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出雲大社のうさぎ像を見て、古事記を読み、神話を思い出す

久しぶりに松の内に出雲大社に行きました。
年末年始は天候が荒れ、飛行機が欠航になったり、電車が豪雪で遅延したりするので、もう30年以上も故郷で年越しをすることがなく、出雲大社に初詣に行くこともなかったのですが、所用があり1月の3連休に帰省しました。出雲空港で借りたレンタカーでそのまま出雲大社に向かいました。

お詣りの他に今回確認したいことがありました。それは「うさぎの像」。
出雲大社を訪れた人から、
「出雲大社にはうさぎの像がたくさんある」と聞き、幼いころから何回も行っている出雲大社でうさぎの像を見た記憶がなく、
「うさぎの神話は因幡だから鳥取のどこかの神社の間違いじゃないですか」
「絶対に何匹もいた」
というやりとりがあり、半信半疑で境内に向かいました。

お社
巨大なしめ縄

うさぎ、いました。しかも何羽も。

うさぎ
たくさんのうさぎ
大国主命とうさぎ

ネットで調べて見ると、「平成の大遷宮」があった2013年に設置されてから企業や団体などから奉納され、今では66体あるそうです。
2018年に出雲大社にお詣りに行ったときには全く気がつきませんでした。出雲大社ではしめ縄とかお社など上の方を見るので、地面を見ていなかったのだろう、と無理矢理自分を納得させましたが、出雲の国で生まれ育った者として気恥ずかしくなりました。

そういえば、出雲の神話が載っている古事記をしっかり読んだことがないと思い、実家にいる時にKindle版を購入しました。便利な世の中になったものです。本屋に憧れ上京して巨大な本屋に感激した頃と大違いです。

古事記 角川ソフィア文庫 中村啓信

古事記は漢字で記載されていますが、とても読めないので、現代語訳を読み進めました。
いざなき、いざなみ、天照大御神、須佐之男命、などの神々の物語を系統たって理解することができました。ヤマタノオロチの神話の中で育ったので須佐之男命=ヒーローと思っていましたが、大国主命に意地悪をしたことも改めて分かりました。
そして、子供の頃に読んだあの物語はこの話だったのか!、と50年以上の疑問が氷解しました。

誰かに言われて平原に放たれた矢を誰かが取りに行き、誰かに火をつけられ、ねずみに助けられた、という物語です。何の話だったかな、とずって気になっていました。

この物語は、須佐之男命が大国主命に命じた古事記の神話だったのか!

絵本で読んだ記憶があり、この話が好きで先日33回忌をした母親に読んでくれとせがんだことや、本棚から本を取り出してきて自分で読んだり、読み聞かせてくれた母親の声まで思い出しました。
神話の国に生まれ育ったのに出雲神話の1つということを知らなかったと、これまた気恥ずかしくなりました。

今回、故郷のとんど焼きに立ち会うことができました。「とんどさん」とも言います。河原で神主さんにお祓いして行います。

出雲大社は、「2礼4拍1礼」ですが、故郷のとんど焼きでは「2礼2拍1礼」です。出雲大社からさほど離れていませんが、拝礼の仕方が違います。社会人になってから出雲大社にお詣りした時でも「2拍」していたなあ、と、これまた気恥ずかしくなりました。
昨日の晴天とは打って変わり雪が降りそうな山陰らしい暗い天気の下、ご近所さんたちが集まります。何かイベントがあるわけでもありませんが、こうした風習は残していきたいものです。

日本書紀と比べ古事記の研究史は極端に短いそうです。一読はしておきたい一冊だと思います。


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