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基礎と応用、もしくは基礎の延長【システマをまなぶ】

何かの問題、例えば数学や、化学、物理などの勉強をしていたら。

基本となる方程式を理解して、基礎的な問題をいくつか解いてみる。そののち応用問題に手を伸ばし、理解を進めていく。

ただ、この方法は、いろんなことに当てはまる勉強法なんだなとしみじみと(いまさらながら)納得した。

10月になり、システマにも新しいメンバーが増えたり、すこしお休みされていた方が復活して嬉しい限り。

今回はシステマの基本となる「呼吸」の練習。

呼吸をしながらシットアップやレッグレイズをおこなう。10秒かけてゆっくり足をあげたり、一番つらいところで停止し、呼吸しながらリラックス。ウォーミングアップにもなる。

うつぶせになり、腕の力だけで体を起こしていく。勢いでグイッと持ち上げるのではなく、ていねいに。まずは、背骨がひとつずつしなるように、上半身が動いていく。そののちに下半身まで力が伝わってプッシュアップの形にもっていく。

「肩に力をいれるんじゃなくて、床に触れている拳(または手のひら)の力をつかって」

肩に力を入れた状態で体を持ち上げるのと、肩の力を抜いて、拳の力を意識して体を持ち上げるのを比較してみる。講師である北川さんのアドバイス通りにやってみると、本当に全然違う。

こうして振り返ってみると、今回のワークではこの動きが「基礎」だった。この後の組手は、全部この動きの応用。応用というより発展形式であり、基礎の延長ともいえる。

二人組になって、ひとりが床にうつ伏せで寝そべる。もうひとりもその体の上に平衡に重なる。(下の人は、乗られているので重い)この姿勢から、ひとりで行ったのと同じように、拳(手のひら)と腕の力で体を持ち上げてみる。もちろん、呼吸も忘れずに。

肩に力が入っていると、重くて持ち上がらない。ムリにあげようとすると、腰がビキッといいそう。けれど、肩の力を抜いて、拳と腕の力であげるとスイ―ッともちあがる。ひょいっと持ち上がるので、ちょっとびっくりする。

いったん力を受けながらも、相手をコントロールしていく。

うつ伏せではなく、あおむけで、足でもやってみて……となるも、あれ? なんだかよく分からない……。腕では(一応)出来たのに、足になると途端にわからなくなる。

もっとも、足は意識が遠いので、自分の思い通りに動かせていないというのは、システマを始めてからすごく実感している。

上手くできない場合は、膝をゆっくりと曲げるところからでもいいとアドバイスをもらう。

さらに応用として、椅子に座って同じワークも行った。ひとりは椅子に座り、もう一人が腕をつかんだ時に、呼吸しながらリラックスして力を返す。

椅子に座ると、さらに姿勢も違ってくる。けれど、肩の力を抜いたり、無意識に握っていた手を広げてみるとか、眉間にしわが寄っていたら、呼吸して伸ばしてみる。

緊張したり、力を込めたつもりじゃないのに、無意識的に体がこわばってしまう。すると、その部位が「詰まる」。呼吸の流れを止めて、詰まってしまうと、リラックスの力が十分に生かされない。

「筋肉は動きを記憶していく」らしい。ゆっくり曲げたところから伸ばしていく動きを覚えれば、その逆もできるとのこと。逆再生的に覚えればいいですね~と、システマ歴の長い方はおっしゃっていた。筋肉の動きの逆再生とは……。自己練習で、いろいろ試してみたい。(プッシュアップの場合、曲げたところから腕を伸ばしていく、という動き)

基礎的な動きと呼吸を、いろんなかたちに発展したり、応用して試してみる。あれ? 思うようにできないというところに、緊張は潜んでいる。

改めて考えてみると、体は勝手に緊張しているのである。赤ん坊とか、幼児を思い浮かべてみると、柔らかくてぐにゃぐにゃしている。不必要な緊張は体に生まれていない。

毎日ほとんど同じ動きしかしなくて、しかも最低限にしか動かない。そうなると、使っていない筋肉は「使ってないんならバレないだろうし、休んじゃおーっと」となるだろう。(わたしが筋肉だったら確実にさぼる)

また、おんなじ姿勢ばっかり(例えばPC作業とか)だと、その時使っている筋肉は過剰労働気味だろう。「疲れた……。でも、休めない」となるとリラックスする方法も忘れてしまう。

リラックスできないって? と読んでいる方は思うかもしれない。けれど慢性的な肩こりは、肩の筋肉の緊張なので、リラックスできていない。わたしはこのパターンで、肩でリラックスが止まってしまいやすい。

少し話がそれるけれど、首もリラックスできていない。たまにいく美容院のシャンプー台で「首はダランと下げてもらっていいですよ。リラックスしてください」といわれても「え? してるつもりですが……」となる。

また、以前マッサージを受けたときも「首の力、抜いてくださいね」といわれたものの「これでもリラックスしています」というと、うーんと悩まれた。結局、「この状態でマッサージをすると逆に首を痛める」といわれ、適当に揺すられただけだった。

肩こりも、ガチガチの首も、生まれつきではない。成長していくなかで身についている緊張のカタマリだ。

緊張が無くなることは、おそらくない。適度な緊張状態は必要でもあるだろうし。けれど、毎日の生活の中で必要以上にガチガチであり続けるのは、呼吸も浅くなり、もともとの体の動きや機能を妨げているだけなのだろう。

そう考えると、すごくもったいない。システマのワークに出ると、もっと楽に動けるんだ! という驚きと発見がある。







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