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「サクランボ」

ぼくはチェリー
チェリーは英語の俗語で
処女とか
童貞とか
そのことをいうんだよ

ぼくら日本人は チェリーといえば
桜 サクラ 桜の花だけど
彼ら西洋人は
桜の花なら チェリーブロッサムとまで
言わないといけないね

だから チェリーはサクランボなんだ
サクランボ
ぼくらのイメージするサクランボは
サトウニシキに代表される
ちっこいの だね
アメリカンチェリーは
肉厚で 味も濃いじゃないの
処女とか
童貞とか
って いうんなら
わが日本の サトウニシキの
あわあわ とした
あまり主張しないような味

かじるとすぐ 歯が種にあたってしまう
肉の薄い 日本のサクランボのほうが
「それ」っぽくないかな

チェリー チェリー
サクランボ サクランボ

ぼくらが大好きな 桜の花は チェリーブロッサム
口の中に入れて コロコロ転がすとしたら
アメリカン

サトウニシキ
どっちが好みだろ

ああ 別にどっちでもいい

早く チェリーからぬけ出したいんだ


そんなことを考えた日々もあったな

ぼくの一人息子は 来月で23だけど

「まだチェリーボーイですから」

笑っている


いいじゃないの チェリー

きっと みんな魔法使いになればいい

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