研究代表者　nisi
研究協力者　とつげき東北、みーにん

１．はじめに

今回は、下記記事に近い内容にしてみました。

前回記事では、両面の待ち種類やアガリ牌見え枚数をはじめ、様々な切り口から先制両面リーチのアガリ率をクロス集計（エクセルピボットテーブル）という形で、データをべたべた貼っていきました。

これはこれで、意味のあることだとは思いますが、以下の2点が実用上の課題としてありました。
・表の数とかサイズがでかすぎて、目当てのデータを探すのが大変
・1表につき、2~3個の変数に関する分析しかできてない。実際の牌姿が与えられたとき（ある特定の待ち種類・周辺牌見え枚数・巡目・…etcなど、多変数）のアガリ率予測に対応していない。

このあたりの課題を解決するために、ロジスティック回帰分析という手法を用いて、先制両面リーチのアガリ率を予測する、以下のようなエクセルシートを作ってみました。

黄色の部分を入力すると、エクセルシートでいい感じに計算して、オレンジ色の予測アガリ率を出力してくれる、というツールになります。

有料部分で、このエクセルシートをダウンロードできるようにしています。

２．分析の手順

〇分析元データ（csv）作成用、牌譜解析の条件

・あるプレイヤー（以下、自分とする）がリーチした瞬間を調査対象とする
・一人目リーチ
・全員0副露
・待ちが両面（亜両面など、自分でアガリ牌を2枚以上使ってる場合は除外する）
・以上、条件に当てはまった時、1件分のデータとして登録する。
・以下のデータを取る。巡目・両面待ち種類・外側アガリ牌見え枚数・内側アガリ牌見え枚数・外側搭子牌見え枚数・内側搭子牌見え枚数・外側搭子牌3巡以内切っているか・内側搭子牌3巡以内切っているか・外側搭子牌4-6巡に切っているか・内側搭子牌4-6巡に切っているか・外側搭子牌リーチ宣言牌か・内側搭子牌リーチ宣言牌か・残りスジ本数・ドラが外側アガリ牌か・ドラが内側アガリ牌か・ドラが外側搭子牌か・ドラが内側搭子牌か・この局自分がアガったか

この牌譜解析の結果、以下のようなcsvファイルができます（両面25,58待ち・9巡目の場合。待ち種類・巡目に関してフィルターをかけて、別ファイルを作る）。

〇ロジスティック回帰分析

このcsvファイルたち（待ち種類別・巡目別）に対して、それぞれロジスティック回帰分析にかけます。

・参考

・説明変数
外アガリ牌見え枚数1
外アガリ牌見え枚数2
外アガリ牌見え枚数3
外アガリ牌見え枚数4
内アガリ牌見え枚数1
内アガリ牌見え枚数2
内アガリ牌見え枚数3
内アガリ牌見え枚数4
外搭子牌見え枚数2
外搭子牌見え枚数3
外搭子牌見え枚数4
内搭子牌見え枚数2
内搭子牌見え枚数3
内搭子牌見え枚数4
外搭子牌3巡内切り
内搭子牌3巡内切り
外搭子牌4-6巡内切り
内搭子牌4-6巡内切り
外搭子牌宣言牌
内搭子牌宣言牌
残りスジ本数
ドラ外アガリ牌
ドラ内アガリ牌
ドラ外搭子牌
ドラ内搭子牌

・目的変数
アガリ率

最尤推定法により、エクセルソルバーで各待ち種類・巡目ごとに、偏回帰係数を計算して、以下のような表を作ります。

行方向が、ある待ち種類・巡目の場合の各説明変数の偏回帰係数で、それが待ち種類3種類（14,69待ち・25,58待ち・36,47待ち）と巡目17種類（1~17巡目）の計51行分あります。

これらの偏回帰係数たちの表を使って、先に挙げた先制両面リーチのアガリ率予測のエクセルシートを作ります。

以下、有料部分で、
・アガリ率予測ファイルのダウンロード
・アガリ率予測ファイルの使用例
・偏回帰係数の表
・オッズ比による各説明変数がアガリ率に与える影響の考察
・説明変数間に多重共線性がないことの確認
をやっていきます。

３．先制両面リーチアガリ率のロジスティック回帰分析による予測

まず、アガリ率予測用のファイルを以下にアップロードします。ご自由にお使いください。