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|ロードバイク甘噛み

父への反発心とは裏腹に、
数年前ロードバイクに手を出した。

その頃、夫の転勤で北九州に住んでいた私は
なにかカラダを動かすきっかけが欲しかったんだろう。夫が元々持っていたこともあって、衝動的に選んだ。

Bianchi(ビヤンキ)のザ・ミーハー色
チェレステカラー

「へぇ〜お前ロード買ったのか。
   じゃあ、とびしま海道でも走ってみるか」
素直に、走りに行こう!とは絶っっ対言わない父。弟を引き連れて、埼玉から電車を乗り継ぎ。
私たち夫婦は北九州側から電車を乗り継ぎ。
広島で落ち合うことに。

駅で時間とせめぎ合いながら、汗だくでロードバイクを解体してみる。
父から事前に届いた輪行袋に入れるためだ。

うん、たいして小さくなってない\(^o^)/
そして、衝撃の重さ!肩もげる\(^o^)/

「つらい!楽しくない!」
サイクリング中、激坂でペダルが回せなくなり、自転車をひきながら、最後尾でブゥ垂れる。先を行く男性陣をよそに、なかば半ギレ状態でビヤンキを投げ出し公道に寝転がる。

空が高い。
夏の真っ青な空だった。

「お〜い、大丈夫か〜」
遠くで男たちの声が聴こえる。

あ〜なんで休み取って、こんな苦しいことしてるんだろ…

そして、みんなに謎の励ましを受けながら、
なんとか辿り着いた…

…これだ。
これがやりたかったのだ。

爽快な海風、青い空、なんという達成感。

単純明快すぎる私。

快晴によく似合うチェレステカラー
いろんな角度から撮りまくった大量の写真が
私のスマホに保存された。

この後…
不思議と、また漕ぎたいとは思わなかった。

いや、不思議なのではなくて。
この瞬間、私はもう、私の中のロードバイクをやり切ってしまったのだ。

…案の定、このライド以降、
私のビヤンキが日の目を浴びることはなくなったのだった…

「かじった」とも言えない
「甘噛み」したロードバイク、一夏の思い出。。

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