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「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観た!

今朝、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観てきました。

妖怪の少年、鬼太郎が活躍する水木しげるの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」(原題「墓場の鬼太郎」)は、過去に6回TVアニメ化されています。
放映時期などは次の通り(Wikipediaより)。

第1期〈1968.1.3~1969.3.30・全65回〉※本作のみモノクロ
第2期〈1971.10.7~1972.9.28・全45回〉
第3期〈1985.10.12~1988.2.6・全108回〉
   地獄編〈1988.2.8~3.21・全7回〉
第4期〈1996.1.7~1998.3.29・全114回〉
第5期〈2007.4.1~2009.3.29・全100回〉
第6期〈2018.4.1~2020.3.29・全97回〉

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」はキャラクターデザインやキャスティングなどから「第6期」がベースになっていると言って良いでしょう。

実はこのアニメーション映画、当初は観るつもりがありませんでした。
「ゲゲゲの鬼太郎」は勿論、水木しげる作品は好きなのですが(「総員玉砕せよ」は傑作です)、TVアニメの第6期が途中からつまらなくなって視るのをやめていたため、その6期がベースの本作には興味がわかなかったのです。
しかし、SNS「Bluesky」でとあるアニメーターの方が高く評価しているのを読んで、「ならば観てみるか」と思い観に行きました。

観て大正解でした。
大変面白かったです。

まずアニメーションとしては劇場版らしい質の高いものだと思います。
私はアニメーションというものは“動き”で魅せる、つまり“動かしてなんぼ”のものだと考えています。ところが近年TVアニメでは、キャラクターが動かず棒立ちで会話するだけの作品が見受けられるのを不満に思っていました。
劇場版なので当たり前と言えばそれまでですが、本作では蒲団を敷きながら会話するといった、人の“仕草”が描かれているシーンがあり感心しました。

「PG12」ですがビジュアルは度が過ぎたものではなく、娯楽作品としての役割を果たした適度なものになっています。ならば大したこと無いという訳ではなく、おどろおどろしい作品世界を見事に表現しています。
初めの方のとあるシーンでは観ていて本当に身震いしました。
昭和31(1956)年が舞台ですが、列車の車内など当時の様子が巧く描写されていたのも評価できます。

ストーリー展開は重厚感があり大変観応えがありました。
ちょっと「犬神家の一族」を思い出しましたね。
各キャラクターがしっかり描かれている、いわゆる“キャラ立ち”しており、故に相関関係も明確なためストーリー展開の中で、キャラ一人一人がちゃんと役割を与えられています。
そのため作品全体に無駄が無くよく締まっており冗長さがありません。
“次は何が起こるのだろう”と思わされ続けて集中できた、充実した上映時間105分でした。

単なる“怪奇もの”に終始せず、人間の誰もが持つ“業”描いているのが作品に奥行きを与えています。
また、ところどころに現代社会へ対する風刺と言えるようなものがあり、高いメッセージ性も含んでいます。
水木の兵役時代のエピソードも意味深な寓意的に思え良かったです。

キャスト陣も良く水木役の木内秀信は好演でした。
種崎敦美の出演は知っていましたが、沙代役だったとは驚きました。不覚にも気づかなかったです。
全体的に良いキャスティングと言えるでしょう。

音楽が川井憲次なのは意外でした。

★五つを満点として評価するならば、
★★★★☆
です。

今朝のチケット。

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