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「映画 窓ぎわのトットちゃん」を観た!

今朝、「映画 窓ぎわのトットちゃん」を観てきました。

このアニメーション映画、劇場で予告編を観た際は「イマドキ何故、アニメで『トットちゃん』? 誰得なんだか」と否定的で、観たいとは思いませんでした。
しかし、「note」などのSNSで、高く評価する記事をいくつか読んだ結果、「ならば観てやろう」と興味がわき観に行った次第です。

原作を読んだことが無いものですから、さぞかし教訓すること多い説教臭く、押し付けがましい作品なのだろうと思っていましたが、上映開始後しばらくして、そのような考えの自分を恥じました。

酷く表すれば「ませガキ」とも言えるトットちゃんは、描きようが悪いと鬱陶しい嫌味な子供になってしまいますが、本作はそのような描写に陥らず、魅力的な主人公になっていると思います。

自由で型にはまらずおてんばなトットちゃんを、トモエ学園での生活を中心に描かれたナチュラルな展開で好感が持て、作品世界にすんなり入って行けました。
そのトモエ学園の校長である小林先生の言動は素晴らしく、思わず目が潤むシーンがありました。

我が国の声優の技術は世界一だととあるコラムで読んだことがあります。そのため、私はアニメーションや吹替で声優でない人を起用するのは、少々抵抗感があります。
また、昔は声優以外の人のアフレコのよる演技は、セリフ棒読みの大根役者で聴くに堪えないものでした。

しかし、本作では役所広司(小林先生)、小栗旬(パパ)、杏(ママ)といった俳優陣が実に巧く演じており好演でした。雰囲気があって良かったです。
トットちゃん役の大野りりあなをはじめ子役たちも良い演技でした。
今、氾濫する「アニメ声優」には、これほど演じられたか疑問です。

アニメーションとしては大変質が高いものです。
特に人が行き交う街や、休み時間に校庭で遊ぶ子供たちの描写などといった「モブシーン」が手が込んでおり驚きました。
背景美術をはじめ全体的に緻密な描き込みでしたが、それがうるさくない描写になっており充実したものだったと思います。

キャラクターデザインは予告編を観た際は奇異に思えましたが、実際に作品を観始めストーリーが展開していくと、むしろ作品世界に合っており違和感はありませんでした。

太平洋戦争中の描写は、思想が悪しき方向に偏った人にとっては鬱陶しいものかもしれません。
しかし、戦後から79年経った現代の人たちには、あのようでなければ本質的なことは伝わらないと思います。

前述の通り、原作を読んだことが無いものですから、どのようなラストを迎えるのか観ながら楽しみにしていましたが、物足りない感があり少々残念でした。ただトットちゃんのその後の活躍(人生)を予感させるものなのは気に入りました。
あと、パパが何故「トット助」と呼ぶのか説明がほしかったと思います。

心温まるものがあり、また考えさせられるものもある大変良い映画でした。観て良かったです。

※文中敬称略

シアターの上映作品を知らせるために掲示されたチラシ。
今朝のチケット。
パンフレットの表紙。880円也。

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