ではない、災害の発生の可能性もある台風の対応を急きょ協議して延期も視野に入れ不確定要素も考慮しながらの準備となりました。
フェスの日の前日に、最も遠いところからくる大阪の団体や私たちまちのこ団も東京へ前日入りスケジュールを組んでいました。
しかし、前日の午後には高速道路の通行止めや新幹線の運休などが重なり、大阪の団体は静岡で足止めという事態も発生しました。そして雨のピークがやってきて、当日の午後には天気が回復するという予報を信じ、各団体と連絡を取り合いながら、豪雨で眠れぬ夜を過ごしました。
当日は、快晴。
そして、当日。
まちのこ団は、会場の状況を確認するためにまだ雨が残る朝早くに会場入りをしました。広場は水で濡れていて、ところどころに水たまりができていたり、芝生エリアの一部からは土が流れ込んでいるところがあったりしましたが、雨さえ上がれば、という状態でした。そのうちに、続々とプレイバス/プレイカーが集結し始め、雨も上がり、打ち合わせを行って12時開始だったものを1時間後ろ倒しの13時にすることで決定しました。
当日の決定だったため、当初のご案内の12時を目指してきてくれる方もいることが考えられたので、13時を待たずに展開できるところからあそび場を設営していくことにし、様々な状況や条件に合わせてあそび場をつくっていく、移動式あそび場の強みが発揮された瞬間でした。そうこうしているうちに雨は上がり、雲もどこかへ去っていき、正午前には雲一つない快晴の空が広がっていました。
この日、東京で一番笑顔がはじけた広場。
あそび場が始まると、周囲をビルに囲まれた広場へと何処からともなく子どもたちが集まり出し、地下鉄の駅とJRの駅との乗り換えルート上でもあることから、その途中に通りかかった家族連れも足を止めて、気が付いたら目的地がこのあそび場になってしまったような、そんな方も見られました。
「塾がおわったら来るー!」(小学生)
「何時までやっていますか? (用事が済んだら)子ども連れて戻ってきたいです。」(通りすがりのパパ)
と声をかけてくれる方や
「(毎週末)やっているんですか?」
と聞いてくれる方も。
「いえ、今日は特別に全国から集まっているんです。ただ、月1回で一台であそび場をやっています」※
とご案内すると
「運が良かった! 次もぜったい来ます!」
と子どもが遊んでいる姿に目を細めているパパ。
団体ごとにあそび場の展開内容が違ったり、コラボしたりできたのもあそび場フェスの面白さ。自然素材をふんだんに用いたところ、らくがき、みちあそび、アスレチック、びーころ、木工クラフト、昔あそび、楽器…….。小さい子はもちろん、小学生から大人までが思い思いに楽しむ姿がずっと見られた日になりました。
まちのこ団は、その中で昔あそびとみちあそび、楽器やハンモックなどを展開しました。
また会場には、千代田区長の樋口高顕さんや、東京都教育庁の担当者の方などが足を運んでくださり、熱心に視察していたのが印象的でした。
夜は、「移動式あそび場」の可能性を探るシンポジウムを開催!
夕方からは、会場をワテラス内の3Fホールへ移り、前半に「移動式あそび場」を取り入れた官民や学民連携の事例発表や『日本冒険遊び場づくり協会』の代表である関戸博樹さんをゲストでお招きして移動式あそび場のルーツであるドイツの取り組みなどをお話しいただき、後半では関戸さんと移動式あそび場全国ネットワーク代表の星野諭の2人でトークセッションを行うシンポジウムを開催。
移動式あそび場の持つ社会的ニーズやインパクト、抱える課題と地域で求められる役割や可能性などを深め合いました。
シンポジウムの後には、交流会も設けられて、各団体がそれぞれ抱えている課題を相談し合ったり、アイディアの交換が行われたり、夢を語ったり、次に向けてのアクションの芽がそこここで見られたりしていました。
まちのこ団の学生メンバーも自分の想いを発表してくれました。
「あそび場づくりは、まちづくり」
私たちまちのこ団は、「あそび場づくり」はきっかけづくりだと考えています。何のきっかけかと言えば、原体験を積むためであり、コミュニケーションであり、人と人・人とまちの関係性の構築であり、ひいてはまちづくりのきっかけです。
それらをなんのために行っているかは、最近の団長の投稿を引用すると、「生きごこち」ということになるのかもしれません。
はっきりと、これがいいんだ。正解なんだ。ではなく、
こんなここち。という人の感性が入り込める余白と、客観的解釈の自由度を包含した「ここち」が良いまち、そのような社会を目指しているのだと思います。
運営メンバー&学生インターン募集中。
まちのこ団の活動の拡大に伴い、ボランティアとしてだけではなく、有償のコアメンバーとして活動して頂ける人材を募集しています。気になる方は、下記リンクから応募をしてみてください!
(写真・文=まちのこ団)
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