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新しい言語を学ぶと、新しい自分に出会える

日本人が英語を話す時に、少しオーバーリアクションになるなど、話す言語によって、本来の自分とは違う性格が出てくることがあると思う。

第3言語としてアラビア語を話すようになってから、特に感じるようになった。

アラビア語には常套句がたくさんある。
その中には、相手の幸せを願ったり(アッラーが単語として入ることが多い)、相手のことを褒めたりするものなど、さまざま。

私もたまに言われるのが、
إنتي حلوه インティヘルエ(あなた素敵ね)という言葉。

髪型を変えたり、普段着ないような服を着たりすると、女性からそうやって褒めてもらうことがある。

そう言われた時には、
عيونك الحلوه アーユーニックヘルエ(あなたの目は素敵ね)か、
إنتي أحلى インティアハラー(あなたの方が素敵よ)
などという言葉が、私の口から勝手に出てくる。

「あなたの目は素敵ね」という表現は、「(素敵なものを素敵だと捉える)あなたの目が素敵」というメタファーだそう。

これらの表現は、実際に私が現地の女性について「素敵」と褒めたときに、いつも言われる表現だったので、自然に私もそう言うようになった。

実際にそう思っているのかは特に関係ない。

アラビア語には、このような「お世辞表現」がたくさんある。(言い方悪い笑)

なので、私がアラビア語を話す時は、一時的に以下のような性格の人間になっている。

・人のことをよく褒め、お世辞をよく言う。
・信仰深い(アッラーという言葉をよく使うから)
・自分の意見を主張する

3点目については、アラブ人は人が話している時に重ねて話をすることが多く、
اسمعي イスマアィ(聞いて)とか 、
ردّي ルッディ(聞いて)を会話中によく挟む。

なので、私もアラビア語を話す時には、「聞いて」という言葉こそはあまり使わないものの、話を聞いてもらうために、少し強めに自分を主張する。

ちなみに、活動先のセンター長に話しかける際、彼女は電話に応答したり訪問してきた人に対応したりで、とても忙しい。

彼女が暇になるのを待っていたらいつまでも話ができないので、タイミングを見つつも、積極的に話をしていかないといけない。(アラブ人電話大好き)


一方、日本語や英語を話す時には、多かれ少なかれこのような性格になると思う。

<日本語>
・相手に配慮し、遠慮がちになる(恐れ入りますが…など)
・目上の人や、初対面の人には丁寧になる

<英語>
・誰に対しても平等に接する
・感情を豊かに表現する

パッと思いつくだけでもこれだけ出てくるので、よく考えたらもっとたくさんの特徴があると思う。(あればぜひコメント欄に教えてください)


言語というのは、その音や文字だけではなく、その言葉が生まれる理由となった文化的背景が必ず存在する。

言語学習は、その言葉が使われる場所の文化も同時に学ぶことであり、それを習得することで、未知なる自分にも出会うことができる。

そう考えると、他にも言語を学んでみたいという気持ちになる。

英語、アラビア語、そしてほんの少しのスペイン語。

最近はフランス語とドイツ語への興味が少しある。
これらの言語をマスターしたら、どんな性格の自分になるんだろう。


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