屋号「いりえ」の由来
あけましておめでとうございます!
今年2月から神保町で間借り本屋をはじめます。先日、宣伝用のnoteを開設しました。これまでの簡単な経緯は以下から。
新年最初の投稿となる本日は、屋号「いりえ」の由来を紹介します。
まず一つ目は「こんな場所にしたい」という思いを込めて。入り江とは海や湖が陸地に入り組んで出来た地形のことで、波が穏やかな傾向があるそう。
自分にとって、訪ねてくる人にとって穏やかな場所でありたい。自由に休んだり、ときに交流したり、そこからまた漕ぎ出してもゆける。広やかなイメージがあります。
「ひと休み/交じり合う/外へ」。連想的にコンセプトも浮かび、しっくり馴染んだ気がしました。
もう一つ、屋号を「いりえ」にした根本には私の思い出が関係しています。
私は北海道の海沿いの小さな町で生まれ育ちました。小学5年生の時にたまたま読んだ本がとても面白くて読書にどっぷりはまり、以来たくさん本を買ってもらうように。
当時よく行っていたのが町でいちばん大きな本屋さん。その名前が「いりえ書店」だったのです。自分たち家族は「いりえ」と言って親しんでいました。
売り場面積はけっこう大きく、店内に入って右へまっすぐ進むといちばん奥に児童書コーナーがあります。
私はそこで『モモ』や『はてしない物語』『ダレン・シャン』『ミッケ!』シリーズ、間違い探し、雑学、クイズ、占い、その他さまざまな本を選び、年齢が上がるにつれ文庫本や一般文芸書のコーナーにも対象範囲を伸ばしていきました。
日常に欠かせなかった「いりえ」はしかし、私が中学生か高校生くらいの時に閉店してしまいました。私の世界を一つずつ押し広げてくれた場所、「原体験」とも言える場所。
本屋をやるぞと決めた時、はじめはユニークだったり粋だったりキャッチーな屋号にしようかといろいろ思案してみたのですが、やはり頭に何度も浮かんでくるのは「いりえ」という名前だったのでした。
愛着と思い出がつまった名前がすでにあるなら、無理して他のものを考える必要はないですよね。
そんな意味があっての「いりえ」です。上のイラストはSNSのアカウント画像用に描いたもの。本当は開いた本と入り江をうまく融合させたかったのですが、なかなか難しく、単純なデザインに。せめて海辺を表現するため、透き通る青色を重ねました。
オープンまで残り1ヶ月。お店では、私がこれまで読んできた本を中心に、古本と少しの新刊を販売する予定です(読書会や本についてお喋りするイベントもやりたいな…)。ぜひ遊びに来てください。
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